ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

KILL THE LIGHTS 『Death Melodies』

  • ジャケット同様音楽性はシンプル
  • クリーンヴォーカル多めながらアグレッションは充分
  • 最後まで勢いを殺さない楽曲の充実度

 

黒地にバンドロゴとアルバムタイトルという、実にシンプルなジャケットですなあ。元BULLET FOR MY VALENTINEのリズム隊を雄する、英米混在メタルコアバンドの2ndフルアルバム。

 

前作『The Sinner』は「元BFMVのメンバーがいる」という文句から期待される音楽性を、ほぼそのまま提示してくれたかのような、王道を行くメロディアスなメタルコアとなっていました。

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

本作においても特に路線変更は見せず。エモ的なキャッチーさを持つクリーンヴォーカルをサビに置き、メタリックなリフとスクリームでガシガシ攻撃的に進み行くメタルコア。ジャケットと同じく音楽性も、気を衒うことのないシンプルかつストレート。

 

メチャクチャにエクストリームに寄っていたり、プログレッシヴなノリづらさがあったり、メタルコアと言っても色々と幅があるし、多種多様なバンドが登場しているシーンの中で、こういった直球メタルコアは今時なかなか珍しい存在なのかもしれません。

 

充分にヘヴィでメタリックなんだけど、あまりにモダンすぎたりヘヴィすぎたりしない、伝統的なメタルの素養を感じさせるリフの充実度、エモ的なキャッチーさ、そしてメンバーの遍歴から、どうしてもBULLET FOR MY VALENTINEを想起してしまうのですが(M1「Hear You Scream」のサビ前で"ジャキッ"ていう銃のリロード音が聞けるところとかも)、全体通してキャッチーで綺麗にまとまっている様は、「今のBFMVよりこっちの方が好き」という人がいても、なんらおかしくない完成度。

 

案外クリーンヴォーカルによって歌われる比重が高いんですが、あまり軟弱な印象は感じさせないのは、やはりザクザクとしたリフが主張しているからでしょうか。派手なブレイクダウンとかはほとんどないけど、メタルとして単純にアグレッシヴでカッコいい演奏が嬉しい。

 

非常にメロディアスな歌をギター主軸としたわかりやすいM3「Broken Bones」に始まり、のっけからメロウなリードと速弾きをブチ込みつつ、シャウトの応酬でたたみかけるM5「Scapegoat」、後半にかけてテンションを落とさないM7「Wasting Away」〜M8「Man Without A Face」〜M9「Ghost Of Yesterday」の3連発など、適度にキャッチーで勢いのある楽曲が大半を占め、一気に気持ちよく聴き通せる。

 

ごくごくシンプルなジャケット同様に、中身も無駄な要素を削ぎ落としたシンプルなメタルコアとして仕上がっています。これが取り立ててセンスのないバンドだったら、何の面白みもないアルバムになってしまったでしょうが、やはりそこは充分なキャリアを持ったメンバーが集ったバンド。演奏もヴォーカルもメロディー面も、極めて安定した質の高さを持っているため、オーソドックスなメタルコアとして楽しめました。

 

次に期待することとしては、やはりBFMVの1st〜3rdに匹敵するような、バンドを代表する名盤を作ることかな?

 

 

個人的に本作は

"前作と同一の方向性を崩さない、エモ的なキャッチーさを見せるメロディックメタルコア。オーソドックスだからこその、シンプルでわかりやすい魅力に満ちている"

という感じです。

 


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