ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

KILLSWITCH ENGAGE 『This Consequence』

  • 00年代を彩ったメタルコアの王道そのもの
  • ロディックなメタルとヘヴィなハードコア双方の美点
  • 2025年の今聴いても最高にカッコいいよ

 

メタルコアというジャンルの顔役とも言うべきKsE、前作『Atonement』から5年以上ものブランクを経てリリースされた9thフルアルバムです。

 

ここまでリリース間隔が開いたのはコロナ禍があったからでしょうが、久々となった新作においても、彼らの信念が曲がることは決してありません。先行公開されていたM4「Forever Aligned」およびM5「I Believe」を事前に聴いて、本作の仕上がりに何の不満も持っていなかったわけですが(特にM4はメタルコアの理想的完成度では!?)、やはりこのバンドが期待を裏切ることはなかった。

 

キレ味鋭い破壊的なシャウトと、野太くたくましいクリーンヴォーカルで曲のテンションを引っ張るジェシー・リーチのヴォーカルに、正統的なメタルとヘヴィなハードコアの両方の旨みを持つギター、ハードコアテイストを強く醸し出すバキバキのベースにより、アグレッシヴなメタルコアの攻撃性は完璧に担保されています。

 

それでいてとにかくギターフレーズにしろ、クリーンヴォーカルの歌メロにしろ、哀愁の漂うエモーショナルなキャッチーさ、これが非常に強力であり、メロディックメタルコアの"メロディック"な部分をより魅力的なものに仕上げているのです。もともとメロディーセンスの優れたバンドでしたが、本作においてもメロディーの強度がまったく陰らない。

 

ヘヴィな突進力で進みながら、サビではメロウなヴォーカルで聴かせるM1「Abandon Us」からして、もはやメタルコアの教科書のような出来栄えの曲で、そこからブラストビートとメロディックな歌を絡めたM2「Discordant Nation」、勢いを少し抑えてエモ的な哀愁の色を強めたM3「Aftermath」、前述の名曲M4と繋がる前半部には、一切の隙がない強力な出来栄え。メタルコアの理想郷と言えるサウンドがずっと続いていきます。

 

M5の歌で少ししっとりとした後の後半部は、前半と比べるとメロディーのキャッチーさというか、胸に深く刺さるようなフックは多少落ち着く印象かな?(あくまで前半に比べればの話) とはいえ、彼らのサウンドの強みがヌルくなるようなことはなく、最もドラムのパワフルさに秀でた、突進力抜群のアグレッシヴチューンM8「The Fall Of Us」が示すように、音から溢れる馬力も貴重感も全く削がれる気配はなし!

 

このアグレッションとエモーションの見事なバランス、メタル+ハードコアの王道を決して外さないサウンドの安定感、怒りと悲哀が織りなすサウンドの妙技。これらはまさにKsEのお家芸と言え、メタルコアというジャンルの魅力を最もストレートに、わかりやすく伝えてくれる作品になっています。

 

国内盤帯にある「俺たちの青春のメタルコアがここに...」という文句の通り、00年代に青春を過ごした元メタルコアキッズにとっては間違いの無いサウンドですし、当時をリアルタイムでは体験してない人(僕もそっち側です)にとっても、まったくレガシーには感じない、熾烈なパワーを秘めた力作。早くも2025年を代表するメタルコアアルバムになったでしょコレ。やっぱこのバンドすごいよ。

 

 

個人的に本作は

"ヘヴィな攻撃性とエモーショナルなメロディーが織りなす、KsEの王道を行く直球メタルコア。00年代のメタルコアの魅力を完璧に継承している"

という感じです。

 


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