ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

ARCH ENEMY 『Will To Power』 (2017)

ARCH ENEMY 『Will to Power』

ここ日本ではもはやメロディックデスメタルというジャンルを代表する存在と言える、ARCH ENEMYの記念すべき10thアルバム。新たなフロントマン、アリッサ加入後の2作目かつ、ギタリストのジェフ・ルーミスが加入して初の作品でもあります。

 

 

MVが先行公開されたM3「The World Is Yours」が「Nemesis」ばりにキャッチーなリードギターが鳴り響く素晴らしい出来だったため、アルバムも決して期待を裏切る出来ではないと思っていましたが、その期待にしっかり応えてくれる力作でした。

 

 

スラッシーかつへヴィなギターリフ、女性らしさを残しつつも破壊力満点なアリッサの咆哮で爆走するM1「The Race」から一気に聴き手のテンションをブチ上げてくれます。デスメタルバンドの疾走パートと言えば、ブラストビートで思いっきりズダダダダダーーッ!!!と駆け抜けていくのが普通だと思いますが(?)、個人的には非人道的な速さより、このくらいの疾走感の方がアガりますね。ギターが素晴らしいのは言わずもがな。

 

 

いかにもARCH ENEMYってな塩梅のむせび泣くギターが全編にわたって目白押しのM2「Blood in the Water」、上記した名曲M3、ミドルテンポで無骨に展開するも、サビで一気に哀愁タップリのリードフレーズが光るM4「The Eagle Flies Alone」と、新鮮味こそあまり無いものの彼ららしさに満ちた、高クオリティーの楽曲が立ち並びます。10枚もアルバムを出しておきながら、未だに心を揺さぶる名フレーズを生み出し続けるマイケル・アモットはやはり天才ですね~・・・。

 

 

M5「Reason to Believe」はある種新境地と言える楽曲。ARCH ENEMY初の(バックでうっすら聴こえる程度なら前作にもあったけど)クリーンヴォーカルパートが大胆に導入されたスローナンバー。ヨハンやアンジェラと異なり、クリーンヴォイスでも非凡な歌声を聴かせるアリッサの存在があったからこそ生まれた楽曲でしょう。「クリーンなんざいらん!!」という意見もあるかもですが僕は肯定します。デスヴォイスももちろんカッコイイですけど、クリーンでこれだけ歌えるなら眠らせるのはもったいないですからね。

 

 

中盤のギターソロが死ぬほどカッコイイ問答無用の疾走チューンM6「Murder Scene」、サイコホラーのような不気味で不穏なピアノの音色と、哀しみに塗れたギターの旋律がベストマッチしたM8「Dream of Retribution」といったキラーチューンを随所に挟む後半を経てのクライックス、前作の「Time Is Black」を彷彿とさせるほどオーケストレーションが添えられたM11「A Fight I Must Win」のドラマチックさは凄まじいものがありますね・・・!バンドサウンドがフェードアウトしていき、ストリングスの音色だけで締めるアウトロもまたイ~~イ感じで余韻をもたらしてくれます。この聴後感がデスメタルバンドの音源とはとても思えませんよホント・・・。

 

 

劇的でメロディアスで、かつ丸くならない破壊力を秘めた安心安定のアチエネサウンドは今作でもバッチリ健在でした!満足です!

ちなみに国内盤の初回生産仕様はスリーブケースに大きめのポスターがつき、価格はCD一枚分と、結構なお得感があるのもナイスです(まあ個人的にはポスターとかあんまり興味ないし、かさばるから普通のプラケースで全然かまわないのですが/笑)。元が名曲ということもあり、国内盤ボーナストラックもかなり良い仕上がりになっているので、買うなら国内盤をオススメします。もともとパンク/ハードコアから音楽に入った身なので、M14「City Baby Attacked By Rats」みたいなハードコアナンバーも楽しんで聴けちゃいます♪モッシュしてえっ!!!

 

 

・・・・・・なんて書いたけどG.B.H.のカバーって輸入盤のデラックスエディションにも入ってるのね(笑)

国内盤ボートラはPretty Maidsのカバーのみのようです。

 

 

M3 「The World Is Yours」 MV (名曲!)

 

 

M4 「The Eagle Flies Alone」 MV