ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

IRON MAIDEN 『Fear Of The Dark』 (1992)

IRON MAIDEN 『Fear Of The Dark』

いつものように(?)タワーレコードを徘徊していたらIRON MAIDENが大きく展開されていました。どうやらリマスター音源がバンバン出ている様子。こういうのを見ると「ああ、聴きたくなってきたなあ...」と思ってしまうのが僕の単純なトコロです。

 

そしてそういう「メイデン聴きたい欲求」が高まってくると、大体手を伸ばしたくなるのが、以前にも感想を上げた『Seventh Son Of A Seventh Son』、『Somewhere In Time』、そして今回の『Fear Of The Dark』の3枚。他にも優れた作品はありますが、僕にとってのIRON MAIDENの名盤はやはりこの3枚が基本です。

 

1992年という、ヘヴィメタルの人気が失墜していく時期に発売された本作は、彼らのオリジナルアルバムの中で日本国内最高の売り上げを記録したらしいです。この時はまだ日本においてはメタル熱は完全に冷めてはいなかったのでしょうか。

 

僕は本作リリース当時はまだ父親の睾丸の中にすらいなかった(はず)ですが、そんな僕ですら2019年になって聴き返しても充分以上にカッコいいと思えるだけに、やはり名盤の魅力は計り知れないものがあります。新しいものも古いものも等しく愛せるのが音楽の美点ですねぇ~。

 

本作の魅力は何といってもドラマチックであることだと思っています。そもそもIRON MAIDENというバンドは劇的な曲展開が強みと言えますが、その劇的さが彼らの長いキャリアにおいて頂点を極めたのが本作ではないかと。

 

バンド屈指のアグレッシヴさを誇りつつ、格式高いメロディアスさを有したキラーチューンM1「Be Quick Or Be Dead」で出だしの印象はバッチリ。そこからゴージャスでフックあるサビのコーラスが映え、2分を過ぎたあたりから切り込まれるギターソロが震えるほどカッコいい(直前のギュワ~~ンって音もカッコいいんだな)M2「From Here To Eternity」で完全に心を奪われます。

 

ファンの間で名曲とされるM3「Afraid To Shoot Strangers」は、まだメタルに馴染めていない頃に初めて聴いたときは「淡々としてて盛り上がらない曲だな...」という印象で、あまり良い曲だとは思えなかったのですが、今になって聴き返してみると、怪しくも美しいツインリードが心に染み渡るのがよくわかる。それと同時にあの頃の自分がいかにアホたれだったのかもよくわかる(笑)

 

その後もM5「Childhood's End」、M10「Judas Be My Guides」のような彼らの十八番のリードギターを主軸にドラマチックさを演出する曲が堪能できます。正直ややパッとしない曲やパートも無くはないですが(頭3曲の印象が強烈だからというのもあります)、全体を通して哀愁を含むメロディー奏でながら盛り上がりを演出する作りは見事の一言。

 

......とまあ、ここまででも充分に優れた作品ではありますが、やはり本作を語る上で絶対に外せないのがラストですよね。

 

アルバムのクライマックスを飾る、7分もの大作M12「Fear Of The Dark」。先ほど本作はドラマチックなところが良いと書きましたが、この曲は格が違う

 

切々とした歌い出しから一気にテンポアップする前半、ブルースの大仰な歌唱によりエモーショナルさ全開のサビ、相変わらずスケールの大きなギターソロを披露した後ラストの大サビへと展開していく......曲を構成するパートの何もかもにおいて隙が無く、7分間ずっと曲世界に取り込まれたまま抜け出せません。

 

IRON MAIDENには「Aces High」「Hallowed Be Thy Name」「The Trooper」「Phantom Of The Opera」など、名曲とされる曲はいっぱいありますが、僕の中ではこの曲がダントツ。他のどの曲以上に、この曲に感動と興奮と鳥肌を覚えます。

 

いちメタルファンとしては、いつかは彼らのライヴを生で観てみたいのですが、いったい次の来日はいつになるんでしょうかねえ...。「Fear Of The Dark」の大合唱に一度でいいから参加したい。

 

M1「Be Quick Or Be Dead」 MV

 

M12「Fear Of The Dark」 ライヴ映像

非公式の映像ですがあまりにも素晴らしいので。オーディエンスのこの熱量!僕もいつかはこんな風に声を上げてみたいものです...