
会社で仕事をしているとき、ふと気付いたんですよ。「あ、そういえば今週末はROCK-O-RAMAがあるんだ」って。
2015年に一度解散したあと、昨年の大型フェスにて電撃再結成を果たしたFACT。彼らが今度こそ本当のラストステージとして、幕張メッセでフェス形式のライヴイベント・ROCK-O-RAMAを開催することを発表しました。
事前の抽選で見事チケット当選していたフェスなので、本来であれば今か今かと開催を楽しみに待っていたはずなんですけどね。すっかり開催日が近づいていることすら意識していない状態になっていたですよね、ここ最近は。
それは何故か。まあ、以前このブログでも記事にしたんですよね。コレですよ、コレ。
show-hitorigoto.hatenablog.com
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ああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ハーネーム観たかったよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!(T皿T)
出演が決まった時のブログ記事、文章から当時のウキウキした気持ちが伝わってきて、今読み返したら虚しさしか感じんな...
正直「HER NAME IN BLOODを観られる」という点が、ROCK-O-RAMAへのモチベーションの大半を担っていただけに、それが無くなってしまった後は、どうも素直に楽しみに待つ気持ちが薄れてしまっていたんですよね...
しかし、わざわざ高い金払ってチケット買ったんだから、いい加減気持ちを切り替えないといけないし、FACTは音源こそだいぶ前から聴いていたものの、ライヴは観たことがなかったので、これがラストと言われればやはり「行かなきゃな」という風には思えるようになりました。
そんな訳で、本来聴けるはずだったHER NAME IN BLOODをBGMにしつつ、当日は幕張メッセへと馳せ参じました。京葉線内にはいかにもラウドロックキッズ然とした人がたくさん。
今回は特に物販を買う予定もない(だってハーネームいないもん)ので、荷物は肩掛けのポーチのみで、クロークやコインロッカーを使う必要は無し。この身軽さは楽でいいな。
11時過ぎには幕張メッセへと到着。開場時間はだいぶ過ぎているから特に大きく待たされることもなく入場。メッセ内に入った後はソールドアウトしているだけあり、結構な人混みにはなりました。

まずは会場内を軽く見て回る。9-10ホールにはメインステージとして、UNITY STAGE・ANARCHY STAGEと命名されたステージが並んでおり、11ホールにはスケボーのランプと、トラックの荷台をステージに改造したサブステのTRUCK STAGEが存在しています。
ハーネームのベーシストであるMAKOTOさんがスタッフを務めているCRAFTROCK BREWPUB(かつて一回だけ行ったことあります)のブースがあり、そこで今回の出演バンドをイメージしたコラボクラフトビールが販売されていました。せっかくの機会なので、本日の出演組であるCRYSTAL LAKEのビールをチョイス。最初口に入った時には「少し甘めかな...?」と感じるような風味で、そこまで苦味やえぐみが強くはなく、酒が得意でない僕でもそれなりには飲むことができました。

スマホのカメラもどんどん高機能になっていく今、どうやったらこんなボケまくりの写真が撮れるんだ
その他には飲食店のカーが並んでいるのに加えて、Deviluseをはじめとしたアパレルブランドの出店もあるのですが、これがまた「ライヴ観られなくなるよ!」と言いたくなるほど長蛇の列だったため、およそ見ることも叶わない状態。まあ特段興味あるブランドは無かった(NERDS RECORD STOREはちょっと見たかったけど)ので、ここはおとなしくスルーすることに。
そのままビール飲んだりビーフ&フライドポテトなんて体に悪そうなモン食ったりして過ごしつつ、最初のアクトであるFOR A REASONを観にTRUCK STAGEへと移動。
FOR A REASON
ここ近年注目を浴び出しているという、メロコアバンド。今はもうJ-PUNKシーンを熱心に追うことはないので、曲を聴いたことはなかったのですが、注目株としてCDショップでちょいちょい名前は見かけていました。
始まるやすぐに「全員野球しよう!柵越えてステージまで来ていいよ!もっとみんな前来い!ここは下北沢シェルターだと思え!」と言い出し、フロアの柵を乗り越えさせて、ステージの真ん前までに多くのオーディエンスを呼び込む暴挙に出る。ライヴハウスだな〜(笑)
そんな状態なもんだから、とにかくライヴ中フロアダイブの量がとんでもないことになっていました。もはや人が飛んでない時間帯の方が少ないんじゃないかというくらい、グッシャグシャの人の塊。もう下にいる人、満足にステージ見えてないんじゃない?
