一週間ぶりのブログ更新となってしまった...
ホントはもっと早くに書き上げるつもりだったんですけどね。この週はいろいろ仕事が忙しくて、なかなかまとまった時間がとれず、結局一週間前のライヴ感想をこのタイミングで上げることに。
2015年のJudas Priest、2018年のBRAHMANに続いて、3回目の武道館ライヴに行ってきました。ポストハードコアユニット・PassCodeの日本武道館公演です。
武道館ライヴ自体は結構前から日程が決定していたようですが、その間にシャウトヴォーカル担当として、グループの個性に大きく貢献していた今田夢菜さんが脱退するという事態が発生。ポーカーフェイスを崩さず小柄な体から、激情を表現するシャウトを連発するパフォーマンスは、SUM 41のゲストアクトとA.V.E.S.Tで非常に印象に残っていたために、この脱退劇は個人的にも残念でした。
しかしそんなピンチを、元LADYBABYの経歴を持つシャウターである有馬えみりさんを迎えることで乗り越え、半年ほど現編成のライヴを重ねた上でこの日を迎えました。
当日は九段下に開演の40分ほど前に到着。自分は二階席だったので、裏から回るように入場ゲートへと向かい、しばらく通路を歩いてから西エリアへと到達。ほぼ"横"と言ってしまっていいほどの席で、ステージのバックスクリーンは思いっきりスピーカーが被っている...。まあ、一般発売組ですからね...むしろ最上段ではないため、肉眼でも多少メンバーの姿が見える位置であることに感謝するべきでしょう。
スピーカァ〜...
開演時間ちょうどくらいに注意事項のアナウンスがなされ暗転。バックのスクリーンにイメージ映像が流れ(スピーカーで画面真ん中付近は見えませんでしたが)、バックバンドのメンバーがステージ袖から登場。肝心のメンバーは、スクリーンが上下に割れて、その奥から登場。いつもライヴのクライマックスに演奏されていた「MISS UNLIMITED」がオープニングナンバー。
ステージは大量のスモークが焚かれ、スクリーンにはギラギラした近未来的VJ映像が終始流れる演出とともに、のっけからのド迫力シャウトとエフェクトヴォーカルが交錯していく。大舞台ということもあってか、ヴォーカルの調子がやや外れたような箇所があったものの、ステージが進むにつれてどんどん修正されていった感じ。
今回はオーディエンス全員に、入場時に光るリストバンドが配布されており、それが場面ごとに色とりどりに光る仕様となっていて、真っ暗なスタンドや観客席をギラギラに輝かせていく。二階席で観客一帯を見回せる位置にいたので、無数の光が眼前にブワーッと灯されていく様は壮観。
ただステージ上の演出はバックのスクリーンにスモーク、更にはパイロまでバンバン上がるというド派手仕様でしたが、メンバーとバックバンドたちのパフォーマンスは、かつて観たときと大きくは変わらない。メインでMCを担当していた南菜生さんが「武道館だからって特別なことをするつもりはありません。今まで通りのライヴをするだけです」と語っていた通り、あまり気負いみたいなものは感じさせない。
今回大きく変わったことといえば、前述の通りシャウトヴォーカル担当が変わった点で、現体制のPassCodeを観るのは初めてだったこともあり、やはり僕の視線は有馬さんへと集まりがちになる。
そして感想としては、メッッッチャカッコよかったです。惚れ惚れするとはまさにこのこと。
前任者の今田さんは、激情ハードコア系の高音シャウト一本を貫くタイプでしたが(それはそれで直情的な勢いがあって良い)、有馬さんのそれはメタルバンドのヴォーカルで鍛えられたのか、かなりエクストリームメタル色の強いもの。
メインの咆哮は女性らしさをそこはかとなく漂わせる高音気味のものですが、時折飛び出す低音を強調したグロウルは、国産エクストリームメタルバンドのヴォーカルたちにも引けを取らない破壊力。さらには耳をつんざくばかりのホイッスルボイスまで使いこなす。大冠祭でのLADYBABYのステージでも充分に凄さは伝わってましたが、改めて観ても凄いとしか。
ここまで本格的なデスヴォイスを得られたのだから、今後はより強靭なブレイクダウンを導入するなど、エクストリームな楽曲を作っても面白いかもしれませんね。PassCodeらしいかと言われれば微妙かもですが、アルバム中1曲くらいガチのエクストリームメタル路線の曲があっても良いと思うんですよ。
さらに言うなら、見た目のインパクトも抜群で、他3人はタイトスカートを基調とした衣装だったのに対し、1人だけダボッとしたズボンタイプ、気合いの入ったコーンロウのヘアスタイルがまあカッコいいのなんの。だいぶ語弊がありそうですが、BiSHのアユニ・Dさんのルックスを思いっきりワイルドにしたような印象(伝わるかなあ)
#PassCode_武道館
— 有馬えみり (@passcode_Emily) February 13, 2022
楽しかったーーー🇯🇵❤️🔥 pic.twitter.com/DhLdOZtDhA
しかしMCになると一転してユル〜〜〜い雰囲気になるのも素敵(これはメンバー全員に言えるけど) 「緊張してる?」という問いに対して「それ誰に聞いてんの〜...?」とにへらっと笑いながら答える様子に、「これが"ギャップ萌え"というヤツかッ...!」と思わずにはいられません(笑)
