ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

SAVAGE MESSIAH 『Demons』

SAVAGE MESSIAH 『Demons』

かのIRON MAIDENやJudas Priestを輩出しながら、あまり他のメタルバンドが取りざたされることは少ない、イギリス出身の4人組正統派メタルバンドの新作。ライナーノーツによるとこ最近はメンバーが安定しておらず、本作のドラムは複数人が担当し、ギターの片割れはすでに脱退済みらしい。

 

彼らの音楽性はスラッシュメタル風のギターリフが登場するも、基本的な骨格は正統派メタルのそれ。デイヴィット・シルヴァーによるヴォーカルもスラッシュのような吐き捨てではなく、多少乱暴ながらもメロディーを歌い上げるもの。ANNIHILATORあたりからの影響が濃そう。

 

帯に「ブリティッシュ・モダン・ヘヴィ・メタル・バンド」という記載があり、確かに曲によってはかなりモダンでヘヴィなサウンドを奏でてはいるのですが、いわゆるグルーヴ感あるものではなく、攻撃的で正統的なメタルリフらしいメタルリフになっているのが気持ちいいところ。ここぞというところでバスドラ連打の疾走を見せるドラムのカッコよさもかなりのもの。

 

泣きのリードギターやクサメロ、キラキラしたキーボードなどを用いず、シンプルと言えるほどに磨かれた純粋なメタルサウンドと、甘くならないヴォーカルメロディーはまさに正統派ヘヴィメタルの王道と呼べるもので、多くのメタルヘッズにカッコよさが伝わるであろうスタイル。ピュアなメタルを愚直なまでに貫く姿勢はENFORCERあたりと並んでとても印象がいいですね。

 

ド頭のM1「Virtue Signal」思いっきりヘヴィなリフと熱いシャウトと共に疾走!メタリックなリフが終始鳴りやまず、メロディアスなサビもカッコいい正統派ナンバーです。

 

メタルコアにも負けないほどのアグレッシヴなギターが聴けるM4「Under No Illusions」、メランコリックな歌メロが増強されつつ、中盤部の疾走ギターソロがメチャクチャカッコいいM6「Parachute」、METALLICA張りのスラッシーでヘヴィなリフとツーバスドコドコのサビが登場するM8「The Bitter Truth」などテンポの速い楽曲のクオリティーが高く、メタル好きならきっと琴線に触れるであろうナンバーが目白押しです。

 

スロー曲は決してつまらなくはないものの、やはり疾走曲と比較してややパッとしない印象であることも確か。もう少しメロディーに磨きをかければ良いのでしょうが、このバンドは正統派メタルの様式エッセンスが美点なので、あまりに歌がキャッチーになってしまうのも問題かな...?

 

突き抜けた出来と言うわけではないものの、アグレッシヴな正統派メタルを好む人であれば概ね満足できるクオリティーは備えているピュアメタルの好盤であると言えます。80年代の古き良き正統派を愛する人からすると、やや音質がヘヴィすぎると感じられるかもですが、この"モダンな音でありながらのピュアメタル"は現代っ子メタラー(?)である僕にとってはかなり魅力的に響きますね。

 

M2「Down And Out」 MV

 

M8「The Bitter Truth」 MV