まず以下のフローチャートを見てください。
結果はどうでしたか?もちろんAになりましたよね?
もしCになった場合は今すぐPrimal Fearのニューアルバム『Metal Commando』を購入することをオススメします。
え?BかDになったらどうするかって?
そんなヤツに用はねえ!
帰ーれ帰ーれ!(#゚д゚)
ドイツ出身の正統派ヘヴィメタルバンド・Primal Fearの13枚目のフルアルバム。
過去作はどれもこれも素晴らしい、まさに正統派メタルの鑑と呼ぶべき名盤ばかり。直近数作なんて、ヘヴィメタルを愛する者なら、絶対に聴き逃してはならないレベルです。ホントに。
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そんな彼らのこと、新作が出たのであればメタルヘッズなら買わないわけにはいきません。絶対に彼らは期待を外さない。最高のヘヴィメタルを届けてくれると信じていました。
そしてその高すぎる期待・信頼に120%完璧に応えてくれるのだから、このバンドは本当にすごい。並のバンドでは1枚作るだけでも相当大変であろう傑作を、こうもあっさりと出してくれるのですから。
どこを切ってもメタル。どこからどう聴いても紛うことなき最高級クオリティーの正統派ヘヴィメタル。ラルフ・シーパースによる鋼鉄感満載のスクリームに、正統派としか言えない切れ味鋭い硬質なリフ、男の魂を熱く盛り上げ、鼓舞してくれるメロディーと曲展開......最高。
まずオープニングのM1「I Am Alive」が、まさに正統派メタルというジャンルを象徴するかのような超キラーチューン。堂々たるサビのメロディーラインを見事に歌い上げるラルフのヴォーカルが最高にカッコよく、サビ終わりのハイトーンで僕のメタル・ハートは完全に射抜かれてしまいました。このスケール感は感動的ですらあります。
ド派手なエクストリーム要素や疾走感を用いずとも、最高のヘヴィメタルは作れるんだということを真正面から証明しきっているようで本当に頼もしい。
初っ端から感動させてくれるわけですが、その後もM3「Halo」、M6「My Name Is Fear」、M9「Howl Of The Banshee」といったキャッチーさと突進力を完璧に両立したパワーメタルチューン、M2「Along Came The Devil」、M4「Hear Me Calling」、M5「The Lost & The Forgotten」のようなずっしりと重いミドル曲、M7「I Will Be Gone」という悲壮感と美しさを表現したバラードと、名曲・佳曲のオンパレードで、アルバム通してリスナーの心を離してしまう瞬間は皆無。楽曲の平均点の高さは異常としか言えん。
そしてラストを飾るM11「Infinity」は13分にも及ぶ大作。儚く美しいクリーントーンの旋律に、剛直なパワーメタルのパートを挟んでからの劇的なサビ、シンフォニックメタルバンド顔負けのドラマチックなメロディーを奏でるギターソロを織り交ぜ、極上の哀愁を放つクリーンパートへ。そして最後にダメ押しでサビに突入する凄まじい曲。
彼らはバカ正直なパワーメタルだけでなく、ドラマチックな大作も作れるバンドだというのは過去作から知っていましたが、13枚もアルバム重ねた上で、まだこれほどの楽曲を生み出せるとは...。ただ後半3分のパートは無くても良かったかもですが(それかアルバムのアウトロとしてトラック分けするか)
また本作はボーナスディスクとして4曲入り(うち最初の一曲はイントロ)のCDが付属した2枚組なのですが、そちらの方も本編に入っていておかしくない完成度。なにせM4「Crucify Me」は本編の楽曲を含めた上で、本作中最速の獰猛な疾走キラーなのですから。
流行りのエクストリーム要素やモダンヘヴィなサウンドを一切取り入れず、完全に保守本流のヘヴィメタルを貫いているにも関わらず、古臭さや焼き直しっぽさとは無縁。そのうえで、いまいち聴きどころの無い捨て曲が存在せず、抜きん出たキラーチューンすら生み出せる。これほどまで完成度の高いピュアメタルを生み出せるバンドが、はたして2020年においていくつあるのでしょう?
マジで彼らは、70〜80年代で作られたヘヴィメタルという音楽の素晴らしさを今に伝える、現代のメタルゴッドなのではないでしょうか。なんにせよ、20年代のヘヴィメタルのマスターピースを作り上げたことは紛れもない事実。
個人的に本作は
"アグレッシヴな曲からスローバラードまで一切の妥協無し!正統派ヘヴィメタル界の頂点に君臨するべき名盤"
という感じです。
PRIMAL FEAR - I Am Alive (OFFICIAL MUSIC VIDEO)