有馬さん1人のことばっかり書いてしまいましたが、当然ながら彼女のみ突出しているわけではなく、メンバー全員のダンス組み合わさっていくステージングは見応えあります。衣装がキラッキラなのもありますが、やはりルックスに華があるんですよね全員。
アグレッション重視の「Taking you out」に、やたら耳に残るフレーズとスラップベースを混ぜた「Seize Approaching BRAND NEW ERA」、ダンスミュージックとキャッチーなポストハードコアの折衷具合が魅力の「DIVE INTO THE LIGHT」と進んでいく。個人的に大好きな「ONE STEP BEYOND」はやはり良い!この曲のように純粋に歌モノとしても優れている曲は特に好きです。
現体制での新曲「FLAVOR OF BLUE」が終了すると、一旦バックバンドも含めてメンバーがステージ上をはけていき、証明が落ちていくと、スクリーン上にドキュメンタリー風の映像が流れ出す。ライヴ中にこういう映像流れるのを見たのはルナフェスのYOSHIKIさん以来だ(笑)
個人的には、せっかくの生のライヴなのだから、演者のパフォーマンスの時間に割いてほしいとも思うのですが、フェスでこれをやったYOSHIKIさんと違って(笑)2年前から口にしていた武道館という大舞台のワンマン、かつ衣装チェンジの時間も兼ねているので、こういうのも必然性があると言ってもいいでしょう。とりあえず高嶋楓さんはニートにならなくてよかったね。
昔のメンバーの映像が流れていましたが、今田さんの映る部分が一切無かったのはちょっと寂しい。まあ一般人なのでこの辺は仕方ないところか。
さきほどとは一転して純白の衣装に着替えたメンバーがやってきて(黒のズボンがカッコよかった有馬さんもスカートになっていたのはちょっと残念と言えなくもない)、バラードの「horoscope」へ。ラスサビの直前で声が詰まる瞬間もあり、ずっと追ってきて感情移入していたファンにとってはグッとくる瞬間だったはず。
後半には、先程の「2階席の一番上メッチャ高いね〜。高所恐怖症だとヤバいんじゃない?落ちないでね〜」とか、「みんなのキラキラしてるリストバンド羨ましいわ〜」といったユル〜いMCとはうってかわって、メンバーひとりひとりが長い尺を使って、目の前のファンへと思いを綴る。
その流れからくる「Tonight」はかなり好きな曲であることもあって、僕のテンションにもエンジンがかかるというもの。MVを思わせるカラフルな照明使いも良かったです。
そしてラストの「Anything New」「Ray」では、またまたスクリーンが上下に割れて、奥には少数ながらストリングス隊が登場。「Ray」のMVにもストリングスはあったから、最後になってでてくるんじゃないかと予想はしてましたが、バンドサウンドがかなり強力なので、そこまで目立ってなかったというか、あまり有効活用されていたとは言い難かったかも...?
もちろん終了後はアンコールあり。特にポップな歌メロが強い「ATLAS」で明朗な空気を描いたあと、1stアルバム収録曲で、まだ大上陽奈子さん加入前の楽曲である(リレコーディングはされていますが)「Seize the day!!」が演奏される。
今の彼女たちではまずやらないであろう青春ガールズパンクバンドっぽい青臭さに、キャピキャピしてたり、エアギターしたりといった振り付け、やたらゴキゲンなシンセな音色が流れる曲で、今の耳で聴くとだいぶ違和感が強い。ここ最近聴き出した僕にとっては、「こういう曲をプレイしてた時代があったんだなぁ」と新鮮な気持ちになれます。
その後はドキュメンタリータッチの映像の続きが流れ、大阪は堺にある彼女たちの事務所へと集まり会話をするシーンを挟み、オーラスは「It's you」。ポップな中にも絶妙に切なさが包容された、「Ray」「Tonight」と並んで好きな曲で、ラストのサビで銀テープがバシュッと飛び出し、大舞台を締めくくるに相応しい幕切れになりました。
席こそ真横でスクリーン演出が満足に見られなかったものの、メンバーの動きは普通に目で追えたし、キラキラ輝く武道館という空間を一望できる位置で、今までライヴで聴けてなかった過去曲も含めて味わうことができた良いライヴでした。
途中に挟まれた映像で映された事務所はめっちゃ小さいうえに、お世辞にもキレイとは言えない(外も中も)場所であり、こんなとこからスタートした少人数グループが、武道館のステージに立てるまで成長したわけですから、音楽業界ってまだまだ夢ありますよね。
あとどうでもいいことですが、ライヴ後に撮られた写真で自分の姿が視認できたのはなかなか無いのでちょっと嬉しかったです(笑) たいてい人影に隠れちゃうので...
THANK YOU!!
— PassCodeオフィシャル (@passcodeO) February 12, 2022
PassCode NIPPON BUDOKAN 2022 at 日本武道館
Photo by @Tamaishingo22 #PassCode武道館 pic.twitter.com/0nAKjeIfCF