ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

THE冠 『日本のヘビーメタル』

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  • メタルに生きる男の生き様がここにある
  • 気迫と悲哀に満ちた歌詞の人間味がとことん熱い
  • 今の悲しい世の中に最も必要な音

 

愛すべき我らがメタルバカ・冠徹弥率いるTHE冠の、前作『奪冠』より3年ぶりのフルアルバム。

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

「令和の最先端ミュージック」を謳った帯が強烈ですが、基本線は前作と同じ異ジャンルの要素を豊富に取り入れた歌メロ重視のメタルで、時代の最先端っぽさはあんまり無い(笑)

 

タイトルは「自分が日本のメタルシーンを背負って立つ存在になる」という意気込みの表れのようで、必ずしも音楽性を意味するものではないようです。和音階がバンバン使われてたり、雅楽器が用いられてたりとかではなく、あくまで従来の路線を外さない作風です(とはいえ海外のメタルバンドでは決して作り得ないアルバムであるとは思う)

 

この徹頭徹尾正統派メタルにはこだわらず、ROTTENGRAFFTYを彷彿させるようなミクスチャー感や、古き良き歌謡曲のメロディーを意識した歌モノバラードを含む彼らの楽曲は、「メタルであること」にこだわる層には不評かもしれません。

 

ただ冠さんの十八番である鋼鉄感満載のシャウト、K-A-Zさんのヘヴィリフと速弾きが頻発するギタープレイは、文句無しのTHE冠流メタル。非常に聴きやすいメロディーのキャッチーさと相まって、一気に気持ちよく聴き通せてしまう。この爽快感はさすがとしか言いようがありません。冠さんの言葉を借りるなら「歌謡曲みたいに好きなものを全部取り入れてメタルに昇華して出したい」この一言に尽きる。

 

「令和の最先端」の割にあまり音質は良い感じではありませんが(笑)、彼らの場合はむしろきれいに整った音よりも、荒々しい方が似合うでしょう。特に問題はなし!(冠さん自身、綺麗にまとまりすぎた音は嫌っているそうです)

 

歌詞もヴォーカルもコーラスも演奏も、何から何までエンジン全開の熱き名曲M1「日本のヘビーメタル」でオープニングの勢いはバッチリ。メロイックサイン掲げて叫びたくなるサビに、男臭いバンザイも最高だ!熱い!

 

夏フェスでのアウェイ感を面白おかしく歌い上げるシャッフルナンバーM2「やけに長い夏の日(おちゃらけ具合はこの曲が一番かも)、これまた熱い野郎コーラスで幕を開け、やや爽やかさを持った疾走感も見せるM3「ZERO」と、前半から畳み掛け来る。勢いの良さ、熱いシンガロング、馴染みやすい歌謡的メロディーという、THE冠らしさ満載の楽曲の連打が実に気持ちいいです。

 

ネットを炎上させるバカを皮肉るM5「FIRE STARTER」、スナックで酔いどれる男の哀愁を描いたM7「大人の子守唄」、若い世代に必死こいて合わせようとする中年の悲哀に満ちたM9「FALLING DOWN」など歌詞の面でも音楽性の面でもバラエティに富んでいる。ソングライターの冠さん自身はメタルバカでも、アルバム自体はメタル一辺倒ではないのですが、これがTHE冠の個性を形作っています。

 

本作で一番気に入ったのはM8「だからどうした」。荒々しい疾走感に、バックでテクニカルに弾き倒されるギター、キャッチーなヴォーカルメロディーで歌われるサビがとにかくカッコいい!このサビはライヴで聴いたら共に歌わずにはいられませんね!

 

こんな感じで様々な色が混ざったアルバムですが、すべての曲に共通しているのが、冠徹弥という男の人間味や精神性。それが溢れてるんですよね。メタル一直線でおっさんになってしまった哀愁、なかなか売れない自虐、それでもへこたれずメタル魂を貫く姿勢。メタルを鳴らし続ける覚悟を持った人間の生き様が克明に刻まれている。

 

この中年メタル野郎の人生における喜怒哀楽をすべて表現しつくした楽曲は、まさにメタルを面白おかしく、そしてしぶとく演り続け、決してメタル愛を捨てなかった彼だからこそ説得力を持たせられるというものです。これからも彼ら流の"日本のまっとうなヘビーメタル"で日本を熱く、楽しく盛り上げていってほしい。

 

 

個人的に本作は

"鼓舞されたい人、悲しみに寄り添ってほしい人、ただ楽しくなりたい人、すべてのメタルヘッズに送る人生讃歌"

という感じです。

 


THE冠『日本のヘビーメタル』トレーラー

AVENGED SEVENFOLD 『Avenged Sevenfold』 (2007)

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  • 「ドラマチックなA7X」の最高到達点
  • モダンヘヴィとヨーロピアンメロディーの奇跡の融合
  • バンドサウンドもバックのアレンジもすべて聴きどころ

 

AVENGED SEVENFOLDはだいぶ特殊なバンドだと思います。

 

B級臭さを残したメタルコアバンドとしてアルバムを発表し、メジャーデビューとなった出世作『City Of Evil』において、メロディックメタルの要素を大胆にブレンドするという荒業を披露し音楽性を大きく変更。そして今回の感想記事にて取り上げる『Avenged Sevenfold』で音楽的な色味が一気に増し、唯一無二のモダン・メロディックメタルを提示。ドラマーのザ・レヴが亡くなってからは、ややダークでシリアス、かつシンプルなHR/HMへと切り替わり、最新作の『The Stage』ではシリアスなムードは不変ながら、スピード感とメロディックメタルのダイナミズムが再び目立つ...