実際ちょっと危険な状態になってしまったようで、ライヴ中急に曲がしばらくの間ストップされ、ダンゴ状モッシュピットを解消させる時間が発生。少ししたら何事もなく再開されたため、恐らく大ケガとかは発生しなかったんでしょう。ちょっと心配しちゃいましたよ。
楽曲はシンプルな高速メロディックで、同日に出演しているdustboxのような、叙情的なメロディーを武器にしたタイプとは異なり、海外メロコアからの影響が強そうな感じ。ストレートでカッコいいことはカッコいいけど、歌は少々淡白な印象があるな。
「このTRUCK STAGEはFACTが幕張からライヴハウスまで引いてくれた動線」というMCにもある通り、サウンドもパフォーマンスも、そしてオーディエンスのはっちゃけっぷりも、実に小バコっぽさに溢れるもので、サブステの一発目に相応しい活気を見せていました。
CLOSURE IN MOSCOW
まったく予備知識無しで観る海外のバンド。名前こそモスクワですが、ロシアのバンドではなく、オーストラリアのバンドだそうです。
あまりハードコアらしさはなく、小気味良いカッティングギターに、テクニカルなフィルインをキメるドラムを主軸に、やたらきめ細かい展開を披露するオルタナサウンド。ダンスロック的な側面も少々ある感じでしょうか。
ハードコアで暴れたいキッズが多いであろうこの日においては、ちょっと盛り上がりどころがわかりにくい音楽ではあり、前の方では腕が振り上がっていたりするところもあれど、モッシュやクラウドサーフが起こることはなかった。人口密度も少々落ちた感じです。
実際自分もあまりツボにハマるとは言い難く、「裏のPALMを観てもよかったかな...?」という思いがよぎるも、決して退屈なステージではなく、要所要所で見せ場はちゃんと作っている。
何よりも一番目につくのがヴォーカルで、ピンクの短パンにグラサンという怪しいいでたちに、ロボットダンスと江頭2:50をミックスさせたような珍妙な動きでステージを動き回る。バックの演奏隊はしっかりとした音を聴かせていただけに、彼の妙な存在感がより浮き彫りになりました。
MCでは「15年ぶりに日本に帰ってきた」と言っており、どうやら2010年にFACTが日本のツアーで彼らと一緒に回ったことがあるらしい。今回の出演もその縁によるものでしょう。
国内のバンドが海外バンドを招いて一緒にツアーをする動きは、CROSSFAITHやCRYSTAL LAKE、PaleduskやSable Hillsあたりが進んでやっていますが、FACTは15年前の時点で実施していたんですね〜。歴史を感じます。
Your Demise
CLOSURE IN MOSCOWが終わった後は、そのままUNITY STAGE側に残って、続いての海外アクトであるYour Demiseを観ることに。
その間に横のANARCHY STAGEではNOISEMAKERがプレイしており、ホントはこの位置にHER NAME IN BLOODがいたんだろうな...」とセンチな気持ちになっていました。THE BONEZのJESSEさんがゲストで出てきましたがマイクトラブルでまったく声が聴こえておらず、だいぶ気の毒な状況になってましたね。
しばらく待った後にYour Demiseの登場。こちらもCLOSURE IN MOSCOWと同様に予備知識ほぼ無しの状態で観たわけですが、どうやら2022年に解散しているようで、この日のためにわざわざ来日してくれたってことなのかな?だとしたらFACTの人望がよっぽど厚いのか、このバンドが仁義に熱いのか。
そして、ライヴパフォーマンスは非常に良かったです。楽曲はかなりストレートなハードコアであり、そこまで重低音を効かせたアンサンブルではないものの、モッシュパートが豊富に用意されており、ビートダウンも頻発。キッズが狂喜乱舞しながらハードコアモッシュを繰り返すアグレッシヴな時間帯でした。
叙情派ニュースクールのような、わかりやすいメロディーラインをギターが弾いたりする事はあまりなく、割りかしカラッとした雰囲気なハードコアなので音源を家で聴く気にはあんまならないけど、この手のバンドやっぱりライヴが締まってて気持ちいいですよね。この日のベストアクト候補と言ってもいい!
