突然ですが下記のインスタの投稿を見てください
HER NAME IN BLOODのギタリストのTJさんが、千葉の山奥にある養老渓谷の粟又の滝からネイチャーポイントを回復している様子。
普段住宅街と会社を行き来するしか能がない社会人にとって不足しがちなネイチャーポイント。僕もこの頃自然に触れる機会なんかめっぽう無いんですよね。そこで僕はこう思いました.........
俺もネイチャーポイントを満タンにして心身ともにリフレッシュしたい!!!
TJさんと同様に僕も養老渓谷へ足を運び、ネイチャーポイントを摂取して、疲れた心と身体を癒してみようではありませんか!
......ということで、お休みの日を利用して一人旅。養老渓谷へ行き、粟又の滝を見てネイチャーポイントを回復しようと思います。
そうと決まれば、早速行動あるのみ。養老渓谷へ行くにはJRで五井まで行った後、小湊鉄道なる電車で一時間ほど揺られる必要があるらしい。五井ですら遠いのにそこからさらにかかるのか。まあ旅なんでそのくらい遠い方が良い。
五井駅まで行った後、小湊鉄道のホームへと移動。ICカードが使えないというあたり、田舎の鉄道らしさまんまんでイイですね。移動にお金がかかりそうだと思ってSuicaに3000円チャージしてきた意味がなくなりました。
駅員さんに養老渓谷までの往復分の切符が欲しいと伝えたところ、乗り降り自由の一日乗車券にしてもらいました。札幌に住んでた頃のドニチカキップを思い出す。
他にお客さんが何人かいたので写真は撮っていないのですが、田んぼが一面に広がり瓦屋根の家がポツポツとある車窓からの風景、地元に根差した観光案内やらイラストやらの車内広告は落ち着きますね。「人生変わりました!」的な怪しいレビュー文ばかりの自己啓発本の広告にまみれた電車に乗りながら、異様に家と家の間隔が狭い東京を駆け抜けている日々とはエライ違いだ。
飯給駅に差し掛かった段階で子供たちが乗っているトロッコとすれ違い、周辺の草木の背が伸びてきた。さっきまで田んぼばっかりの平坦な地形だったのですが、一気に山奥感が増してきたような気がします。
そうして約一時間の電車の旅が終了、養老渓谷駅に到着しました。
予想はしていたけれどかなりの田舎ですね...。近くに個人経営と思しき商店が1, 2軒ほどあるのみで、あとは畑や山間が広がる。民家はチラホラある程度。とりあえずさっさと目的地である粟又の滝を目指して移動を開始。さて、どっちに進めばよいものか...?
事前に道筋やらどのくらい時間がかかるかなどろくすっぽ調べてもいないため(ちゃんと調べろよ)、とりあえず標識のそれっぽい名前に導かれるようにして歩みを進める。全身に吹きかけたサラテクトのせいで、黒のトップスがホコリで汚れたみたいになってしまったがドンマイです。虫を寄せ付けないための犠牲です。
立ち入り禁止の看板と頼りない紐のみで作られた線路のバリケード。これぞ田舎のなせる技か。小さい子供ならすぐに入り込むぞ。
おお~~...。雄大な自然に早速唸らされるぞ。もうこの時点でネイチャーポイントがどんどん供給されているような気がする。
ここで川を超える橋に到達。この時点で先ほどまで電車でも一緒にいたカップルや家族連れの姿が消えうせ、周囲の人の気配がまるでなくなっており、神隠しにあったのではないかと不安になりますが無視して先に進みます。
あっ橋だ!
真っ赤な橋を発見。渡ってみたい気はしたものの、まずは目的地である粟又の滝へと急がねば。時間に余裕があったら帰る前に見ていこう。
大きな観光案内の看板とにらめっこし、とりあえず目当ての粟又の滝へは今進んでいる道を真っ直ぐ行けばいいことがわかる。看板で見た感じだとそんなに離れているイメージがわかなかったので、数十分歩けば着くだろうと高を括る。
しかし歩いてるだけでどんどん汗が吹き出る蒸し暑さに、坂が頻繁に出てくる山道はなかなか厳しい...。もうこの時点で養老渓谷駅を出発してから1時間近く経っており、肉体的にも精神的にも辛さが滲んできた。粟又の滝まであとどのくらい歩くんだろ...?
