今年に初のアメリカ公演も決定した、スクリーモ/ポストハードコアダンスユニット・PassCodeの、前作『REVERBERATE ep』に続く4曲入りEP。ちょうど半年ぶりのリリースになります。
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楽曲の方向性については、もう何年も前から固まっているだけに、本作においても過去作を踏襲した作風を貫いています。エレクトロニコアらしい電子音をふんだんに持ち込みつつ、ヘヴィ/ラウドなバンドサウンドを加えて、歌メロはJ-ROCKらしいキャッチーさを持つ。
前作は4曲すべてに多少個性づけがなされている印象でしたが、本作はそこまで各曲の色は明確ではなく、アグレッション重視のキャッチーな楽曲で統一されてる感じです。しいて言うならM2「Melody from the Bumbling Clash」が、やたら繰り返される歌詞が面白いフックになっていて、変わり種的な個性を見せてる感じか。それでも歌のキャッチーさはしっかりキープされてるのが嬉しい。
全4曲、ファンならいつも通り楽しめる楽曲のみで構成されていますが、なんと言って本作にはわかりやすいキラーチューンが存在しているのがポイントです。
M3「MYTH」がそれで、北斗の拳のパチンコタイアップ(GALNERYUSにもそんなんあったな)がついてるが故に"あたたたたたたたたたーーっ!!"というシャウトが混じっているのが特徴ですが、そんなネタ要素に頼らなくとも、充分以上にアピールできるであろう魅力に満ちた楽曲になっています。
何と言っても強みはメロディーの豊富さ。普通の曲なら充分に良質なサビとして通用するような歌メロが、形を変えて次々に飛び出してくる展開が素晴らしいのなんの。アッパーなエレクトロサウンド、ヘヴィでアグレッシヴな演奏の派手さも相まって、聴き手のテンションをグイグイと上げてくるパワーに満ちている。
ドラムの連打から一瞬のブレイクを挟んで、シャウトで爆発力を演出するラスサビのカッコよさなんてもうね、グッときちゃいますよこんなの。これでMV作ってほしかった。
その他の曲も、ストレートなサビの疾走で魅せる王道ラウドナンバーM1「Lord of Light」、ダンスミュージック的展開が強くなる前述のM2、ヘヴィリフとシャウトが絡みながら疾走するパートがメタリックな印象を出すも、エレクトロサウンドも大量にブッ込んだM4「GRAUNDSWELL」と、どの曲にもらしさ満載で、わずか4曲ながら満足度は高い。
ただやっぱり「MYTH」のインパクトが抜群。本作の満足度の高さはこの曲によるところが大きいですね。このアッパーなサビはぜひともライヴで爆音で浴びたいところ。
新体制になってコンスタントにシングルとEPを重ねてきて、どれもが良い曲に恵まれている印象があるので、もうそろそろフルアルバムが聴いてみたくなる頃合いです。
個人的に本作は
"4曲すべてらしさ満載、王道路線のラウドチューンでまとめた快作。アッパーでキャッチーなキラーチューンが最高"
という感じです。