ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

DESTINIA 『METAL SOULS』

Nozomu Wakais DESTINIA 『METAL SOULS』

新世代のメタルギタリストとして頭角を現しつつある、若井望さんが率いるプロジェクト・Nozomu Wakai’s DESTINIAのニューアルバム…なのですが、本作のアーティスト表記には「Nozomu Wakai’s」が消えています。

 

今までの彼のアルバムにおいては、ゲストミュージシャンを多数迎え、ヴォーカルも曲によって異なるという、いかにも"ソロプロジェクト"といった趣がありましたが、本作はメンバーが固定されて"バンド"らしさを強く感じます。「若井望だけのプロジェクトではない、DESTINIAというひとつのバンドである」という意識が反映されたのかもしれません。

 

ヴォーカルには現メタルシーンにおいて最も注目を集めているといっても過言ではないロニー・ロメロ、ベースに今月来日予定のTHE DEAD DAISIESに参加しているマルコ・メンドーサ、ドラムに現WHITESNAKE、かつてはOzzy Osbourne等数々の大物バンドにおいて屋台骨を支えたトミー・アルドリッジを迎えるかなりの強力布陣になっています。なんでもライナーノーツによれば、若井さんが自ら「数曲だけでいいから参加してほしい」とメンバーにダメ元で持ち掛けたところ、皆若井さんの楽曲に惹かれていきどんどんプレイしてくれる曲が増え、最終的には3人とも全曲参加してもらえるようになったんだとか。何事もやってみるものですね。

 

僕はメンバーが入れ替わり立ち替わりなプロジェクトよりかは、一枚岩になったバンドの方が好きなので、これまでの作品は気にはなりつつもノーチェック。本作も購入予定はありませんでした。

 

しかしある時、タワーレコード某店にてJ-POPコーナーのど真ん中にポツンと本作の試聴機が置いてあるのを発見し(当然ながらかなりの浮きっぷり…/笑)、どんなモンなんだろうと何気なく再生ボタンをポチッと。

 

そのまま数分間聴いた後、即行で本作をレジに持っていきました。それほど本作のオープニングナンバーであるM1「Metal Souls」のインパクトは大きかった。

 

ロニーの強力な歌唱がのっけから飛び出し、キャッチーな正統派リフでアップテンポに展開する序盤から一気に引き込まれ、流麗なギターソロ、歌唱・メロディー共に大きなスケールを感じさせるサビは、まさにMetal Souls = メタル魂を熱く鼓舞する!これぞ様式美HR/HMの名曲!

何?"俺たちのメタル魂を見せる いまがその時"なんて歌詞恥ずかしすぎるだぁ?うるせえ!この恥ずかしさ、ダサさが俺たちメタルヘッズには最高の快感に変わるのさ!!(笑)

 

ロニーの強力無比なヴォーカルワーク、ベテラン2人による安定感抜群のリズム、テクニカルかつメロディックなギターソロと正統的なリフ、そして絶妙にフックを設けたキャッチーな歌メロを生み出す若井さんの才覚が融合、その結果非常に平均点の高い、スキのない様式美メタルアルバムに仕上がりました。捨て曲らしい曲は全くなく、どの曲にも印象的なメロディーが息づいている。この安定感はかなりのものですよ。

 

全編通して一本芯の通った出来ながら、パワフルさを強調したアップテンポのM3「The End of Love」、M7「Be a Hero」、M10「JUDGEMENT DAY」、様式美の香りを損なわない範囲でポップさを強く押し出したM8「Metamorphosis」、切なく胸を打つ温かみのある歌メロが心地よいバラードM5「Take Me Home」など適度に起伏を設けている点もポイント。

 

あえて難癖をつけるとしたら、初っ端のタイトル曲が非常に熱くカッコいい超キラーであるためか、それ以降においてその興奮をさらに高めてくれる曲は無い点でしょうか。とはいえそれは"捨て曲無し、安心安定の良曲・佳曲揃いのアルバムで、かつ頭一つ抜きんでたキラーチューンもある"ということなので悪いことではないんですけどね。M1並みのキラーチューンがもう一曲アルバムの中盤以降に配置されていれば、さらにアルバム全体の印象も上がったと思います。

 

歌・演奏・曲の良さ、どれをとっても高品質な純度100%のHR/HMアルバムです。これだけの楽曲群が作れたのであれば、世界へ向けて動き出したくなるのも必然でしょう。良い意味でJ-METALっぽさがあまりない音ですし(4人中3人外国人だから当然かもしれないけど)、世界数多のメタルヘッズに若井望の名が轟くことを願います。

 

M1「Metal Souls」 MV(名曲!)

とにかくまずはこの曲を聴きましょう。話はそれから。

 

M5「Take Me Home」 MV