よよよよよよ4.3km!!!!????
まだそんなに歩くの!?嘘でしょ!?駅出てそんなに遠くまで行かないと思ってたのに!!!
この時点で時刻は13時を回っている。午前中に電車待ちの時間にカフェでアイスコーヒーとパウンドケーキしか摂取してない身としては、かなり厳しいコンディションだ。近くにあったそば屋は混雑してて時間がかかりそうだし。とりあえずレストランが併設されてるらしい観光案内センターまで頑張って歩こう...。
蒸し暑い気候の中ひたすら歩いているせいで、せっかくのBRAHMANTシャツも半分以上の面積が汗ジミに。このままじゃ粟又の滝に辿り着く前にパワーが底をついてしまう…。今まで自然の音に耳を傾けながら歩いてきましたが、ここで音楽の力を借りよう…。パワーを補給するにはこれだ!
パワーだ!ヤツを倒せるパワーだ!パワーをくれえええ!!!
(燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦より)
のどかで緑豊かな町を歩くBGMがマッチョなメタルコアというのはすさまじいミスマッチですが、このアルバムを聴いてパワーを補給しなきゃ人間として動力源が切れて僕は死にます。
HER NAME IN BLOODの力を借りてなんとか気持ちで盛り返した僕。すると目の前にこんな看板が!
よ、ようやく観光センターに着いた。とりあえずここで休憩して、飯を食って体力回復だ!いや〜〜〜ようやく一息つける。
やってねえよ。
オイオイオイオイ!!マジか!!!???今日土曜日だよ!!??観光の狙い目の日で休んでどうするのさ!!?それともとっくの昔に廃業してたのか!!!???
ここ以外に付近に飯休憩できそうな場所はない。それどころかコンビニさえまともに存在しない。う〜〜〜む、しょうがない。ここまで来たら休憩無しで粟又の滝までいってやるよ!バスケで走り込みしてきた俺の体力をナメるなよ!!(部活やってたの8年位前だけど)
なお歩いているときに4回くらい↑の看板を見かけたのですが、閉店30分前の段階で5km以上距離があったのでここで飯休憩するのは諦めました。
木々が生い茂る空間と滝からのマイナスイオンでネイチャーポイントを回復する旅だったはずなのに、いつのまにか過酷なハイキングによってヒューマンポイントがゴリゴリ削られている旅になっているのが気にかかりますが、ここまで来たら後には引けないのでひたすら歩いていきます。
そして養老渓谷を発ってからおよそ3時間、ついに粟又の滝へと到着!!
着いた~~~~~!!!
冷たい水に囲まれているからか、先ほどまでの不快な暑さがウソのように爽やかに。おお...これが自然の恵み、滝の力か...。
TJさんが座っていたのはあの岩だな、と目を付けて、より近い位置で滝が見えるように移動する。コケの生えた濡れた岩はすさまじく滑りやすくなっており、転ばないように足元に神経を集中させるのが大変です。
一人で滝音と眼前に広がる景色に身を浸す。周りは子供たちがキャッキャと騒ぎながら水遊びに興じたり、カップルが二人並んで癒されたりしており、一人でネイチャーポイントを供給しに来た僕は少数派だったようです(あたりめーだ)
まあそんな僕よりもさらにレアだと思われる、こんな環境下においてスパゲッティナポリタンを食すオバサマがいたんですけどね。
しかし不思議なもので、いざ目的地に着いたときって先ほどまでの疲れを忘れられるものなんですね。もう歩きたくね~~とか思っていたのがウソのように体が軽い。もしかしてこれも滝の力?
