去年奇跡の復活を遂げたメタルコアの帝王AS I LAY DYINGが、先日新曲のMVを公開しました。
う~~~ん、やっぱりカッコいい...(恍惚)
やはり彼らはあのまま終わるべきバンドではありませんでしたね。今後発売される(であろう)新作にも俄然期待が高まってくるというものですよ。
まあ奥さんの殺人依頼なんてことをやらかした人がまた公の場で活動することに難色を示す人はいるでしょうし、僕がバンドメンバーの立場になったら、おっかなすぎて満足に活動できる気がしませんが、まあ本人たちが決めたことであれば部外者の口出しは無用ですね。6年も待たせたのだからこれから強烈な楽曲を頼むぜ!
彼らのこれからの活動に期待を心から期待を寄せつつ、彼らの過去作の中で僕が一番気に入っているアルバムの感想でも書こうかと思いました。
いや、「彼らの過去作の中で」ではないな。メタルコアというジャンルの中でもトップクラスに位置する作品であると思っています。
2010年に発売された5thアルバム。本作はとにかく爆走しまくり、咆哮しまくり、それでいてギターとクリーンヴォーカルは強烈な哀愁を放つという、メロディックなメタルとエクストリームなメタルの良いとこどりと言えそうな作風。
そのバランス感覚の良さは筆舌に尽くしがたく、M1「Beyond Our Suffering」でデスラッシュ的な疾走感を演出して聴き手のテンションを一発で底上げ。その後のM2「Anodyne Sea」ではヘヴィさは保ちつつメロウなギターとクリーンが容赦なく心を締め付け、ガムシャラな疾走感とメロデスに引けを取らない激情ギターが完璧に織り交ざったM3「Without Conclusion」で沸点を迎える。
さらにトドメと言わんばかりにメロディックメタルコアの王道にして最高峰の名曲M4「Parallels」が投下!まさに怒りと悲しみのコンビネーションの理想形!
メロウな要素を取り入れすぎてメソメソ泣きまくりな方向性にはならず、かといってエクストリームになりすぎてキャッチーさが不足してしまうということもない。メロディアスでありながら軟弱にならず、メタルコアとしてのパワーが一切損なわれていないのです。暴れながら魂で泣ける音ですね。文句なしにカッコいい。
「キャッチーなメタルコア」というと、エモ・スクリーモ・ポストハードコアに近しい音楽性を指すことがありますが(それはそれで好きですが)、彼らの場合楽曲の骨格はあくまでまっとうなメタルコア。それでいてこれほどの泣きの要素を取り入れているわけですから、その楽曲づくりのセンスの良さには恐れ入るばかりです。
中盤から後半にかけては、前半の有無を言わさぬ圧倒的な完成度と比べると少しインパクトは薄れるように感じますが、それでも極悪劇的メタルコアの方向性は何らブレることはありません。最後の最後まで憤怒と叙情性たっぷりの轟音に浸ることができます。捨て曲なんてものは当然一切ナシ!
ハーコー炸裂のブレイクダウンがあまり見られない点は少し寂しく感じなくはないものの、個人的には爆走の快感とメロディーの激情がそれを補って余りある。
「"メロディックメタルコア"という音楽が一体どういうものか?」という問いに、この上ないほどの理想的な回答をたたき出してくれる名盤。メタルコアが聴きたいならとりあえずこれは抑えとけ!な一枚です。まあ今更言うまでもないと思いますが。
M4「Parallels」 MV
イントロからカッコよすぎてもう...(泣)