ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Graupel 『Fade Away』

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  • 表向きEP、内容はトリプルA面シングル仕様
  • ロディアスな叙情美も凶暴な破壊力もこれ一枚でOK
  • 僅かな時間にメタルコアの真髄あり!

 

先日行ったライヴで大きな衝撃を受けた国産若手メタルコアバンド・Graupelの最新EP。ライヴが終わった後すぐに物販へ行ってこのEPを買いました(CDショップに置いてないから)

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

昨年8月にリリースされた本作は3曲入り・9分弱という非常に短いEP。一応M1「Fade Away」が表題曲という体になっていますが、作った当人としてはトリプルA面のつもりで作ったそう。聴いてみればその意識が本物であることがよくわかります。僅かなランニングタイムで、エグいほどの攻撃性とメタル・ハードコアとしての感情表現が目白押しの3曲。

 

前述のM1はライヴでも定番になっているらしいナンバーで、初っ端から絶叫とともに爆走し、けたたましくシャウトヴォーカルが暴れ回り、それに合わせてメロウなギターもバックで唸る。スローテンポのサビでは非常に叙情的なヴォーカルメロディーでクリーンとシャウトが交錯する、破壊力と切なさが同居された強力な一曲。語りによる静かなパートから"Go over, Over and over and over again"のシャウトと流れ、ラスサビへとつながる様は、メロディックメタルコアらしい激情が遺憾無く発揮されていて鳥肌モノ。

 

M2「Flashback」は、表題曲がメロディアスな方向性だからなのか、かなりアグレッシヴ方面に振り切ったナンバー。突進力を増したドラムにブルータルなぶっといギターリフ、気が狂ったように叫び散らすヴォーカルが一体となって爆走し、ツーステ誘発のリズムとブラストビートで、飛躍的に聴き手のテンションを上げまくる。ラストでそれまで性急なリズムで展開してきたとこから、急転直下にブレイクダウンに移行するのも良い!

 

M3「Relic」は、狂気的な暴れっぷりは先ほどのM2に比べると落ち着き(それでも充分以上アグレッシヴだが)ハードコア寄りの疾走感で突っ走りつつ、よりギターリフがリズミカルかつ緻密に刻まれ、ヘヴィなテンポダウンの瞬間も頻発するなど、メタルコアらしい曲展開へと派生。細かくヘヴィに刻むリフの応酬はモッシュ必至と言えるほどにアツいもので、キッズが狂喜乱舞しながらハードコアモッシュに興ずる光景が目に浮かびます。

 

全3曲怒涛の如く、あっという間に駆け抜けてしまうEPですが、どの曲も非常に完成度が高く、バンドの迸る熱量が短い中にガッツリと詰め込まれています。メタルコアとは胸を熱くしてくれる音楽だと改めて思い知りました。

 

残念ながら本作発表時のメンバーは一部脱退していて、現在はヴォーカルとギタリストの二名しか正規メンバーではないらしく、早いところ完全な編成へとなって、この音に封じ込められた勢いそのままに活躍してほしいところ。マジで日本のラウドシーンの先頭に立てるポテンシャルがあるバンドだと思えるだけに。

 

 

個人的に本作は

"ハードコア/メタルコアとしての激情と破壊力が短い中に詰め込まれた怒涛の10分弱。トリプルA面という表現も納得"

という感じです。

 


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