ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

9/8 PUNK LIVES! 2019 10th Anniversary at 新木場STUDIO COAST

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先週Evoken Festでマニアックなメロディックメタルを存分に堪能したばかりですが、その興奮冷めやらぬまま、またすぐにライヴイベントに行ってきました。

 

今回は国内外から多数の実力派を取りそろえたパンクロックの祭典!今年で10周年を迎えながら今まで一度も足を運んだことのなかったPUNK LIVES!というイベントです。

 

イギリス出身のハードコアパンク界の生ける伝説G.B.H.をヘッドライナーに迎え、BRAHMAN、LAUGHIN' NOSE、THE STAR CLUB、ニューロティカなどなど、錚々たるメンツがそろった一日。まだ観たことのない大物が多いだけに、これは是非ともチェックせねばと早い段階でチケットをゲットしていました。

 

しかし皆さんご存知の通り、この日の夜から次の日の朝にかけて台風15号が関東を直撃するというニュースが舞い込んでいる状態。しかも当日になって武蔵野線は21時以降の運行を休止するというお達しすら出ている。これでは21:45に出演するG.B.H.はどうやっても観ることができない!

 

ぐわ~~~なんでこんな日に限って台風なんか来るんだ...。去年の大冠祭でも思いましたが、台風のヤロウもういい加減にしろよマジで!!(怒) 日本列島に雨風寄越しすぎだっつーの!こちとら6~7月に充分以上振られたんだよ!もういらねえんだよ雨は!

 

そんな魂の叫びも虚しく、安全第一を考慮してどうしても観たい18:00からのBRAHMANを観終わったらすぐに撤退する決意を固めた状態で新木場へ。朝の段階では暑いとすら思える快晴なのが逆に精神的に辛くなってしまうな...

 

開場外には申し訳程度のフードコーナーが二つと物販スペースがあるのみで、あまり盛大なイベントって感じはしない。まあスポンサーが全然ついてないDIYイベントなのでこれは仕方ないか。

 

客層は明らかにMONOEYES目当てであるキッズもチラホラいたものの、基本的には硬派なパンクス、およびやや年配のロックリスナーといった感じで、あまりこういう客層のライヴにいかない僕としては結構新鮮。ギンギンにとがらせた髪型に鋲ジャンを合わせた気合い入りまくりのパンクスに思わず目を奪われてしまいます。普段どんなカッコしてんだろ?

 

ロビーには邦洋問わずバンドマンの写真がズラっと展示されており、僕の前にいるカップルがSlipknotのコリィの写真を見て「うわっスゴイね。誰これ?」「名前なんだったかなー...?確か海外のかなり重いバンドで~...」と話し込んでおり、日本における洋楽メタルトップクラスの知名度を誇るSlipknotも、畑違いのリスナーにはあまり深く知られていないんだな~と思いました。

 

今回はメインステージの他に、フロアの下手側に設置されたサブステージ、バーカウンターの脇に設置されたバーステージの3ステージ制。かなりギチギチのタイムテーブルを組んでおり、どのステージも演奏されない瞬間はほとんどない状態でした。

 

とりあえずバーステージとサブステージのアクトをそれぞれ一回ずつ観た後、メインステージのトップバッターをであるSAを鑑賞。パンク系のフェスやイベントでよく名前は耳にするものの、実際にライヴを観るのは今回が初めて(本日出演のメンツはほとんどそんな感じ)

 

リーゼントにツンツンヘッドと、いかにも日本のパンクスというべき荒い見た目で歌われるのは、これまた王道のパンクロックと呼べるもので、初期パンク、ロックンロールのノリの良さを体現してました。

 

「午前中からこんなに集まってくれるとは思わなかった」という言葉通り、スタンディングフロアから二階席までそこそこ入っており、前方付近では積極的にモッシュクラウドサーフが行われる。こういう光景を後ろから眺めるのもまたライヴの醍醐味ですね。

 

その後もメインステージに残り、続く原爆オナニーズを頭だけ観た後、バーステージのTHE DISASTER POINTSのライヴを後方で観てみる。

 

TOTALFATやNorthern19が在籍していた頃はそこそこ勢いがあったものの、今やすっかり下火になってしまった感のあるCATCH ALL RECORDS所属ということで、SAや原爆オナニーズと比べるとハードコア色が強い音。

 

キッチリ整えた髪型が印象的なヴォーカルのダミ声と、ほんのりメロディックな疾走ハードコアはキレててなかなかにカッコいい。ポップパンクのような甘い部分がない硬派さも好印象でした。

 

バーステージお次はとにかく見た目がおっそろしい九狼吽(クラウンと読むらしい)。ヴォーカルのムネさんはあの国際的モーターサイクルギャング、ヘルズ・エンジェルスの日本支部メンバーなのだとか。夜の街でばったり遭遇したらチビッて逃げてしまいたくなるような威圧感だ...。

 

そういえばBRAHMANの八面玲瓏で、僕のすぐ前にヘルズ・エンジェルスのロゴが背中に描かれているジャケットを着こんだ集団がいましたが、あの中にムネさんいたのかな。

 

硬派で凶暴なハードコアでありながら、ギターが何気にメロディックと呼べるほどの旋律をかき鳴らしており、その風貌と合わせてかなりカッコいい。後日ディスクユニオンでアルバム1枚買ってしまいました。

 

間髪入れずにメインステージでのアクトはこのイベントの皆勤らしいJUNIOR。正直名前すら知らなかったバンドですが、まず最初のヴォーカルの長くてイタい語りが厳しい(笑)

 

バグパイプアコーディオン、さらにはよくわからない民族打楽器のようなものまで飛び出し、アイリッシュパンクのような特徴的な楽曲をプレイ。人数の多さもあわせて、かなり見栄えのあるステージングでした。ただやっぱこのヴォーカルの語りとMCは肌に合わないな...