 

時代のトレンドに押し流されて音楽的に迷走するバンドはたくさんいますが、ファンの支持をしっかりと確保し、バンドらしさの軸を大きくブレさせない範囲において、こうもアルバムごとにカラーを変えるバンドというのはなかなかいないのではないでしょうか。

 

彼らのようにスタンスを頻繁に変えながらヒットを維持していられるバンドって、METALLICAあたりの大物を除けば、少なくとも僕ではパッと思いつかないです。大抵路線変更して、コケて、元の状態におさまるってな塩梅のバンドばかりだし。基本的にメタルって「変化すること」があまり肯定的に思われないジャンルですしね。

 

とまあそんな希有なメタルバンド・AVENGED SEVENFOLDですが、今回取り上げるのは前述したように、出世作となった3rdからさらに音楽的なバリエーションが増えたセルフタイトルの4thアルバム。

 

本作は彼らの音楽性の一つの到達点とも言える作品であり、個人的にはAVENGED SEVENFOLDというバンドの最高傑作だと思っています。

 

3rdアルバムにて劇的なツインリードやメロスピに通じる疾走パート、メロディアスな歌メロを大幅増量した彼ら。本作はそんなメロディアスな要素はそのままに、アメリカのバンドらしいモダンメタルのヘヴィリフ、ピアノやストリングス、果ては女性や子供のコーラスまで取り入れて、ドラマチックさに一層磨きをかけることに。

 

特筆すべきはその多彩さで、チャーチオルガンからの劇的極まるリードギターで壮大さを演出するM1「Critical Acclaim」、ヘヴィリフと粘着質のベースでニューメタルっぽさを出しつつ、メランコリックなピアノとコーラスを活かしたサビも飛び出すM2「Almost Easy」、ツインリードと優雅なピアノ、速弾きギターを織り交ぜ、さらにシメには不気味な子供コーラスまで加えたメロスピナンバーM6「Unbound (The Wild Ride)」、カントリー風味のアコギが心地よく、メロディーも非常に美しいM10「Dear God」など、多岐にわたる音楽的要素を導入し、破綻なく自分たちのスタイルにまとめあげている。

 

さらに驚くべきはM9「A Little Piece Of Heaven」。クラシカルとも、ゴシックとも言えそうなメロディーをコーラスやホーンを交えて表現した、8分にも及ぶ大作シアトリカルナンバー。とてもアメリカのメタルコア畑から出てきたバンドが作り出した音とは思えない楽曲。

 

そして本作を象徴する名曲がM4「Afterlife」でしょう。メランコリックなストリングスからツインリードで疾走し、モダンヘヴィリフとM・シャドウズによるキャッチーな歌メロに導かれながら、開放感あふれるメロウなサビへと到達。見事な疾走ツインギターソロで最高潮に盛り上がったあと、トドメのサビへと切り込む様はいつ聴いても痺れてしまいます。

 

全10曲というコンパクトさも功を奏して、決して中だるみすることなく聴き通せる点も含めて、彼らの作品の中では一番好きですね。アメリカンメタルとヨーロピアンメタルの融合ぶりは本作が最高峰だと確信しています。

 

 

個人的に本作は

"前作で確立させたメロディックメタルバンドとしてのスタイルを、さらに豊かな音楽性でもって突き詰め、一皮むけた彼らの最高傑作"

という感じです。

 

M4「Afterlife」 MV

 

M9「A Little Piece Of Heaven」 MV

ARCH ENEMY 『Rise Of The Tyrant』 (2007)

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  • アモット兄弟によるギターの布陣は最強
  • メロディーもブルータリティーも過去最高水準に
  • エクストリームメタルバンド・ARCH ENEMYの完全体

 

特に良いタイミングというわけではないですが、ARCH ENEMYの旧譜感想を。2007年に発表された7枚目のフルアルバム。個人的にアンジェラ・ゴソウがヴォーカルをとっていた時期の最高傑作であると思っています。

 

1st~3rdにかけてヴォーカルを担当していたヨハン・リーヴァが抜け、代わりにアンジェラが加入してからは、このバンドの音からデスメタルらしいアングラ臭が一掃され、一気に整合感を増したことは周知のとおり。

 

