ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Primal Fear 『Code Red』

  • 剛直な正統派メタルド真ん中!
  • 突出した曲は無いものの、押し並べてハイクオリティー
  • スピードに頼らずとも溢れ出るパワーが魅力

 

前回がZ世代感満載のバンドを取り上げて、その次がゴリゴリにド硬派な正統派メタルとは、かなり振り幅がデカくなってしまったな。まあこのブログは雑食ということで。

 

もはや正統派ヘヴィメタルというフィールドにおいて、このバンド以上の存在はいないかもしれない。そんな思いを抱かせるまでになった、ドイツ出身超実力派ヘヴィメタルバンド・Primal Fearの最新作。

 

このバンドについては、「名盤・良盤が多い」を通り越して「名盤・良盤しかない」と言っていいので、最新作の出来についても何ら心配はしていませんでした。そして実際に聴いてみて、その良い意味で何も変わらない内容に心の底から高揚できます。「これこそがヘヴィメタルだよ!」と。

 

本作もまた捨て曲なしの粒揃い。正直なところ「最上級のヘヴィメタルです」の一言でこの文章を終わらせてしまっていいくらい(笑)

 

どっしりとした馬力に、メタルでしかありえない重厚なリフを武器に、ミドル〜アップテンポに展開する正統派を主軸とした正統派ド真ん中。時にアグレッシヴに疾走し、時にメロディアスにたたみかけ、時に壮大でスローに泣き...。ヘヴィメタルというジャンルからブレない範囲で曲調に幅も持たせている。

 

正統派メタルの理想郷とも言えるM1「Another Hero」で幕を開け、シンガロング必至の熱きコーラスがメタル魂をたぎらせるM2「Bring That Noise」と続いた段階で、ヘヴィメタルファンならノックアウトでしょう。

 

疾走感に重きを置いている楽曲はぜいぜいM4「Cancel Culture」くらいのものですが、疾走に頼らない剛直なメタルらしさに溢れているので、勢いが物足りないという風に感じることがないのが嬉しいですね。ミドルチューンでここまでゴリゴリっとしたパワフルさをアピールできるのは、このバンドの優れた作曲センスがあればこそ。

 

正統派の攻撃力はそのままに、さらに歌メロの伸びやかさが増したM5「Play A Song」、これまた堂々たるサビの歌唱が猛々しさを演出するM8「Steelmelter」、重戦車のごとき力強いメタルリフで押しまくるM9「Raged By Pain」と、中盤から後半にかけても、楽曲のクオリティーもテンションも落ちないところが素晴らしいですね。

 

ただ、アルバムのクライマックスにてM10「Forever」という壮大なバラードを入れながら、その後に彼らの楽曲としてはやや地味めな(決してつまらん捨て曲にはならないのですが)M11「Fearless」が来ていて、その展開には若干の蛇足感を感じてしまったのは事実。バラードで綺麗に締めても良かったかもね。

 

あとこれは贅沢な文句であることはわかっているのですが、どの曲も押し並べてハイクオリティーながら、過去作にあった「Inseminoid」や「In Metal We Trust」、「New Rise」に「I Am Alive」といった、アルバム中特に秀でたキラーチューンが無いように思われ、それが少々インパクト不足に響いてしまっているような気も。

 

まあ不満点を挙げるとしたらせいぜいその程度。本作もまた、ヘヴィメタル愛する人なら決して聴き逃してはならない、正統派メタルの魅力・矜持が濃縮された強力作であることは間違いない。メタルヘッズならこれを聴け。

 

 

個人的に本作は

"過去作と何ら変わりない、熱き正統派メタルの究極系を提示。若干の幅は設けつつ、ヘヴィメタルとしての軸は何もブレていない"

という感じです。

 


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