 

そんなJUNIORが終わった後は、サブステージにてlocofrank。本日初の音源を持っているバンドの登場であり、比較的前の方に陣取る。とはいえこの先も長いので体力を使ってしまわないようにモッシュピットには入りませんでした。

 

この時点でやや時間が押し気味だったためSEなしで早速「START」「Mountain range」から開始。彼らのライヴとしては鉄板のオープニング。

 

さすが人気バンドだけあって前方のモッシュの勢いはすさまじく、そのタイトな疾走感に身をゆだねるかのように、前方のオーディエンスが呼応していく。規模の小さいサブステージなので、さながら100人程度しか入らない狭小なライヴハウスのような風景が広がりました。2400人収容のコーストだというのに。

 

その後もライヴ定番の楽曲を矢継ぎ早に繰り出し(聴いたことある曲ばかりなのは残念でしたが、持ち時間の少ないイベントだからしゃーない)、中盤にはいきなり新曲を披露する。彼ららしい叙情性あるメロディーが息づいていて良かったのですが、他の楽曲と比べるとインパクトは薄めかな。

 

locofrank終わりでそのままマジで休みなくMONOEYESのライヴがスタート(どんだけ時間押してたんだ)。ここでメインステージのお客さんが多くなるだろうと踏んで、locofrankで高まった心を落ち着けるために外に出てしばしの休憩。相変わらず良い天気でこの後台風が直撃するとは思えないな~。

 

休憩後はTHE SATRCLUBを観るためにメインステージへ移動するとサブステージではRADIOTSが演奏中。メンバーのルックスはだいぶ厳ついのに、やってる音楽とヴォーカルの声質はやたら爽やかですね。遠くから見るとジェイムズ・ヘットフィールドみたいなナリなのですが。

 

続くTHE STAR CLUBはさすがベテランだけあって貫禄のステージでした。ヴォーカルこそいかにも乱暴なパンク歌唱でしたが、堂々としたステージングに、キャリアに裏打ちされた安定感ある演奏、それでいてパンク、ロックンロールのノリの良さを体現したパフォーマンスは見事。

 

そして間を挟んでの個人的メインアクトはBRAHMAN。前方ド真ん中で待機していると、開始時間より2分ほど早くSEが鳴る。TOSHI-LOWさん以外のメンバーが定位置に着き、そのまま「初期衝動」を投下。当然ながら極圧のモッシュ地獄!

 

雷同」「賽の河原」という定番の楽曲で序盤から徹底的に攻め立てていきましたが、なにより最高だったのは「You don't live here anymore」からの「BOX」というレア曲の連打でしたね。

 

前者はライヴで一度も聴いたことのない楽曲で、ドカドカとアグレッシヴに暴れ倒すドラムと、ラストの怒涛の大サビがメチャクチャカッコいい!そして後者はBRAHMAN民族音楽由来の叙情センスが遺憾なく発揮されたリードギターがガッツリとテンションを底上げする!

 

そこから間髪入れずに「BEYOND THE MOUNTAIN」ですからね。もうオーディエンスを殺しにかかってるとしか思えないわけですよ。僕も無我夢中で暴れながらバンドのパフォーマンスに応えました。

 

警醒」でTOSHI-LOWさんが客席に飛び込むと、真ん中付近にいた僕のすぐそこまで移動してくる(距離にして1mも離れていない)。多分今までのライヴで一番近づいたのではないでしょうか。当然ながら数多のダイバーたちが頭上を通り過ぎていくので、満足に声も上げることができない。でもこの熾烈な状況こそが最高なのです...(恍惚)

 

「今まで「お前らなんかパンクじゃねえ」って何万回も言われてきたよ。だけどパンクが好きで今日ここに集まった奴らはみんなパンクスだ!」と呼びかけると、周囲から野太いパンクス野郎共の声が木霊する。......そうか、昔ほどパンク、メロコアの音楽に夢中になることは少なくなったけど、僕はまだまだパンクスだったんだな......

 

権力に問う「鼎の問」を拳を掲げながら聴いた後、ラストはTOSHI-LOWさんの親友であるパンクス・細美武士さんと共に「今夜」を披露しての締めとなりました。時間は短かったけど、眼前で最強のパンクスのパフォーマンスを、同志であるパンクスと共に歌い、暴れ、堪能することができました。やっぱりBRAHMANはいつ何度観ても最高だ!!

 

その後GOOD4NOTHING、ニューロティカ、ラフィンノーズ、G.B.H.と観ていくつもりだったのですが、先にも書いた通り台風の影響で、21時には電車がストップしてしまう状況。まず何よりも安全を考えて、潔くこの場を後にすることにしました。フロアを出るときに背後から流れるGOOD4NOTHINGの「27」音がなんだか寂しく聴こえる......(泣)

 

台風のせいでだいぶ損をしてしまった感覚こそあるものの、とりあえずBRAHMANの鬼気迫るパフォーマンスで強引に満足することはできました。ただやはりG.B.H.は観たかったなあ...。次いつ観られるかわからないですからね。

 

彼らのライヴが行われる時間、果たして何人の人が残っていたのかはわかりませんが、これに懲りずにまた来日してほしいですね。そこで最高のハードコアパンクを聴かせてほしい。いちパンクスからの切なる願いです。

 

この曲でモッシュしたかったのに...