ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Primal Fear 『Delivering The Black』

  • ヘヴィさとパワーを強調した剛直正統派メタル
  • メロパワらしいスピードは控えめだが、熱さと勢いは陰らない
  • 劇的疾走キラーチューンあり!メタルヘッズなら聴け!

 

ここ最近の当ブログはというと、ロコダスト6にSTRUNG OUT、SUM 41と、パンクバンドに関する感想記事が続いていました。

 

この流れだとブログの鉄分が不足しちまうな、と感じましてですね。鋼鉄成分120%のメタルメタルしたアルバムについて取り上げて、貧血のリスクをちょっとでも減らさんとなと思い、このCD感想記事を書いているのです。

 

ドイツのド硬派激アツ正統派ヘヴィメタル集団・Primal Fearが、2014年に発表した記念すべき10枚目のフルアルバム。

 

2014年というのは、僕がパンク・メロコア系統の音楽から、ヘヴィメタルへの興味がどんどん強くなっていた時期で、初めてLOUD PARKに行った年でもあり、思い入れが深いんですよ。そんな時期に聴いたサウンドなので、やはりその時聴いた瑞々しい感動が、今聴き返しても蘇ってくるのです。

 

過去作から一貫して正統派メタルという軸からブレず、力作を生み出し続けてきた彼らのこと、本作も当然のようにメタル以外の何物でもない鋼鉄音を響かせている......どころか、その説得力はさらに一段階増しているような印象を受ける超強力作です。

 

メロパワ然とした疾走感はやや控えめとなり、どっしりと重心の低い、硬質で高密度なギターリフがズンズン主導していく、ヘヴィさ重視の重厚正統派路線。ジャケット通りこれまで以上に"重み"が増している。

 

僕は基本的に速くてテンションの高い曲が好きなのですが、本作に収録されているドラマチックな歌メロ、メタル魂を熱くさせるリフの応酬、最大の武器であるラルフ・シーパースの鋼鉄ヴォイスにより、メロパワ的カラーの不足をまったくもって不満と思わせない。各楽曲の正統派メタルとしての完成度はハンパではない。

 

決してモダンヘヴィだったり、エクストリームだったりはしない。あくまで正統派メタルとしてのスタイルなのですが、エクストリームメタルにすらパワー負けしていないと思わせるこの馬力!スピードを押し出さずとも、勢いが落ち着いてしまった印象を抱かせないのが素晴らしいです。

 

ド頭のM1「King For A Day」、M2「Rebel Faction」という、ゴリゴリとしたアップテンポの強烈な正統派メタルで完璧なツカみ。その後もエキゾチックなスローナンバーM3「When Death Comes Knocking」、これぞ正統派ヘヴィメタルの見本と言うべきM5「Delivering The Black」、リードギターから勇ましいムードとマッシヴな強さをプンプン放つM8「Never Pray For Justice」、美しいアコギとシンフォサウンドと共に、悲壮美に彩られたメロディーを歌い上げるバラードM9「Born With A Broken Heart」と、研ぎ澄まされた正統派メタルとしての魅力あふれる楽曲ばかり。メタル魂が滾るぜ。

 

国内盤ボーナストラックは4曲もあり、これらを含めると70分近い再生時間となるのは、少々聴き疲れを誘発してしまうかな。そのボートラも、2曲は収録曲の別バージョンという、あまりお得感が無いのも少々マイナス。

 

ただそんな気になる要素を補って余りある、ヘヴィメタル中のヘヴィメタルの美学が本作にあります。メタルヘッズならこいつを聴いて、首を振って熱くなりましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………と、ここで感想文を終わらせる訳にはいかないのですよ。本作を語る上で、絶対に避けては通れない曲がありますから。

 

それがM11「Inseminoid」の存在。この曲がもう最ッッッ高なんだなコレが!!

この曲がクライマックスに配置されてるおかげで、ただでさえ強力な本作の出来が、さらに輝きを増す!

 

最初の2〜3秒を聴いただけで名曲だとわかる殺傷能力を秘めたツインリード!

ツーバス連打による痛快な疾走!!

熱くも非常にキャッチーなサビ!!!

ラルフ渾身の超鋼鉄ハイトーンシャウト!!!!

そしてラスサビへと至る劇的なギターソロォォォォ!!!!!

カッコいいよぉぉぉぉぉ〜〜〜〜!!!!!!

 

 

ハァハァ…(←?) すいません、取り乱しました。

疾走するパワーメタルの真髄が全て詰め込まれていると言っても過言ではない、超キラーチューンなので、昂る気持ちが抑えきれないんですよ。メタルヘッズならわかってくれるでしょ。

 

トドメの一撃と言わんばかりに、こんな超ド級疾走キラーが鎮座した本作、カッコいい正統派が聴きたいなら聴き逃しちゃダメ。

 

 

個人的に本作は

"メロディーとスピード感はやや抑えつつも、正統派メタルとしての熱さ・勢い・パワーはまったく落ちない強力作。クライマックスの超キラーチューンはメタルヘッズ必聴"

という感じです。

 


www.youtube.com

本作の楽曲の公式MVが見つからなかったので、非公式のヤツになりますが。

アツくなりたきゃこいつを喰らえ!