ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

BULLET FOR MY VALENTINE 『The Poison』

f:id:Show_hitorigoto:20210131195410j:plain

  • キャッチーなエモ&アグレッシヴなメタルコア
  • 野蛮なシャウトで押しまくるエクストリームさが目立つ
  • ソリッドなリフとメランコリックな旋律

 

以前9mm Parabellum Bulletの旧譜感想を立て続けに書きましたが、Bullet繋がりでこのバンドのアルバムにも触れてみようと思います。バレンタインデーも近いことですし、タイミング的にはちょうどいいでしょう(?)

 

2004年に発表したミニアルバムが、本国イギリスの音楽誌で絶賛の嵐を巻き起こし、2000年代のメタルシーンのトップランナーとなったBULLET FOR MY VALENTINEの、記念すべき1stフルアルバム。

 

エモ・スクリーモのバンドにも通じるクリーンのヴォーカルワークに、あまりヘヴィさを際立たせないタイプのメタリックなリフ、切ないメロディアスさを存分に放つツインギターという彼らの特徴は、1stの時点ですでにほぼほぼ完成されています。

 

以前よりEPは出していたようですが、フルアルバムは本作が初ということで気合が入ったのか、他のアルバムに比べると粗野なスクリームの割合が多め。2nd、3rdとどんどん正統的なメロディックメタルの要素も強くなっていく彼らだけに、本作が一番メタルコアらしいアルバムと言えるかもしれません。

 

まあメタルコアにしてはヘヴィさが足りず、エモっぽいクリーンヴォーカルの存在もあって、かなりスクリーモやポストハードコアとしての側面も強いので、小うるさい人からは「こんなんメタルじゃねえ」とか言われるんでしょうねきっと(笑)

 

個人的にも、よりメロディックで整合性のある2ndと3rdの方が好きではありますが、本作のアグレッシヴさ重視の勢いの良さ、若々しいやったれ感は、是が非でも肯定したいところ。やや軽めとはいえ、メランコリックなツインギターの旋律と刺々しいリフは紛れもなくヘヴィメタルのそれ。

 

非常に物哀しいドラマチックなイントロから、間髪入れずに獰猛なスクリームで幕を開けるM2「Her Voice Resides」は、本作の方向性を高らかに宣言する名曲。M3「4 Words (To Choke Upon)」、M5「Suffocating Under Words Of Sorrow (What Can I Do)」、M8「Hand Of Blood」なども同様に、彼らの荒々しい躍動感と小気味良いギター、叙情性のあるメロディーが味わえる楽曲。

 

M4「Tears Don't Fall」は彼らの楽曲の中でも非常に高い人気を誇る曲で、ライヴでも定番になっていますが、個人的な感覚からすると突出した曲という感じではないかな。もちろん"Let's go!"のシャウトからの爆走ギターソロは鳥肌モノのカッコよさであることは間違いなし!

 

本作の時点ではまだまだ楽曲の幅は広くなく、獰猛なシャウトとメロウなギター、エモ的なキャッチーさを聴かせる歌で押しまくるスタンスで統一されていますが(バラードもあるけど)、だからこそ焦点が絞れており、かつ楽曲のクオリティーはどれも高く安定しています。

 

彼らのフルアルバムの中で最も血の気の多い作品だけに、アグレッシヴさ重視のエクストリームキッズからは、本作が一番好まれるかも。

 

 

個人的に本作は

"エクストリームメタルの骨格に、エモ・スクリーモの曲調をうまく織り交ぜた、若々しさと初期衝動に溢れた一枚"

という感じです。

 


Bullet For My Valentine - Tears Don't Fall (Album Edit - with Scream / with Lighter)

 


Bullet For My Valentine - Hand Of Blood (Official Music Video)