- 一貫して疾走感あるパワーメロコア
- アコギを用いた切ない叙情性も完備
- メロディーとパワーのバランスはバンド史上随一
前回のCD感想でアップした『THE LAST ANTHEMS』にて、locofrankの楽曲が特に良いと書きました。その流れでってわけではないですが、locofrankの単独音源についても書いてみようかと。
本作『BRAND-NEW OLD-STYLE』は、2008年に発表された3rdフルアルバム。
前作『The First Chapter』のレコ発ツアーはかなりの長期戦となり、それに伴ってバンド内の関係性がだいぶ悪くなったと聞きますが、それを乗り越えて作り上げられた本作は、方向性を変えることなく、より逞しくなったバンドの姿が如実に表現された強力作です。
locofrankといえば、パワーに溢れタイトにまとまった演奏、ひ弱さのないヴォーカルワーク、そして良質なキャッチーさに満ちたメロディーが、うまく配合された楽曲こそが魅力。本作はそんなバンドの魅力を、ストレートに実感させられること間違いなしの仕上がり。サウンドの引き締まり具合だけなら、間違いなくバンド最高峰でしょう。
オープニングのM1「little wish」から、ハードな演奏で疾走するパワーメロコアですが、その勢いが後半になってもまったく落ちない。時折メロウなアコギやクリーン寄りのギターも効果的に使い、叙情性の面でも隙がない。
バンドのメロディーセンスの良さに加えて、非常に太く安定した音でボドムを支えるベースと、あまりにも強い突進力を備えたドラム、このリズム隊の強靭さがサウンドの印象を決定づけていますね。バラードの類いはなく、全曲にわたって勇ましくパワフルな極上メロコア目白押し。捨て曲なんてものはもちろん無く、勢いよく聴き通すことができます。
より一層歌メロの哀愁に磨きがかかったM2「My own place」、M6「you」に、locofrankの王道を行く、キャッチーながらゴリっとしたパワーもあるM5「Side-by-Side」、ポップなムードを強めてシンガロングを誘うM7「Dear all」、ハードさにかけてはバンド史上トップクラスなハードコアナンバーM9「From eighteen」と、非常に練られた高品質な楽曲揃い。
M8「Nothing's gonna change my love for you」は、彼らが何気によくやってるカバー曲。カバーセンスに優れた彼らがプレイすることによって、染み渡る哀愁がよく効いたメロコアへと変貌していますね。
そんな名曲揃いの中でも、際立ったキラーチューンは、やはりM4「survive」とM12「answer」の2曲。
前者は「START」と並ぶバンドの代表曲であり、サビにおける凄まじい爆走感と、この上なく切ないメロディーが組み合わさる激情のナンバー!アコギも合わせたエモーショナル極まりない大サビとかマジでたまらん。後者はラストを飾るに相応しい、切なくも温かな極上の歌メロを堪能できる。彼らのパワーとメロディーセンス、この二つがこの上ないバランスで組み合わさった名曲です。
いや〜〜〜久々にアルバム通して聴いたけど、やっぱ良いですねこのアルバム!青春時代に聴きまくった思い入れ込みかもしれないけど、今聴き返しても胸が熱くなりますよ。locofrankは『The First Chapter』と本作が二大巨頭だな!
僕個人の思い入れを抜きにしても、アタマからケツまで、ここまで研ぎ澄まされた名曲ばかりの仕上がりを誇るメロコアアルバムはなかなか無いと思いますよ。メロディーにしろ演奏にしろ、迸るようなエネルギーに満ちているJ-PUNK屈指の名盤。
個人的に本作は
"バラードを廃し、徹底的にパワフル&メロディックを両立させた楽曲揃い。非常に強い突進力に、叙情性も際立ったキラーチューンが熱い"
という感じです。