ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

PassCode 『ZENITH』

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  • メジャー一発目、現路線の基盤を固めた一作
  • 全編通してアグレッシヴな初期衝動が顕著
  • やや一本調子ながら既に完成度は高い

 

先日武道館公演を観に行ったばかりでその余韻が残っているのか、ここ最近はPassCodeの楽曲をよく聴いてました。メジャー1stフルアルバムである本作についてまだ触れてなかったので、このタイミングで取り上げようかなと。

 

本作発表前からポストハードコアやスクリーモのテイストを入れた楽曲はすでに発表していたようですが(結成1年後に今の路線に舵を切ったらしい)、本作は前述の通りメジャーデビューしてから初のフルということで気合が入ったのか、曲単位・アルバム単位ともに攻撃性に秀でていて、かなり勢いに満ちている。

 

いわゆるピコリーモ(死語かな?)的要素もあるにはあるのだけど、あくまで骨格はキャッチーな歌とハードなバンドサウンド。あまりに露骨にピコピコしていたり、ダンスミュージック然としたサウンドを好まない僕としては、このくらいのバランス感覚を持ってくれるのはありがたいものです。

 

基本的に全楽曲同一の方向性を持った楽曲で、大体似たようなテンションのまま進んでいくから、アルバム全編通して聴くと若干飽きが早く来そうなのがネックでしょうか。もう少し単一のアルバムとして起伏を設けてくれたらよかったんですが、そこはまあメジャー一発目ということで、衝動を優先した結果でしょう。

 

M1「Maze of mind」はソリッドなリフと疾走するドラムに、前半からシャウトを使って畳かけ、バックで効果的に電子音を交えつつサビのメロディーはキャッチー、という本作の基本線全部盛りとも言うべき王道楽曲。途中では短いながらヘヴィなリズム落ちパートも登場し、ハードコアキッズはここぞとばかりに腕をブン回すでしょうね。

 

本作中特に歌のメロディーに重きを置かれたサビでダイナミックに展開するM4「ONE STEP BEYOND」、リズミカルなヴォーカルラインが絶妙にクセになるM5「Scarlet night」、急に3拍子へとリズムチェンジし哀愁を効かせたサビへと突入するM7「Same to you」、ピアノによるバッキングと本作中最も叙情美に満ちた歌がバラード的な役割を果たすM8「カタルシス」、終始高速のテンポとシャウトで駆け抜け、サビになって一際リズミカルなキャッチーさを醸し出すM9「rise in revolt」などが特にお気に入り。

 

M11「MISS UNLIMITED」は、デジタルなエフェクトを多用したヴォーカルワークやバッキングに、突然のテンポチェンジによる多彩さなど、M1と同様に本作の路線の集大成とも言えライヴでも定番の楽曲。これを聴けばとりあえずPassCodeの何たるかは伝わるのではないでしょうか。

 

今後の楽曲も本作の路線を引き続き踏襲していく形になるため、ここから現在のPassCodeの基盤が固まった重要作と言えるかも。ちょっと一本調子気味だし、より歌メロの良さに重点が置かれた2ndの方が好きですが、アイドル云々関係なく、純粋にキャッチーなデジタル風味のロックとして優れた楽曲ばかりで、聴きごたえある良作です。

 

 

個人的に本作は

"攻めの姿勢重視のキャッチーなポストハードコアでまとめ、自身のスタイルを決定づけた重要作"

という感じです。

 


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