ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

2/22 9mm Parabellum Bullet / Tour 2024-2025 「YOU NEED FREEDOM TO BE YOU」 at Zepp DiverCity

9mm Parabellum Bulletが昨年発表した10thフルアルバム『YOU NEED FREEDOM TO BE YOU』のレコ発ツアー、Zepp DiverCity公演に行きました。9mmのライヴは新宿BLAZEで観たばっかり...かと思ってましたが、もうあの日から半年経ってるんだな。まあ半年なんてつい最近っちゃ最近だけどさ。

 

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3連休の初日という好条件で、しかも天気も良いという絶好のライヴ日和(屋内だけど)。幕張メッセで同日に開催されているフェスにもちょっと興味は引かれるところですが、ここは逆方向の電車にのってお台場へ。

 

DiverCity内のタワーミニが、リニューアルによりさらに売り場面積の小っさい店になったことに悲しみを覚えつつ(元から小さめだったとはいえ)、開場時間過ぎくらいにZeppへ。動線を間違えてスタッフさんにやんわり注意されたりしながら、とりあえずフロアへと入りました。前回は和彦さんに近い下手側だったため、今回は滝さんがいる上手側あたりで待機する。

 

今回ソールドこそしなかったっぽいですが、直前のフロアの状態を見てみた限りはほぼ満員に近い様子。3連休初日という日程だけに売り切れてほしかったところですが、まあこれだけ入れば寂しさを感じることはありません。

 

開演時間ちょうどくらいに暗転。直近の武道館およびBLAZEでのライヴでは、登場SEが変わっていたのですが、今回は従来通りに「Digital Hardcore」が流れながらの登場。やっぱ9mmのライヴはこの曲で始まる方が良いな!

 

9mm Parabellum Bulletです、こんばんは」と卓郎さんの挨拶と共に、爆音のバンドサウンドでオーディエンスをお出迎え。この時点で滝さんは狂ったようにギターを掲げて動き回る。このアクティヴさを近い距離で観られるのは、9mmのライヴの醍醐味と言えます。

 

アルバムの流れ通り「Baby, Please Burn Out」からスタートし、メタリックな響きのラウドなサウンドで疾走開始。初っ端から熱くさせてくれますが、なんと2曲目の段階から初期の名曲「Termination」とはやってくれましたね。あの劇的なイントロと豪快なギターソロは、爆音で聴いてこそより映える。

 

僕が上手側にいたからというのもありますが、それを抜きにしてもやはり滝さんの存在感が抜群でした。もうとにかく超動くんですよ。立ち止まって落ち着いて弾いてる時間の方が短いんじゃないかってくらいに、ひたすらギターを振り回し、ステージを縦横無尽に動き回って、お立ち台に両手を広げて立っては、エッジの際立ったリフを掻き鳴らす。

 

いや、もちろん滝さんがアグレッシヴ極まりないライヴパフォーマンスをするギタリストだってことは知ってましたよ?でも、今回はそれに輪をかけてはっちゃけてました。もう目が奪われっぱなし。

 

まさか披露されると思わなかった「悪いクスリ」(ベースのイントロが鳴った瞬間にどよめきが起きました)では、中盤のギターフレーズを大胆に改変し、凄まじい狂乱っぷりで演奏する。例えるなら酩酊状態で大魚の一本釣りをしているような感じでした(あの場にいた人ならわかりますよね?笑)

 

これだけメチャクチャに暴れ倒していても、不思議とバンドアンサンブルは狂わないんですよねぇ。ツアーを経て新曲が体に染み付いたのか、以前のBLAZEのライヴと比べてアクションは大きくなっているのにもかかわらず、サウンドの仕上がりとまとまりのレベルが上がっている。

 

これはやはりリズム隊がしっかりしているからなんでしょうね。和彦さんは昔ほど大暴れはしなくなり(それでもカオスパートではベースをぶん回していましたが)、低音のボトムを形成、かみじょうさんは流石の腕前で圧巻の手数を披露しながら、決してヨタることのないタイトなドラミングを叩き出す。このリズムの安定により、滝さんがどれだけ暴れ散らそうとも、9mmサウンドの軸がブレることがない。

 

初期からはるかに安定した卓郎さんのヴォーカルも、原曲以上に色気や深みを増し、歌謡的なメロディーに艶のある色付けをしていく。それが特に顕著だったのが「新月になれば」で、この曲ではハンドマイクによるヴォーカルという、なかなか見られない姿が。青く光る照明と合わせて、艶やかなヴォーカルが一層ムーディなものに変貌していました。

 

ただ、ヴォーカルとしての進化・深化は見せつつも、MCでは変わらないたどたどしさを見せるのが卓郎さんらしいなとも思いました(笑) 「MCで曲のことをあんまり語らないバンドだから」「どんな思いを込めたかは過去のインタビューを見てほしいんだけど」「喋んなくても曲が雄弁に語ってくれるからさ」と、必要以上に説明くさくはならないようにしてましたし。

