ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

2/22 ARCH ENEMY / Deceivers Japan Tour at Zepp DiverCity

世間ではこの日は猫の日なのかもしれませんが、僕らにとってはARCH ENEMYのジャパンツアー初日。Zepp Diver Cityへと行ってきました。

 

当初は仕事がうまく片付くかもわからず、今後行われる予定のライヴのチケット代をバンバカ払っている段階のため、当初は彼らのライヴに行くかは迷ってたんですよ。ARCH ENEMYは単独含めて結構観てきているので。

 

しかし、ここ2,3年でライヴに行けない歯痒さを噛み締めただけに、ARCH ENEMYほどのバンドが5年ぶりに来るというのに、それを無視するのもいかがなものかと思いまして。翌日が祝日という条件もあって、当日の仕事を爆速で終わらせてお台場へと駆けつけてやりましたよ。

 

スーツのまんま当日券を購入し、開演15分前くらいに入場。職場が都心から若干の距離がある立地なだけに、定時後すぐに出てもこのくらいの時間的猶予しか残ってないんだな〜。

 

邪魔な荷物やコートをロッカーにしまおうにも、すでにロッカーは満杯。鍵かけぬまま荷物だけ突っ込むという、堂々たるルール違反を働く輩もおり(笑)、スタッフの人に告げ口してやろうかとも思いましたが、もうあまり時間もないだけに無視してフロアへと移動。幸い後ろの方の人口密度はそこまで高くないため、足元に荷物を置くことはできました。

 

人口密度は低めとは言っても、前方から後方にかけて満遍なく客入りはしており、平日においてこの規模の会場で、これだけの集客ができるあたりに、ARCH ENEMYというバンドの日本での支持率の高さを感じ取れますね。たんに明日が休みだからというのもあるでしょうが。

 

ステージを覆う「PURE FUCKING METAL」の垂れ幕を眺めながら待ち、開演時間をちょっと過ぎたあたりで暗転。荘厳なイントロが流れたあと、静かにオープニングのリフが流れ出す。最新作のタイトルトラック「Deceiver, Deceiver」からのスタート。怒涛の勢い溢れる疾走チューンなだけに、理想的なオープニングですね。

 

勢い重視な楽曲ながらも、やはり後半部で聴かれるマイケル・アモットの慟哭ギターの威力はすさまじい。その後に続くアリッサの獰猛なヴォーカルも迫力バッチリ。

 

そこから矢継ぎ早に「The World Is Yours」で、メロディアスなギターの大盤振る舞いを喰らわせたあと、短めのMCを挟んで即名曲の「Ravenous」へ続くという鬼セットリスト。序盤から飛ばし過ぎ!

 

バンドアンサンブルは安定&攻撃的な素晴らしいもので、ARCH ENEMY最大の魅力を担うマイケルのリードギター、それに絡むようにリードを弾きつつ、正確無比な速弾きシュレッドもお手のものなジェフ・ルーミスは、マイケルほど柔和な笑顔を浮かべることはなく、キリッとオーディエンスを睨むような眼光がカッコいいな。

 

ベースのシャーリー・ダンジェロは、メンバーの中で一番おっかないルックスではあるものの、積極的にステージ上を移動してアピールをしていく。肝心のベースの音はどうしてもギターに埋もれてしまいがちだったのが惜しいですが、まあARCH ENEMYはギターが主役のバンドだけに仕方がない部分かも。

 

ドラムのダニエル・アーランドソンは、あまり魅せるようなプレイはせず、淡々と仕事をこなすような感じでしたが、やはりその腕前は圧巻としか。ズンズン響くバスドラムの鳴りが心地よく、疾走パートの連打が非常に聴いてて気持ちがいい。ギターに耳が行きがちながら、パフォーマンスの面ではリズム隊も流石の一言。

 

そんな凄腕たちに囲まれながらも、存在感が一切薄れないのがアリッサで、MVで見れたような衣装を見にまとい、ステージ両端のお立ち台から積極的にアピール。さらにドラム台からジャンプしたり、時折衣装チェンジしたりと、最もステージングで目を見張るものがありました。鮮やかなブルーの髪がなびく姿がお美しい......

