ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

SERENITY 『Lionheart』 (2017)

SERENITY 『Lionheart』

ロディックメタルが好きならば、本作は絶対に聴き逃してはならない名盤!とまず最初にビシッと断言しちゃいます。

 

 

オーストリア出身のシンフォニックメタルバンド・SERENITYの最新作。これは文句なしの傑作なんじゃないでしょうか。アルバム全編に渡って勇壮で力強く、かつ美しいメロディーとシンフォアレンジが溢れかえっています。

 

 

前作『Codex Atlanticus』はレオナルド・ダ・ヴィンチをコンセプトの題材として作成していましたが、今回は生涯のほとんどを戦争にて過ごし、勇猛さから敵味方問わず畏怖の対象となり獅子心王(Richard the Lionheart)と称されたという、まるでゲームかマンガの中にいるキャラのような逸話を持つ、12世紀のイングランド王・リチャード1世。・・・これほどシンフォニックメタルの題材にふさわしい人物はいないでしょうね。

 

 

Wikipediaによると、幽閉されていた状態から解放されるや否や、「気を付けろ、悪魔は解き放たれた」なんて知らせが出ただとか、自身の死のきっかけとなった攻撃をした者に対し、正当な戦争行為によるものだから、たとえ自分が死んでもこの男には罪を負わすなと周りに命じて放免しただとか、地位が上であるはずのフランスの王より、軍事的な手腕と勇猛さでヨーロッパ人から上に見られていただとか、嘘か誠かわからんもののカッコいい逸話がたくさんあるようです。カッケェなぁ~~憧れるなぁ~~~こういう人。

 

 

音楽に話を戻しますが、今作はそんな勇猛果敢な人物をテーマにしたことが功を奏したのか、美しく力強い、まさに中世ヨーロッパの合戦が目に浮かぶかのような劇的極まりない仕上がりに。

 

 

映画のサントラにでもありそうなM1「Deus Lo Vult」からつながる、ウォーウォー言うコーラスパートがたまらなくドラマチックなM2「Unitedからして素晴らしいのですが、その後も今作屈指のヘヴィさが強調されたM3「Hero」、ライヴで合唱せよ!と言わんばかりのサビが特徴的なM4「Rising High」とM9「Stand And Fight」、気高き勇壮さと美しさがまさにベストな形で融合し、大仰なシンフォニックアレンジもバッチリ決まったM8「Eternal Victory」などなど名曲・佳曲目白押し。

 

 

女性ヴォーカルが良いアクセントとなっているM6「Heaven」やM13「The Final Crusade」といった聴かせるタイプの楽曲も、中世を舞台とした映画のエンドロールで流れてもおかしくほど出来が良いのもポイント高し(後者はデス声パートあるけど/笑)。バラードは前作収録の「The Perfect Woman」がメッチャクチャに好きで、個人的にはさすがにあそこまで気に入るまではいきませんでしたが、ああいったポップで甘口なタイプの楽曲は本作のテーマに合わないでしょうから、今回は聴けなくても問題は無し。

 

 

すべての楽曲においてスキのない名盤ですが、本作を語るうえで欠かせないのが何と言ってもタイトルトラックのM3「Lionheart」でしょう!初っ端の劇的極まりないギターワークとシンフォサウンドで疾走するイントロでもう鳥肌。Aメロで厳かに進行した後、悶絶級のドラマチックなサビに突入したら、もう曲世界から出られない!!oioiパートで士気が高まり、ラストのサビの2連発による失禁レベルのドラマに酔い、静かなアウトロで余韻を味わいながら終了・・・ああ・・・最高だ・・・!!

間違いなく個人的年間ベストチューンの上位に食い込む大名曲。

 

 

いや~~ガツンときましたねコレは!先に述べた通りメロディックヘヴィメタルが好きな方であればスルー厳禁です。本作を超えるシンフォニックメタルは今後なかなか出てこなのでは・・・。そんな風に思わせてくれる新たな名盤の登場。

 

 

M1 「United」 MV

もうイントロから名曲の予感しかしない。

 

 

M2 「Lionheart」 MV (名曲!)

まだアルバム聴いてない人!この曲だけでも聴いとくれ!!