 

新譜からの曲を中心としつつ、ところどころに過去曲を配置したセットリストの順番も絶妙で、前半に配した「Vampiregirl」や後半にかけてエンジンをかけていく「キャンドルの灯を」なんかは個人的に好きな曲というのもあり、特に気持ちよく盛り上がれました。「Vampiregirl」では「うわ〜〜これが聴きたかった...」と感極まるファンの声が聞こえました。

 

後半になって披露された「カタルシス」はイントロの段階から不穏な空気を振り撒きつつ爆走、特にラストスパートではかみじょうさんの機関銃のごときツーバス連打が響き渡り、一層の迫力を見せつける。下半身にズンズンと響く低音は、この瞬間が一番破壊力があったように思います。

 

そして何より圧巻だったのは本編のラストにかけての名曲連打ですよ。新譜の最終曲であり、最大のキラーチューンである「Brand New Day」から始まり、「Discommunication」「新しい光」「生命のワルツ」という反則級の流れ!間違いなく本日一番アガった瞬間であり、ハイライトになった場面でしたね。ここまでやってくれたらお腹いっぱいですわ。

 

「Discommunication」では、暴れすぎたツケが回ってきたのか、滝さんのギターのシールドが絡まったような感じで、いったんギターを取り外し袖のスタッフに渡して調整してもらわないといけない状況に見舞われる。その間演奏を止めるわけにもいかないので、ギターを手放した滝さんはステージ上でただ踊っているだけという普通のライヴじゃありえない光景が広がっていました(笑) これには卓郎さんもメッチャ笑ってました。

 

「新しい光」の劇的なサビを皆で共に合唱し、赤い光がミラーボールで散らされて、ダークなムードが充満した中での疾走メタル「生命のワルツ」で、思い切りヘッドバンギング。この場面では落ち着いて観るなんて選択肢は潰れてしまうな。

 

アルバムのタイトルの元になった「叫び -The Freedom You Need-」は、この怒涛の流れのラストを締めくくる役割を与えられただけに、音源以上の興奮をもって響いてきました。リズム落ちパートを経て、ラスサビ前になるとピタッと空気が止まったかのような静寂が訪れるのが、メッチャ心憎い演出!

 

正直、「Brand New Day」以降の流れでチケット代の元は取れたと言ってもいいほどでしたが、さらにアンコールにてメンバー再登場。9mmを初期から支える名曲「Talking Machine」「Punishment」という定番ながら熱い流れです。

 

「Talking Machine」では曲前で恒例となる卓郎さんのマラカス演奏のパートもありましたが、バッキングで流れている滝さんのギターは、何故か呼び込みくんのメロディーでした(ちいかわの朝の体操でもお馴染みですね) しかも結構長く繰り返してましたが、何故このチョイスだったんだろ。

 

オーラスの「Punishment」では、何故かマイナー調になった呼び込みくんメロディーを前奏としてからの爆走。そのまま圧巻の演奏が続くかと思いきや、ここで滝さんが自らの意思でギターを手放し、そのまま上手側のスピーカーによじ登るという奇行に走る!そしてスピーカーの上で立ち上がろうとしたら、頭上にあるスピーカーに頭をぶつける!そのままステージ隅でアグレッシヴに動いてると思ったら、ラストのフレーズではスピーカーの上でうつ伏せに寝転んだまま、エフェクターを踏んだりといった指示をスタッフに出すという、ある意味この日1番のカオスな瞬間になりました。ギター弾け(笑)

 

この曲は竿隊が一斉に前に出て、圧巻の高速ソロを弾き倒すのが見せ場になっているはずなのですが、いかんせん滝さんがこんな調子なので、視線がステージ右端に吸い寄せられてしまい、肝心のソロをしっかり視認することが不可能となりました。あれ見て演奏に集中しろっていうのは無理な相談ですよ。

 

 

こうして2時間にわたるライヴは終了。予想以上にライヴ映えした新譜からの曲はもちろん、クライマックスの名曲の連発に大いに沸いたライヴになりました......が!やっぱり滝さんの"ライヴパフォーマンスのような何か"に、最大のインパクトを受けつけられた感じですね(笑)

 

昔のライヴ映像にあったような、滝さんらしい滝さんを見られて、今日は上手側にいて正解だったなと心から思いましたよ。カッコ良さに酔わされつつ、あまりのFREEDOMっぷりに笑わせてもらいました。

 

武道館の時とかは、暴れつつも基本的に演奏をしっかりとこなしている感じだったので、ここまで自由な滝さんを間近に生で見られたのは貴重な機会。あ、もしかして"君が君でいるためには自由が必要だろ"っていうのは、彼のことを指しているのか?