ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

HATEBREED 『The Rise Of Brutality』

  • ヘヴィでマッシヴなニュースクールハードコアの王道
  • 荒れるライヴハウスが容易に想像できる
  • 聴き手を鼓舞するポジティヴなエナジー溢れる歌詞にも注目

 

前回渋谷のNERDS RECORD STOREで購入した、State Craftのアルバムについて書きました。その流れとしては、やはりニュースクールハードコアの重鎮とされるこのバンドについて取り上げるべきかなと。

 

泣く子も黙るハードコア番長、HATEBREEDが2004年にリリースした3rdフルアルバム。『The Rise Of Brutality』っていうタイトルからして最高。

 

音楽的には非常にシンプルで直情的なニュースクールハードコア。極悪なヘヴィリフが終始刻まれ、疾走してもテンポダウンしても、ひたすらゴリゴリなパワーサウンドが掻き鳴らされる。音を通して「モッシュしろ!」というメッセージが伝わってきます。

 

かなりヘヴィかつタイトなサウンドのため、パンクよりもむしろメタル扱いされても全くおかしくないと思うんですが、この緩みきった精神を真正面からブン殴ってくるかのような圧倒的パワーは、やはり整合性重視のメタルではなく、「ハードコア」と呼ぶのが正しいんだろうな。

 

ドラマチックさや、泣きの叙情性みたいなものはハナっから存在しておらず、とにかく押しの一手でヘヴィに突き進む。ヴォーカルの気合い入りまくりの咆哮に、ハードコアらしくメチャクチャテンションの上がるシンガロングパートが、ただでさえパワーのあるバンドサウンドの勢いを底上げしていますね。聴いてるだけで力がみなぎってきます。

 

オープニングのM1「Tear It Down」のイントロからさっそく大迫力。デーデン!デデデン!のリフからして強烈ですが、その後の疾走パートがまた、目の前のもの全てを薙ぎ倒してくようで圧巻。ハードコアな血潮沸るシンガロングが死ぬほど熱いM2「Straight To Your Face」も最高。これ聴いてアガらない人はいないんじゃないかと思うくらい。

 

M3「Facing What Consumes You」の獰猛な疾走感から、後半で聴ける緊迫感あふれるスローパートに繋がる瞬間は、目の前ででっかいサークルピットが生まれる光景が容易に想像できるし、M11「Choose Or Be Chosen」の爆速っぷりは、さらにモッシュの勢いが加速しそうな雰囲気プンプン。荒れ狂うハードコア野郎どもが、ライヴハウスをどんどん治安の悪い空間へと変えていく様が目に浮かぶ。いいぞ!もっとやれ!(?)

 

あと、音楽とは直接関係はないのですが、本作は歌詞も素晴らしいですね。とにかくポジティヴ。それも現実直視しない系の前向きさでは決してなく、クソな現実を受け入れたうえで、それでもなお、前を見続ける男の強さが如実に現れていて超カッコいいのだ。

 

その重荷も、争いの原因も全部

ぶっ壊しちまえ

檻も、クソみたいな悪も全部

ぶち壊してやれよ

お前自身のその歪みきった考えも全部

ぶっ壊しちまえ

押し付けられた価値や信念なんか

ぶち壊してやればいい

 

お前の疑念、それが俺の燃料さ

お前の憎しみ、それが俺を突き動かす

チャレンジが俺に火をつける

お前がいるからより激しく争えるんだ

 

受けた傷ってのはプライドを身にまとうためのものだ

毎日が生きてく上で大事な知識なんだ

生きてくだけで、学ぶことは多くある

敗北が俺を前進させる

間違った判断は時に正しい方向へと進むこともある

見通しが明るければパワーが漲ってくる

毎日が修正と修復の日々さ

 

今まで見てきた事、してきた事全てがあって今の俺がいる

歩き続ける望みもなくなった時も確かにあったさ

居場所が見つからず、生きて行く意志もなく

俺自身が否定してきた信念や

自分自身に頼るなんて思いもしなかった

 

でも今こそがその時だ

今日変われなかったら一生変われるはずはない

今こそがその時なんだ

自分自身をコントロールすれば、

自分の運命もこの手で決められる

 

なんっっっってカッコいいんだ!!!!

アツすぎる!!!!

 

GAUZEとはまた違うベクトルでケツを蹴り上げられる魂のリリック!これが強靭なヘヴィさを持つ破壊的サウンドと共に叫ばれるのだから、アツくならないわけがないでしょう!まあ俺は英語のリスニング弱いけど。

 

ロディックでドラマチックなメタルを好む僕としては、どう考えても好みドンズバの音ではないはずなのですが、ここまでタフでパワー溢れる曲にされると、もう好みがどうとかそんなのは関係なくなりますね。無条件で「あんたらカッケェよ!最強だよ!」と言わざるを得ない。

 

シンプルすぎてそう何度も何度も聴き返すようなアルバムではないけれど、ラウドミュージックを愛好する者なら心に響かないはずはない一作。ここで一発気合いを入れたいときに重宝させてもらってます。

 

 

個人的に本作は

"極めてヘヴィかつシンプルに、モッシュさせることを念頭においた強靭なハードコア。魂の叫びとシンガロングに無条件でアツくなれる"

という感じです。

 


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