ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

2/24 locofrank / Stories TOUR 2018-2019 at 恵比寿LIQUIDROOM

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2月の3週連続ライヴもいよいよラスト。大阪出身の3ピースメロディックハードコアバンド・locofrankの、最新作『Stories』を引っさげたツアーのファイナル公演です。

 

locofrankのライヴは彼らメインの公演こそ5年前の「Signs Tour FINAL」振りですが、フェスではちょいちょい観る機会があり、それこそ去年のCOUNTDOWN JAPANで観たばかり。当初は是が非でも観たいというモチベーションはありませんでした。

 

そんな僕が今回足を運ぶキッカケになったのは、本日の対バン相手(?)である相撲茶屋の存在です。

 

相撲茶屋というのはlocofrankが1998年に結成した当初のバンド名で、2003年に現在の名前に改名しました(ちなみに相撲茶屋というのは、かつてメンバーが高校時代に修学旅行で札幌へ行ったときに見つけたちゃんこ屋の名前だとか。学生時代は札幌住まいだった僕は、それらしき看板を見たことがあります)

 

相撲茶屋時代にすでに「START」「HAPPY」をオムニバスCDで発表していたというのは知ってましたが、それ以外の曲は一切知らず、どんなライヴになるのか気になってしまったのです。まあ「locofrankが昔の曲を演る」以上のものにはならないだろうという予想はしていましたけど(そしてその予想はほぼ正しかった)

 

同じ大阪のメロコアバンドであるGOOD4NOTHINGも、もともとは電気風呂という名前でしたが、かつての大阪のパンクシーンでは「漢字→英数字」の改名が流行ってたのかしらね(んなわけない)

 

洗濯などを一通り済ませて、会場である恵比寿LIQUIDROOMへ直行。時間的な余裕はあまりなかったので、本日は渋谷辺りの街ブラは無し。

 

しかしかつては新木場STUDIO COASTでツアーファイナルをやっていたバンドが、今では(ソールドアウトしているとはいえ)キャパ1000人前後のハコだとは...。しかも17年ぶりに過去の名義でライヴをやるという話題性があるのにも関わらず...。ここ10年くらいでメロコア人気はだいぶ下火になってしまったことを実感させられますね。

 

彼らのかつてのレーベルメイトも、3styleは解散したし、YELLOW MONSTERSは何やってるかわからんし、FOUR GET ME A NOTSは現役っぽいけど、正直ここ数年全然パッとしないし......悲しくなるからやめた。

 

 

相撲茶屋

 

実質的には本日のメインバンドであるため、前座扱いながら会場の期待は充分。相撲太鼓のSEに合わせてメンバーが登場。

 

旧名義で昔の曲を演奏するという点では、LUNATIC FEST.のLUNACYに通じますが、LUNACYがかつてのド派手なルックスを再現していたのに対し、彼らの場合はギターの勇介さんがハットを、ドラムのTatsuyaさんが黄色いキャップを被っている以外は今と変わらず見た目はまんまlocofrank(笑)

 

まあメロコアバンドは特にメイクをするでもないし、普段着のままステージに立っているみたいなものですから、ルックスに違いを出すことは難しい(というかできない)のでしょうね。

 

一発目は現在においても変わらずアンセムとして輝き続ける「START」!......なのですが、どうにもテンポが遅い。

 

恐らく意図的に過去の音源通りの演奏を再現しているためなのでしょうが、ライヴでは勢いづいて当たり前のためか、モッシュしながら聴くにはどうも違和感がある。

 

相撲茶屋時代はTatsuyaさんがMCを担当していたらしく、「俺たち相撲茶屋、ライヴをするのは17年ぶりくらいです!」「今日はlocofrankを喰いに来たから!」と呼びかけオーディエンスを鼓舞する。

 

ただ最初の「START」とラストの「HAPPY」以外の楽曲はどれも聴き覚えのない曲ばかりで、一部には知っていると思しき方もいましたが(「俺らの曲知ってんの?」という問いに手を上げていた人がチラホラ)、僕含めて何とな~くノっている感じで、フロアの狂乱はさほどでもありませんでしたね。

 

「この曲は"Jump! Jump! Yeah!"しか言ってへんから簡単やろ!?」とほぼ初聴きばかりのオーディエンスに対し、わかりやすくシンガロングを指南して盛り上げる手腕はさすがで、とても17年間ライヴ活動をしていなかったバンドとは思えませんでした(笑)

 

 

locofrank

 