ヴォーカルがステージを降りて柵から身を乗り出すようにオーディエンスにアピールしたりと、バンドの熱波がフロアにもガンガン伝わってきて前方付近でどんどんモッシュの勢いが加速していかのがわかりました。音もアクションもハードコアらしさをまっすぐに表すもので、特筆する要素はあまりない、それなのにここまで会場の熱気を上げられるのは、ひとえにすべての面が高水準にまとまっているからでしょう。
LOYAL TO THE GRAVE
Your Demiseが終わったあとは少し時間が空くので、ここでちょっとだけ飯休憩。ここでのタイムテーブルの空白は、10年以上前に解散したハードコアバンド・FC FiVEが電撃復活を遂げて、シークレットアクトとしてライヴをするというなかなか熱い時間になっていました。まあ、僕としてはそこまでしっかり聴いてたバンドではなく思い入れもあんまり無いため、遠目からちょろっと観るにとどめましたけど。

その後はTRUCK STAGEに戻って、日本のニュースクール/ビートダウンハードコアの雄であるLOYAL TO THE GRAVEを観る。渋谷のNERDS RECORD STOREではストアスタッフとしてKOHAMAさんを何度もお見かけしていますが、バンドマンとしては初です。
まず何より音の迫力に気圧されましたね。音が本当にデカい!メインステージでやってたバンドのどれよりも重低音が効いてて、ズンズンと響く迫力はCRYSTAL LAKEに次ぐ凄まじいもの。外タレのYour Demiseよりも低音が強調されていました。
フォーメーションを組むように、どっしりと構えた姿勢でヘヴィサウンドを叩きつける楽器陣もさすがですが、しきりにオーディエンスの元へと向かって、幕張メッセをアンダーグラウンドなハードコア戦場に変えるヴォーカルのパフォーマンスも良い。
メロディーとかドラマチックさなんてものは存在せず、ただひたすらに鈍重に暴れ倒す音を爆音で響かせ、それに煽られた群衆がモッシュ、モッシュ、またモッシュ。無法地帯とも言うべき空間がそこに広がる。
徹底的に極悪ハードコアを貫いているバンド故に、ライヴは無愛想で「暴れたきゃ勝手に暴れてろよ」くらいのテンションなのかな〜と勝手に想像していたのですが、MCは意外にも(と言っては失礼ですが)、主催のFACTや来ている人たちに感謝を表明した、ある種誠実といえるものでした。
「ハードコアを初めて観て"狂ってる!面白い!"と思ってくれた人は、またライヴハウスやBLOODAXEに来て、ハードコアのライヴを観に来てほしい」と熱く語りかける姿に、アンダーグラウンドなシーンながら、ずっとハードコア界で第一線を駆けてきた人としての責任感のようなものを感じ、非常に観てて清々しい気持ちにさせてくれました。
ENDZWECK
LOYAL TO THE GRAVEから続けざまに日本のハードコアバンドのライヴ。これは暴れたい盛りのハードコアキッズをTRUCK STAGEに隔離させるつもりだな。
このバンドもハードコア界では非常に有名ながらライヴを観るのは初。LOYAL TO THE GRAVEと同様に、PA前あたりから観ていました。
先ほどのヘヴィなBEATDOWN/TUFFGUY系統のハードコアとはうってかわって、こちらはファストコア。スピーディーなサウンドに、終始高音主体で絶叫しまくるヴォーカルと、アグレッシヴなハードコアパンクを繰り出す。オーディエンスのノリも重心の低いリフに合わせた縦ノリではなく、クラウドサーフやおしくらまんじゅう型モッシュが基本に。
これはこれで観ていて爽快ですが、もうちょっとリフに叙情性があった方が個人的にはもっと楽しめたかもなぁ。音源で聴いた時にはもうちょっと泣き要素があったようにも思えたので。
LOYAL TO THE GRAVEがハードコアカルチャーへの真摯な姿勢や、オーディエンスへの感謝を真っ直ぐに示していたのに対し、こちらはメンバーいじりや良くも悪くもテキトーなノリを楽しんだりと、かなりフランクで自然体な感じでしたね。これもまたライヴハウスシーンっぽい雰囲気でした。
ただ、テキトーな姿勢と思わせておいて、ヴォーカルの上杉さんは非常にしっかりとした仕事論を持っている方なのが意外なんですよね。ハードコアはリリックにこだわりを持つジャンルなので、文学や詩とかに熱心なパンクスとかも多いらしいし、見た印象とギャップがある人は結構いそう。
CRYSTAL LAKE
来週にまたさいたまスーパーアリーナで観られるであろうCRYSTAL LAKE。その前の予習がてらここでも観ておきましょう。
始まる前のサウンドチェックの段階から、Gakuさんの超速ドラミングが炸裂し大いに会場を沸かせていましたが、ライヴが始まるとさらに興奮度は上昇。さっそくフロアには特大のハードコアモッシュが形作られ、前方にはクラウドサーファーも多数。
そしてド頭から嬉しいサプライズがあり、なんとHER NAME IN BLOODのヴォーカルであるIkepyさんが「Matrix」でゲストヴォーカルで登場してくれたのです。ちょっとシャレた柄物シャツに身を包んだ姿は、タンクトップで汗だくになりながらステージに仁王立ちしていた頃と比べて、少しばかりシュッとしたような印象を受けました。
まあ、モッシュの勢いに飲まれ気味だったために、彼が登場してしばらく経ってから「あれ?ひょっとしてあの人Ikepy!?」となった調子だったので、あまりしっかり勇姿を観ることは叶わなかったわけですが...
