
遠路はるばる、町田まで行ってきました。マジで遠い...
国産メタルコア界きっての超実力派Graupelと、ド変態なエンタメヘヴィサウンドを貫くAiliph Doepaという、個人的にヒジョ〜〜〜に興味深いツーマン。こんなの遠くたって行くに決まってるでしょ。
会場は約2年ぶりとなる町田CLASSIX。そういえば前回ここに来た時もドーパがメインアクトだったな〜...。HER NAME IN BLOODのツーマンも最高でしたよ。
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LUSHを覗いたり天一を食ったりしながら時間を潰して、開場時間ちょうどくらいにCLASSIXへ。キャパを絞っているとはいえ本日のライヴはソールドアウト。狭いライヴハウスが故にフロアはビッシリ埋まっている。整理番号がなかなか良かったので、かなり前方付近に行くことができました。普段なかなか見えないドラムまでしっかりと見える好位置!
Graupel
最初に出てきたのは叙情メタルコアの雄・Graupel。代官山でのツアーファイナルからライヴをやっていなかったそうで、1ヶ月ほど期間が空いたらしい。代官山のライヴも行きたかったんですけどね。その日ちょうど休日出勤と被ったんですよ。ちなみにこの日も翌日は休出。なんなんだよ。
しかしそんなブランクを感じさせないエネルギッシュさ。Sotaさんのシュッとした容姿からは想像もつかないような獰猛なシャウトに、手を前後にブン回しながらヘッドバンギングするアクション、タイトかつ叙情的なリフを垂れ流す演奏と、今まで観てきたライヴと変わらぬ強靭なアクト。
狭いライヴハウスながら、ステージの奥行きはそこそこあるので、激し目のステージアクションが眼前で繰り広げられることに。細かなバッキングをザクザク刻みながら、飛び跳ねまくるYuuさんのパフォーマンスはタイトかつ荒々しい。
ひたすら暴虐なエクストリームさを叩きつける「Flashback」では、Sotaさんが片足を柵に引っ掛け、タカが外れたような爆走パートで気が違ったかのようなシャウトを繰り出す。思わずヘッドバンギングすることも、体を揺らすことも忘れて、圧倒されながら見入るしかありませんでした。
惜しむらくは、今まで観てきた彼らのライヴの中でも熱量は劣らないものの、音のバランスが若干悪目で、コーラスがやや聴き取りにくい瞬間が多かったかも。「Apathy」の宇多田ヒカルっぷりをもう少し堪能したかった。
ただ不満点としてはそんなもんしかなく、間近でド迫力のパフォーマンスを目に焼き付けられ、「Towpath」でガッツリ体を震わせ、「Etherial」のブラストビートで絶頂したまま手を突き上げ、「Fade Away」のラストの大サビに入る直前に感極まる...。最後にはキャッチーさとアグレッションが完璧に融合された名曲「Depature」で締め。
「コロナもそうだし、今自分たちの力ではどうしようもないことが起こってる。だからせめてライヴに来てくれる人たちとか、自分たちの手の届く範囲の人たちのためにできる事をやっていきたい」と語るMCも、相変わらずひたむきな姿勢を感じさせてくれて好感触でした。
間違いなく今日本で一番カッコいいメタルコアバンドでしょう。アルバム超楽しみ。
Ailiph Doepa
先ほどのGraupelの緊迫感あふれるステージからうってかわって、やたらファニーなSEと共にスタートしたAiliph Doepa。ステージとの距離が近いから、ヴォーカルのアイガーゴイルさんの圧力がハンパない。よく見たら彼裸足なんですね。怪我しないでね。
音は相変わらずヘヴィでタイト。普段なかなか観られないドナルディケチャップさんのドラミングをしっかり観られ、涼しい表情を浮かべながらのパワフルな疾走をダイレクトに感じる。
今回はやや上手寄りの場所にいたので、パプリカパプリコさんのギターが目に入りやすい。ギター一本ながら音圧の足りなさはなく、頻繁にギターを掲げながらアピールを繰り出す。怪しげな風貌でお馴染みの彼ですが、こうやって近い位置で見ると、結構綺麗な目をしていることもわかりました(笑)
この日のセットリストは、普段のライヴで定番のナンバーとなっている「Scary Night」や「Machu Picchu」といった楽曲は外され、普段あまり聴けていなかった曲が顔を出す。ベースのスラップからスタートする、ドーパ流ミクスチャーナンバーの「Corn Flake」は好きな曲だけに聴けて嬉しい。キャッチーなサビに拳を上げて応える。RPGゲームのSEがガッツリ使われた「Mortal Combat」も途中ノリ方は難しいですが(笑)一気に爆発するサビが非常に気持ちいい!
「我々は今回の対バンのGraupelさんのように、徹底してエクストリームなバンドではありません。エクストリームっぽい事をやっているバンドです」と、MCでは前回のDEVILOOFの対バンの時と似たような事を言っていましたが、彼らの楽曲はヘヴィパートでのヘッドバンギングしやすいパートがわかりやすく、かつギター一本とは思えぬほど音圧十分なので、十分エクストリームメタルバンドにも負けてないと思ってます。
「今世界情勢は非常に難しいことになっていて、嫌なニュースばかりで病んだ気持ちになっているでしょう。そんなみなさんの心身の健康を願って!」と、2年前にもここで聴いた「Anti Aging Table Manners」がプレイされる。当然前回観た時の記憶が蘇り、「あの時はマスクなんかつけずに楽しんでいたな〜」とちょっとセンチな気持ちになりました。
ラストはオーディエンスが足元のQRコード(距離を保つためにおおよその立ち位置示したアレ)を踏みつけまくる「Tyrant」。雄大なヴォーカルとヘヴィパート、シアトリカルとも言えるコーラスのコントラストが映える、変態ながらもカッコいいドーパらしい圧巻の締めとなりました。「一人でもいいから社交ダンスしろ!」と煽ってましたが、僕の前にいた女性二人は普通に手を取り合ってました。
両方ともライヴが素晴らしいことは認識済みのバンドだったため、どうせすごい一日になると確信していましたが、決してその期待を裏切ることのない濃厚なライヴでしたね。狭いライヴハウスで極上のヘヴィさに襲われ、耳と首が痛い痛い。
あとちょっと気になったのですが、Ailiph Doepaの番になったら、最前に女性ファンが多くなり、ヴィジュアル系っぽいヘドバン(長い髪の毛を横に振り乱すやつ)が発生したこと。確かに彼らは強烈なルックスではありますが、その手のファンに受ける見た目と音楽性とはとても思えないんですが、何か琴線に引っかかりやすい要素があるのでしょうか。
僕の左隣にいた小柄な女性も同様のノリだったので、ヘドバンするたびに頭が左肩に激突しないかちょっと怖かったです(笑) 結果的には何もなくて良かったけど。