気合いを入れてBRAHMANのブーツを履いてきた足。ネイチャーポイントによってだいぶ力が復活したようです。この調子で遊歩道の方も歩いてみます。
細長い遊歩道をゆっくりと歩く。右手に見えるせせらぎに心まで洗われます。途中見かけた積まれている石は、自然現象でこんな風になるわけないので、誰かがあそこまで行ってわざわざ積んだんでしょう。こういうのを見るのも一興。
左手にまた滝を発見。粟又の滝に比べればだいぶ小規模ですが、その分近づいてマイナスイオンを吸収。ネイチャーポイントがさらに溜まってきたぞ。いかに今まで自分が自然に触れずに過ごしてきたのかを痛感する。
足元は滝から流れ落ちた水がたくさん流れていましたが、水をはじくBRAHMANブーツがあれば平気なんですね。さすが!......と思っていたら......あっ!!
ああ~~~!ココに水が入っちゃったよ~~!!調子こいて深いとこに足突っ込んだから、染みるところに水入っちゃったよもぉ~~~~!!
そんなこんなで川のせせらぎに包まれながらのウォーキングもそろそろ終了の時間。16:02に粟又の滝→養老渓谷駅の最終バスがやってくるので、その時間までには帰らなきゃ。さすがにもう一度来た道を歩くという選択肢は僕にはありません。このバスを逃すと、そこら辺の旅館に空き部屋があるかアタックするか、大枚はたいてタクシー呼ぶかしか手立てがなくなります。最近PS4を買ったのでデカい出費は避けたいのです。
なお粟又の滝からバス停までの間にやたら急角度の階段と坂道が待ち構えており、最後にトドメと言わんばかりにヒューマンポイントを持っていかれたことを報告しておきます。
当初の想定と大きく外れたハイキングに心が折れかけるも、こうしてネイチャーポイント獲得の目的を達成した僕。帰りの時刻表もチェック済みのため、少し手前でバスを降り、道中に神社でお参りするなどして時間を調整してから養老渓谷駅に到着しました.......が。
電車が来ない。
おかしいな。17:21に五井行きの電車が来るはずなのですが。女性の駅員さんに窓越しでその点を確認してみると......
「ああ、すいません。今減便していまして、次に来るのが19:11なんですよ。」
........................
その後時間は、行きの時に見かけた真っ赤な橋を渡って神社に赴いたり、別の遊歩道を少しだけ歩いてみたりして時間を潰しました。
いや...まあ綺麗だったんですけどね...。
ネイチャーポイントの供給がヒューマンポイントの消費に追い付いていない気がしましたが、気が付いてないフリをしました。
みんな!田舎の電車に乗るときは時刻表はちゃんと確認した方がいいぜマジで!
粟又の滝までの道のり自体はそこまで驚くほどではないのですが、それでもこの日の合計移動距離はスマートフォン曰く21.3km。よく頑張った俺の足!!
そしてとうとう帰りの電車がやってくる...。薄暗くなった小さな駅に、古臭い車体の人気のない電車が来るのは、非常に風情が合って素敵...。
日帰りの養老渓谷の旅、ふたを開ければほぼハイキングになってしまいましたが、まあ自粛生活で怠けた体に渇を入れる意味でも、コンクリートジャングルに疲れ切った心を癒す意味でも、貴重な体験になったのではないでしょうか。実際滝を目の前にしたときの清々しさは素晴らしいの一言でしたよ。
ただやっぱりこういった旅には事前の計画は不可欠ですね。今回はただ単に「養老渓谷ってとこにこんな滝があるんだ!行ってみよっ!」ってなノリで事前準備は虫よけスプレーのみという体たらくでしたから、今後は目的地への移動やら時間やら電車の到着時刻やらを念入りに調べたうえで出かけるようにします。まあ行き当たりばったりの旅もそれはそれで楽しいんですけどね。
ちなみにひそかに楽しみにしていた帰りの電車からの夜の景色は、明かりの極端に少ない田舎のためほぼ真っ暗闇であり、景色もへったくれもない状態だったのを付記しておきます。