ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

THE CROWN 『Royal Destroyer』

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  • 相も変わらず爆走デス&ロール!
  • ブラックメタル並みな突進力とほのかな北欧情緒
  • 問答無用でノセられるリフの潮流

 

一時期活動を停止していたり、主要メンバーが脱退していた時期もあったようですが、90年代から今なおアグレッシヴなサウンドで活動を続ける、スウェーデン出身の極悪爆走集団THE CROWNの、前作『Cobra Speed Venom』以来3年振りとなる最新作。

 

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歴史的名盤『Deathrace King』を生み出した功績はもちろんのことながら、これだけ長い活動期間を経ても、なお殺傷能力バツグンのデスラッシュを繰り出し、そこにアグレッションを邪魔しない程度のメロディアスさや、ロックンロール由来のノリの良さをブレンドした「デス&ロール」のスタイルを崩さない、この潔い姿勢も素晴らしいものがあります。

 

本作においてももちろんサウンドイメージが損なわれることはない。それどころか斧を掲げるドクロの騎士がジャケットに描かれ、アルバムタイトルは『Royal Destroyer』!さらに曲名も「Motordeath」だの「Full Metal Justice」だの、良い意味でバカっぽいタイトル!ベテランらしい落ち着きなんぞガン無視のスタンスが頼もしい限りです。

 

ハードコアパンクもかくや、というほどの爆速ショートナンバーM1「Baptized In Violence」で、期待通りの獰猛っぷりを短い中で見せつけてくれたあとは、M5「Glorious Hades」やM9「We Drift On」といったスロー曲でクールダウンさせる瞬間がありつつも(こういう曲でも切れ味鋭いリフとヨハン・リンドストランドによる極悪ヴォーカルのおかげで、必要以上にテンションが下がることはない)、基本的には爆走に次ぐ爆走。

 

前のめりなブラストビートと、北欧情緒を感じさせるメロディアスな高速リフが頻繁に顔を出し、さながらブラックメタルのような過激さを演出するも、ヨハンのリスナーの喉笛に噛みつかんとするデスヴォイスと、低音部もしっかりと強調された迫力ある音作りにより、あくまで基本はデスメタル/デスラッシュであると主張してくれる。

 

そんな超速サウンドにおいても、やはりどこかノリの良さというか、単なる暴虐な突進力ではなく(それはそれで悪くないけど)、ロック/メタルとしての普遍的なカッコよさがにじみ出ているところがデス&ロールたるところでしょうね。勢いだけにならないメタルリフとしての聴きごたえがあるというか。

 

欲を言えば前作収録の(と言っても国内盤ボートラですが)「Ride The Fire」のように、わかりやすすぎるリードギターで爆走する曲が欲しかったですが、そんな小さな不満はこの轟音の前にかき消されてしまいますね。

 

うねる高速リフとミシンのようなドラムの連打が初っ端から炸裂し、焦燥感を抱かせる冷徹な哀愁も忍ばせるM2「Let The Hammering Begin!」、そのままカッコよすぎるリフの嵐と"イ゙ヤ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!"の咆哮が膝から崩れ落ちるほど大迫力なM3「Motordeath」へと続く。M6「Full Metal Justice」の勢いMAX繰り出される速弾きソロと、サビに当たるメロウなフレーズの応酬は震えるほどカッコいいし、ホントこのバンドの疾走曲はハズレないな。

 

相変わらずの極悪疾走っぷりに嬉しくなりつつ、ギターリフの練り込みや、北欧のアイデンティティーを活かしたメロディーにも唸らされました。決して一本調子に走ってばっかの内容にはならない曲作りの巧みさも感じ取れる強力盤ですね。

 

個人的に本作は

"超凶悪かつ微メロディアス、本分のデス&ロールスタイルに迷いなし。疾走曲の殺傷能力は天井知らず"

という感じです。

 


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