 

なお、今回のセットリストはかなり新しめの曲が多い。最新作の楽曲を中心にしつつ、前作・前々作の楽曲を取り揃えており、そこへアンジェラ・ゴソウがヴォーカルをとっていた楽曲数曲。最新の曲に混じって、中盤に放り込まれた「My Apocalypse」がだいぶ浮いてました。

 

アリッサ加入後のアルバムはどれも良質なので、個人的に不満は無い、むしろ優れた楽曲を連発しつつ直近の楽曲で勝負できる、現役感あふれるパフォーマンスはかなり好感触だったのですが、昔の曲を多く聴きたかった人は少し不満があったのかも。

 

ミドルチューンである「In The Eye Of The Storm」は、間奏にて聴けるメチャクチャエモーショナルなツインリードに震えたし、新作随一の疾走曲「The Watcher」の勢い抜群のリフを爆音で聴けたのも嬉しい。個人的ハイライトは中盤に披露された「Handshake With Hell」で、いったん静かにブレイクしたあとの、強烈なギターソロは音源以上の迫力を持って迫ってくる。

 

このバンドの楽曲としてはかなり大胆に加えられているクリーンヴォーカルのパートについても、見事な歌唱を披露してくれていましたが、歌ってる最中にしきりにアリッサがイヤモニに手を回しているのは、自分の声が聞きにくかったりしていたのかもしれない(それであれだけ歌えるのならすごい)

 

そしてライヴ後半になると、過去のキラーチューンを畳み掛けてくる。メロディックリードギターがかつてないほど盛大に鳴り響く「Blood On Your Hands」に、メロウでスローなサビと疾走パートの落差が特徴的な「As The Pages Burn」ももちろん最高でしたが、なんと言ってもクライマックスですよ。

 

ARCH ENEMY史上に残る超名曲「Enemy Within」からの「Burning Angel」という、名盤『Wages Of Sin』のオープニングの再現!これが超強烈でした。「Enemy Within」だけでも感無量だというのに。その無機質に叩きつけられる強靭なリフに、ヘッドバンギングを抑えきれない。中盤の泣きのギターも最高すぎる......!

 

ラストはもちろん一体感溢れる「Nemesis」。この曲を聴かずして彼らのライヴは終われません。

 

サビのフレーズの"One for all"に続く"All for one"のフレーズをオーディエンスに歌わせようという狙いなのか、その部分だけ完全にピタッと演奏が止まる瞬間がありましたが、いかんせんマスクをつけたままの遠慮がちな声量だったために、イマイチ劇的な感じにはならなかったのは残念でしたね...

 

その後「Fields Of Desolation」のアウトロをプレイしながらエンディング。この曲はラストのツインギターソロが最大のキモなので(生で聴いても絶品!)、そこだけでも聴くことができるのはありがたいですが、なんなら最初から最後までやってくれてもよかったよ。

 

 

アンコールは無しで90分ほどで終了。長過ぎず短過ぎずの演奏時間で(もう何曲か多くても良かったけどね)セットリストも最新作を主軸とした良曲ぞろい、MCをそこまで長めにとらず、ライヴの緊張感を保ったまま矢継ぎ早に曲を投下する運び方も相まって、非常に質の高い見事なライヴだったと思います。やはり彼らのライヴは音源に輪をかけて素晴らしい。何度観てもそう思います。

 

これからもまだまだツアーは続きますので、僕と同様に行くかどうか迷ってる方がいましたら、是非とも行くべきかと。「ARCH ENEMYならまたすぐにでも来れるんじゃない?」と思わずに。

 

海外のメタルバンドで、比較的地方の会場でも集客できそうで、さらに実際にツアーでそこまで足を伸ばしてくれるって、ARCH ENEMYHELLOWEENくらいしか現状いなさそうですから、そのありがたさを存分に味わっておきましょう。