ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Within Destruction 『Animetal』

  • 日本のアニメ・サブカルチャーを大胆にドッキング
  • 音楽自体はクリーン多めのモダンメタルコア
  • 叙情性を打ち出した曲のキャッチーさはなかなか強め

 

まずジャケットですよ。見てよこのジャケを。

日本のマンガ・アニメから大きな影響を受けた、サブカル臭プンプン漂ってますわい。

 

スロベニア出身のWinthin Destructionによる最新作。先日のSable Hills主催イベントでの来日も記憶に新しいところです。

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

そのライヴ感想記事でもチラッと書きましたが、このバンドは元々デスコア、スラミングデスと呼ばれるような、非常にエクストリームに特化した音楽をプレイしていたらしい。

 

しかし2020年に発表したフルアルバム『Yōkai』あたりから、デスコア的な凶悪な音楽から少々音楽性を変化させた模様。僕は未聴なんですが、モダンなメタルコアに加えてヒップホップだったり、トラップだったり、異ジャンルの音楽性を混ぜ込み始めたり、アニメの音声を使うという本作の路線に通じる要素を入れ込み出したりと、サウンドの幅をかなり広げたのだとか。なかなか恐れ知らずなことをするバンドだなオイ。

 

そして本作ですよ。このジャケット、そしてアニメタルなんてタイトルからわかるように、愛してやまないジャパニーズサブカルチャーを、アートワークにガッツリと落とし込むという、さらなるブレイクスルーをやってのけました。

 

日本のメタルファンなら"アニメタル"と聞いたら、まずはアニソンをメタルカバーするプロジェクトのことを想起すると思うんですが、それとまったく同名のアルバムになった訳で、何か問題になったりしないんかな?まあ本作はアニソンカバーではなく、アニメの要素を取り入れたというもので、コンセプトは一切違うからいいのかな。

 

オープニングを飾るM1「Animetal」は、"Animetal, animetal, animetal Go! Go!"のコーラスが絶大なインパクトを放ち、「一緒に食べよ!」なんていうムカつく可愛いアニメ声のサンプリングも差し込まれ、サビは日本のJ-PUNK/LOUD(ザックリ「ラウドロック」と括られるような感じ)に通じるようなキャッチーさを放つ、デスコアとはとても呼べないシロモノ!これを初めて聴いた時の衝撃はなかなか大きかったな〜。

 

M10「Hide & Sick」では、もうハッキリと「お前はもう死んでいる」ってセリフが入ってますからね。さらにブックレットには、ご丁寧にそのセリフの横に「NANII?!」って書いてます(笑)

 

こうやって書いていくとネタに走ったヘンテコメタルと思えるでしょうが、あくまでCDの見てくれやSEの小ネタ程度に収まっていて、音楽全体としてはモダンなメタルコアから大筋でブレてないです。クリーンヴォーカルも多用されているので、エクストリームすぎなくて聴きやすい。

 

M1の他ですと、透明感あるシンセが全体を貫き歌メロもメロディック、叙情性が目立ったギターソロも魅力なM6「Cybergirl」、まるでPassCodeかと思うほどのシンセがイントロを飾り、ポップさすら滲みでてくるほどに歌の充実度が増した(と思いきや後半にはエグいビートダウンあり)M8「Stay 4ever」が特に気に入ってます。

 

僕としては聴きやすく、わかりやすいキャッチーな曲もあり、メタルコアとしてのヘヴィさも一貫して持っていて、普通に良いモダンメタルアルバムだと思いました。

 

ただ、初期の彼らを愛していたブルータル野郎にとってはどうなんでしょうねコレ。ものによっちゃ国産ラウド系バンドにも通じるような歌メロとか、パッと見じゃネタとしか思えないジャケットとタイトルとか、「こんなバンドじゃなかったのに!」と憤慨してしまってもしょうがない変貌ぶりですよね。いったい何が彼らをそうさせたというのだ。

 

まあ、今の音楽性の方が間口は広いだろうし、ネタ要素も親しみやすさに繋がるだろうから、失った以上に得たファンの方が多い...という事になったらいいなぁ。

 

 

個人的に本作は

"アートワークとSEに日本のサブカル要素を大胆にブチ込んだ、ほどよくキャッチーなモダンメタルコア。タイトルトラックのインパクト絶大"

という感じです。

 


www.youtube.com

 


www.youtube.com