ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

POWER PALADIN 『With The Magic Of Windfyre Steel』

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  • オタク色強いメロディックメタル界のニューカマー
  • クサすぎない普遍的メロディックメタルとしての造り
  • アルバム全体通してややB級っぽさは強め

 

見よ、この時代錯誤感甚だしいジャケットを!!(笑)

 

2022年にもなって、Twilight Force以外でこんなジャケットを引っ提げて日本デビューするバンドが現れるとはね。昨年のメロパワ系統の力作のリリースが続いたこともあり、今後局所的にでもパワーメタルというジャンルが盛り上がりを見せてきたりするんでしょうか。

 

彼らPOWER PALADINは、2017年にアイルランドで結成された6人組バンド。ブラックメタルをはじめとしたエクストリームミュージックが盛んらしい("らしい"というのは、僕がアイルランドのメタルシーンを全然知らないからですね)国において、あえて流行りに逆行するように、ファンタジックなRPG的ジャケットが特徴のパワーメタルアルバムを出してきたツワモノ。

 

ただ一口にメロパワ/メロスピと言っても、オープニングを飾るM1「Kraven The Hunter」は、誤解を恐れずに言うならLAメタルアリーナロック的なムードすら感じさせる明るめの楽曲なので、そこでTwilight Force的ファンタジック&オタッキーメタルを期待した人は、若干出鼻をくじかれるかも。とはいえ勢いがあってキャッチーな楽曲なので、幕開けとしての役割は充分。

 

M2「Righteous Fury」はDraginForce的な速弾きギターで疾走し、雄々しさを増したコーラスとメロディックなギターで疾走するメロスピナンバー。中盤にゼルダの伝説のメインテーマを大胆にブチ込んでいるところがまたオタッキー(笑) メロスパーってみんなこうなのか...?

 

勢いに乗るイントロからクサメタル的ギターフレーズで疾走し、メロディアスなんだけどどこかマヌケなキーボードフレーズ(笑)に頬が緩むM6「Ride The Distant Storm」や、煌びやかで爆発力ある出だしを経て、穏やかな中にもキャッチーさを持つ歌メロ、ダイナミックなサビを展開するM7「Creatures Of The Night」など、なかなか魅力的な楽曲を揃えています。

 

ただ、こんなジャケットを冠しているにも関わらず、アルバム全体としては意外にもコッテコテなメロスピ度はくどくなく、疾走しまくりというほどでもない。キャッチーで普遍的な、B級っぽさが強いメロディックメタルという出来になっている感じでしょうか。

 

個人的にはもっとガッツリメロスピに踏み込んだ音を期待していたので(だってこんなジャケだもん)、そこに関しては外された感が無きにしも非ず。また全体的なアルバムの雰囲気はB級ながら悪くないものの、一際グッとくるキラーがないことはちょっと物足りなかったな。

 

とはいえ2022年にもなって、こうやってメロディックメタルのニューカマーが現れ、狭いメタルシーンの中だけとはいえ話題を集めているという事実は、メタルファンとして嬉しいこと。今後も自分たちのスタイルを曲げずに高みを目指して欲しい有望株です。

 

 

個人的に本作は

"B級色はあるものの、キャッチーなメロディックメタルとしての素質は充分。ジャケットほどクサメロスピはしてないかも"

という感じです。

 


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