ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

摩天楼オペラ 『PANTHEON -PART 1-』 (2017)

摩天楼オペラ『PANTHEON PART 1』

日本のV系シンフォニックメタルバンドの6thフルアルバム。

 

 

去年フルアルバム『地球』を発表した後、割と早い段階でギタリストのAnziさんが脱退、その後4人体制でミニアルバムとベストアルバムを同時発売し、12月にはライヴ会場限定で本作収録の「SHINE ON」のシングルを発売、そして結成10周年の今年にフルアルバムを発表・・・とかなり精力的かつ目まぐるしい活動をしている摩天楼オペラ

 

 

本作発売の前には"バンド史上最もHEAVY METALなアルバム"という(メタラー的に)かなりハードルを上げるアナウンスをしており、期待と不安が入り混じった状態で購入。

 

 

現代的なものと伝統美の融合」というバンドコンセプトが示すように、彼らの楽曲はガチなトラディショナルメタルではなく今風のモダンなロック要素も色濃いので、そんなメタルにこだわった作品を作れるのかなあ?とちょっと疑問に思いつつも聴いてみました。

 

 

印象としては確かにメタリックな疾走チューンの勢いは強いけれど、過去作と比較して段違いにメタルしてるわけでもなく・・・(笑)。前作までの流れを順当に踏襲した摩天楼オペラらしいモダンでメロディアスかつポップなシンフォニックサウンドが展開されていました。シンセの音色が薄いのが若干不満に感じなくはないものの、そのおかげかクドさはなく、また収録曲が10曲と絞られていることもあってすんなり通して聴けるし、メロディーも非常にキャッチーでとっても聴きやすい作品に仕上がっています。

 

 

Aメロがやや平坦なもののサビは彼ららしい壮大さと優雅さが気持ちいい疾走ナンバーM1「PANTHEON」、ゴリゴリのギター(欲を言えばソロはもうちょい面白くしてほしかった)と彩雨さんの透明感のあるキーボードが特徴的なM2「Curse Of Blood」、つんのめるような勢いのある出だしからクールなサビに展開、ピロピロギターにかぶさる苑さんの高音ヴォーカルパートが最高にカッコイイM5「Excalibur」などアルバム前半の勢いが良く、攻撃的なサウンドに酔いしれることができます。ただそれでもホンマモンのパワーメタルバンドのようなパワフルさはあまりなく、どこか気品さ、上品さが感じられるのがV系らしいところでしょうか。

 

 

後半は目に見えてメタル度が低くなり、彼らのモダンなロック要素が強く押し出された楽曲が目立ちます。僕はこういったスタイルのロックも嫌いじゃないので充分楽しめますが、やはり硬派メタラーにはイマイチかもしれません(まあ硬派メタラーV系は聴かないかもだけど)。M8「何度目かのプロローグ」なんて、苑さんの声質、歌い方と合わせてB'zみたいだと思いましたよ(笑)。

 

 

去年のクリスマスの時期に合わせて先行公開されたM9「SHINE ON」もメロディーはかなりポップで青臭いのですが、僕は好きですこういうのも。前作『地球』収録の「ether」を聴いたときも思ったのですが、彼らのキャッチーなメロディーセンスは結構僕のツボにはまりやすいみたいです。

 

 

全体的には従来の彼ららしい充実した良作であると思いますが、やや手堅く無難にまとまった印象もあり、「喝采と激情のグロリア」「天国の在る場所」のようなアルバム中頭一つ抜きんでたドラマチックなキラーチューンが欲しいと思ってしまうのも事実・・・。

 

 

あと「これがこのバンドの音だ!」と見なしているのかもしれませんが、やっぱりシンフォニックな装飾を豪華に分厚くしてほしい思いも継続してありますね。M10「止まるんじゃねえ」とか大仰に盛り上げればもっとカッコよくなるんじゃ・・・なんて思ってしまったり。

 

 

あと音楽とは関係ないことですがタワーレコードの特典でもらえるポスター、ドラムの悠さんの目が怖い(笑)。また顔の雰囲気が9mm Parabellum Bulletのかみじょうさんっぽく感じたのは僕だけ?

 

 

M1「PANTHEON」 MV

 

 

全曲トレーラー