ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

ARION 『Vultures Die Alone』

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  • 演奏もヴォーカルも程よくパワフル
  • キャッチーにまとめ上げてる分突出した印象は無し
  • 母国ミュージシャンのゲスト参加曲が良き

 

フィンランドヘルシンキ出身の、正統派パワーメタルバンドの3rdフルアルバム。

 

2011年の結成時点でメンバーはまだ高校に通っていたらしいので、年齢的には僕とほぼ変わらないという、世代としてはだいぶ若手に当たるバンド。しかしここ日本でもLOUD PARKを含めてライヴを行ったことがあるなど、着実にキャリアを積んできているようです。

 

前作『Life Is Not Beautiful』でフロントマンの交代劇があり、本作はその布陣になってからの二作目。

 

音楽的には、所々にシンフォニックな味付けを施しつつも、そこまでガチなシンフォニックメタルにはならず、アップテンポで軽快に駆け抜ける正統的なメロディックメタル。ヴォーカルがなかなかワイルドでハスキーな声をしており、演奏も破綻なくタイトにまとまっている。クオリティーはしかとしたものがありますね。聴いてて気持ちいいナイスなサウンドだと思います。

 

フィンランドのメロディックメタルといっても、SONATA ARCTICAとか STRATOVARIUS系統の透明感あふれるメロスピサウンドとは異なり、彼らにはそこまで国民性は感じられない。普通に歌がキャッチーで演奏がパワフルな、良質のヘヴィメタルとして楽しめます。疾走感はさほどでもないけど、リフにしっかりメタルらしい攻撃性が伴っているのがまずイイ!

 

M1「Out Of My Life」からいきなり叩きつけるようなアグレッシヴなリフがお出迎え。サビはさほどフックがあるというわけではないのですが、オープニングナンバーとしての勢いは悪くない。

 

 BATTLE BEASTのノーラ・ロウヒモが参加したM3「Bloodline」やスザンナ・アレクサンドラ(まったく知りませんでしたが、Cyan Kicksというフィンランドのバンドの女性ヴォーカルだそうです)とのデュエット形式であるバラードM5「In The Name Of Love」はゲスト参加云々抜きにして、良質のキャッチーさあふれるサビが魅力的。

 

特に気に入ったのはM4「I'm Here To Save You」ですね。この曲の歌メロが一番エモーショナルかつとっつきやすくてクール。緊迫感を与えてくれるイントロや、淡々としたAメロの導入部分もイイ感じ。

 

あとはM7「I Love To Be Your Enemy」やM9「I Don't Fear You」のようなアグレッシヴな側面が強い曲においても、もう少しメロディーを豊かにしてくれるとなお良かったかな。

 

突出した要素やド派手さがあるわけではないのですが、メロディアスなメタルが好きならば十分に気に入るであろう手堅い1枚だと思います。疾走キラーが1曲あったらもう少し印象が良くなったかも。

 

 

個人的に本作は

"ヴォーカル主体のキャッチーな歌モノパワーメタル。飛び抜けた要素はないけど、全体的に高水準"

という感じです。

 


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