相撲茶屋のライヴは30分弱で終了し、7時ちょうどくらいにいよいよlocofrankの登場。おなじみのSEが静かにフェードアウトしていき、「THE LIGHT」のアルペジオからスタート。

 

相撲茶屋時代も知っているくらいのガチなファンがいる空間であるためか、当然ながらモッシュの激しさは熾烈を極める。僕はかなり前方付近で待機していたため、「Mountain range」「share」の2連発が入った段階で、ダイバーの数もハンパないことに。

 

ツアーファイナルということもあって最近の楽曲もライヴに馴染んでいるのか、モッシュにまみれていながらでもわかるほどバンドの演奏、木下さんのヴォーカルは終始安定しており、この辺はさすが実力派と言ったところ。音源と何ら遜色ないパフォーマンスを披露しており、新しい楽曲での盛り上がりもかなりのもの。

 

パワーとタイトさを完璧に両立したTatsuyaさんのドラミング、猛烈なヘッドバンギングをはじめ、アグレッシヴに動き回りながらパワフルなリフを刻む勇介さんのギター、頻繁にセンターに立ちオーディエンスを煽りまくりながらも、狂いを見せない歌唱を披露する木下さんのヴォーカル。これぞlocofrankメロコアの神髄ですね!そこいらのポップパンク勢にはないこのパワーと男らしさと硬派さ!

 

また今回はセットリストがメチャクチャ美味しいことになっており、新作の楽曲を中心としつつ、「COCONUTS FINE」「PLAY IT!!」といった初期ファンよだれモノものの曲、彼らの王道を行く哀愁疾走メロコア、アグレッションを強調したハードコアナンバー、ライヴ定番からややレア目の曲まで非常に幅広く取りそろえられていました。

 

特に「久しぶりの曲です」というMCから始まった「HOPE」はかなり嬉しいチョイス。学生時代歌詞カードを手に、音源やDVDの演奏に合わせて何度も歌った、個人的に思い入れの深い曲だけに、思わず全パート口ずさみながら(舌を噛まないように気を付けながら)モッシュしてしまいました。

 

その後立て続けに「Ivory chair」「Pack of Mutts」というメロディアスながら、ハードコアテイストも交えた強烈な疾走曲が飛び出し、僕の興奮はここで沸点を迎えました。こんなの我を忘れてモッシュする他ないでしょうが!

 

ただここまで長時間モッシュしっぱなしのライヴは何気に久々で、次々と降ってくるダイバーの処理にも追われたこともあって、体力がゴリゴリと削られていく...。学生時代はモッシュのないライヴなんてライヴじゃないと思い、途中でヘバることなくず~っと平気で暴れていたというのに、今の自分の体力の無さときたら...。スラムダンクの三井の「中学の時の財産だけでやってるようなものだからな...」というセリフが頭によぎる。

 

こういうときはミドルチューンやバラード、そしてMCの時間が休憩時間として重宝しますが、MCではもうひたすらにオーディエンスから愛のあるヤジがバンバン飛び出す。

 

「休むな!」

「早くやれ!」

「細目!」

「髪薄くなった!?」

「相撲茶屋の方がMCうまかった!」

 

...などなど(笑) それにいちいち応えてあげる木下さんの懐の深さよ。

 

20年間やってこれたことに対する周囲の人々への感謝、ライヴハウスへ足を運んでくれる人たちへこれからも変わらずにいて欲しいという願いを何度も口にするMCを挟み、最後の「START」ではここぞとばかりに猛烈なモッシュピットとクラウドサーフが発生。ダイバーの処理の忙しさにステージをまともに見られる時間が少なかったのですが、メロコアのライヴはこれで良いんです。

 

ファイナルということもあり本編終了後はダブルアンコール。「Birth」「survive」という鉄板の流れも最高でしたが、より印象的だったのは「Intertwining」。ダンサー二人(IN-Pishというダンスデュオらしい)をステージに上げて皆でロコダンス......する流れなのですが、やはり自由なノリを愛するキッズ故か、完璧に振り付けを覚えておらず、何となくの手の動きでごまかす人が結構チラホラ(笑) かくいう僕もそのタイプですが。

 

相撲茶屋含めて3時間弱、locofrank尽くしの一日になりましたが、彼らの曲を聴き狂っていた時代を思い出しつつ思う存分暴れまくったため、爽快感&疲労がハンパじゃない。ぶっちゃけ今も体の節々が痛いのですが(笑)、たまにはこうやって何も考えずにキッズに戻るのもよい体験ですね。こんな楽しみ方、身体が健康なうちしかできないからなあ。