Johnのシャウトしっぱなしと言えるほどのMCでサークルピットを促し、楽器陣の腰から折り曲げられるような豪快なヘッドバンギングで、本日イチと思えるほどの轟音ヘヴィリフを響かせていく。この迫力はやっぱりいつ観ても凄まじいな...。世界を見渡しても、音の破壊力でここまでのものを提供できるメタルコアは、なかなかいないのでは?
「今日ここでFACTブッ殺して、葬ってやろう」と凄まじい笑顔でおっかない事を言うYDさんのMCでも感じましたが、やはり彼らのライヴというのはヒリヒリするような緊張感や狂気が凄く感じられるんですよ。鬼気迫ると言っていいかもしれない。
CRYSTAL LAKE流メロディックナンバーの「Lost In Forever」では、この日二人目にゲストであるPROMPTSのPKさんが登場。最初誰かはわからなかったのですが、声質とイケメンっぷりでピンときました。
今回は少ない曲数の中でも少々通好みというか、あまり定番曲っぽいのは少なかったですが、彼らの狂気的ヘヴィなパフォーマンスは存分に味わえました。これがまた来週も爆音で浴びれるのだから最高ですわ。
FACT
CRYSTAL LAKEが終わったあとは、そのままUNITY STAGEのフロアに残ったまま、最初で最後となるFACTのライヴを待つことに。当然彼らが目当てな人が最多であるため、もうこの時点でかなりの密集になりました。
登場SEもなしに暗転したあとメンバーがゆっくりとステージ袖から登場。「Slip of the Lip」からスタートすると、凄まじい大歓声と共に一斉に後ろからの圧が発生し、強制モッシュが発動!今日はモッシュするつもりがなかったんですが、そんな思惑とは裏腹に完全に人並みに飲まれてしまいました。
もうこうなったらそのまま流れに身を任せて、普通に盛り上がっちゃおう!と、着替えも無いことを無視して一緒に拳を振り上げる。
しかし、そうやってライヴを観ていると、ヴォーカルのhiroさんの歌が全然聴こえない。周りをギュウギュウになるほど囲まれているため、肉壁が防音壁として機能してしまっているのかな?と思ったのですが、他メンバーのコーラスはそれなりに通って聴こえるから、これは声量とかコンディションの問題なのかもしれない。
後半になるにつれて多少は通るようにはなっていったのですが、やはりメインヴォーカルとしては少々物足りなかったような...。まあ元々ライヴでしっかり歌えるタイプではなかったらしいし、あまり高望みするのは酷というものか。
後期にポップな楽曲を主軸としながらも、初期のハードコア感溢れる楽曲も多めにプレイする、彼らの歴史をまんべんなく拾えるようなセットリストになっている。やはり僕としては、鋭いリフが切り込まれるファストコアナンバーが琴線に触れますね。
場内の大合唱を生み出した「purple eyes」に、「この曲知ってる人がどれだけいるかわからないけど」と前置きされたうえでの「start from here」、名盤2ndから放たれる「Pressure」「We Do It Our Way All The Way」の二連打などは特にアガりますね。
しかし、「Pressure」でアガったのは僕だけではなく周りも同様で、凄まじい圧縮と人の波に飲まれてしまい、なんと将棋倒しに巻き込まれてしまったではないか!しかも仰向けに倒れる形で!
なんとか踏ん張りを効かせたのですが、「あ、これヤバいかも」と思った瞬間にはもうダメでした。いや〜〜〜怖かった。起こしてくれた方々、本当にありがとうございました。
そんなアクシデントはありつつも、新旧バランスよく取り揃えられたセットリストに、ラストを感慨深く見守るオーディエンスの熱量にあてられ、90分以上にわたるワンマン並みのライヴをしっかりと最後まで楽しむことができました。ラストの「a fact of life」は、最初で最後の"Don't you think so?"のシンガロングに参加できて嬉しかったですね。ひとまずFACT、お疲れ様でした!
タイムテーブル上では9時過ぎくらいに終わっていたはずが、その時間を大きく超過し、会場を出るころには9時半過ぎになってしまった1日。ソールドアウトしているから覚悟していましたが、退場の際の列が凄まじい長さになっていて、進みがかなり遅かったですね...。これまでの幕張メッセでのフェスの中でも、この人数はNEX_FESTを彷彿とさせるほどでした。
始まる前はHER NAME IN BLOODがいないなんて...と悲観的になっていましたが、終わってみればYour Demiseをはじめ、いろいろなハードコアアクトを一度に接種できる、充実した1日になったと思います。
でもやっぱりハーネーム観たかったよな〜...と、この日着てきたロンTのハーネームロゴを見て思いました。CROSSFAITHも含めて、果たして今後どうなるんでしょうねぇ...