真正のデスメタラーからするとこの音の変化は望まぬ方向なのかもしれませんが、基本的には音のクオリティーは高いに越したことはないと考えている僕としては、アンジェラ加入後の音の方が馴染みがあるのです(いかにもデスメタルって感じの初期もそれはそれで良いですけどね)

 

本作は前作『Doomsday Machine』制作後に「人生を見つめ直す」と言って脱退したクリストファー・アモットが「ARCH ENEMYでギターを弾くことが自分にとっていかに大事なことかを悟った」として、あっさり舞い戻ってきたアルバムとしても知られています。だいぶ自分勝手な異動だと思うんですが、代わりにギターを弾いていたフレドリック・オーケンソンがなんだかかわいそうですね(笑)

 

これを前向きに受け止めてくれたとは、懐の深い人なんでしょうなあ...。まあ結局クリスはこの後また抜けるんですが(笑)

 

それはともかく本作。何といってもマイケル・アモット節炸裂のエモーショナルなリードギターが大幅に増量されているのが最大のポイント。

 

前々作『Anthems Of Rebellion』はアメリカ進出を意識したモダンな作風、前作は「Nemesis」という大名曲こそあれど、全体的に無機質寄りなアルバムだったのに対し、本作は開き直ったかのように"アグレッシヴ&メロディアス"というバンドの本分が前面に押し出されているのです。

 

けたたましいサイレンからうねるヘヴィリフで疾走するM1「Blood On Your Hands」から、本作の獰猛さとメロディアスさを両立させた路線を象徴する名曲。アンジェラの人間離れした野獣のごときヴォーカルパフォーマンスも迫力満点です。間奏のリードギターが本当に印象に残るんですよね。

 

インタールードとなるM8「Intermezzo Liberte」を除けば、テンポの違いこそあれ、マイケル・アモット十八番のリードギターが満載、かつヘヴィメタルとしてのアグレッションも最高潮。デスメタルという非人間的な音楽を奏でながら、音楽的にも充実しており、破壊力も申し分ないという奇跡のバランスを実現させることに成功しています。

 

作中でも屈指の攻撃性を誇るM6「Rise Of The Tyrant」と、ひと際メランコリックで悲しいM7「The Day You Died」の二連発という、ハイライトとなり得る瞬間もしっかりと用意しているあたり隙が無いです。

 

もはやギターアルバムと言っても良いくらいにギターが充実しているせいか、ベースの存在感がほとんどないとか、曲の方向性とテンションの高さの振れ幅が小さいため、後半に若干の効き疲れ感が出てくるといった点はマイナスかもしれません。

 

しかしそれを補って余りあるメロディックかつエクストリームなヘヴィメタルとしての魅力を備えた名盤。「Enemy Within」「Nemesis」といった頭一つ抜きんでたキラーこそありませんが、この作品でアンジェラ加入後に推し進めたバンドのスタイルが頂点へと到達したと考えています。一度でいいから当時の編成でこの楽曲をプレイするライヴを観てみたかったです。

 

 

個人的に本作は

"アモット兄弟のギターの魅力が完全開花したアグレッシヴかつメロディアスな名盤。アンジェラ期の最高傑作"

という感じです。

 

M3「I Will Live Again」 MV

 

M5「Revolution Begins」 MV

素人YouTuber初体験!遊戯王02環境デュエルは遊戯王老害予備軍の僕を虜にする

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僕は最近の若者にしては珍しく(かどうかはわからないが)、YouTuberについてはほっとんど追えていない。

 

「ヒカキンさんとかはじめしゃちょーさんという人が人気のYouTuberである」っていう事実は何となく認識してるものの、動画は見たことなく、どんな人なのかも定かではない。

 

見てるものといえば我らが江頭2:50さんのエガちゃんねる、トータルテンボスのいたずらをメインにしたSUSHI☆BOYS、ガーリィレコードとその愉快な仲間達によるホームビデオを配信しているガーリィレコードチャンネルという、芸人さんによる動画をたまに覗くくらい。

 

正直「素人がテレビの真似事して小金稼いでるんだろ?」みたいな、世間のYouTuberに対する偏見みたいなものに影響されているというのも少なからずあり、あまり積極的に手を伸ばしたいメディアではないな~...などと勝手に頭が働いてしまっているのです。

 

...そんな体たらくの僕でしたが、ここ最近夢中になって何度も見ているYouTuberがいます。プロの芸人さんでもなんでもなく、顔出しすらしていない一般人のチャンネルなんですが、ホントーに面白くて何度も見返してしまっているのです。

 

それがニコツさんというYouTuber。

www.youtube.com

 

 

世界で一番売れたトレーディングカードゲーム遊戯王 デュエルモンスターズ」の、2002年ごろまでのカードを使って様々なデッキを組み、ひたすらデュエルしていくというもの。

 

2002年といえば僕は小学2年生。そう、僕はドンピシャで遊戯王世代の人間なのです。

 

兄や友達とともに実際のカードも、ゲームボーイによるゲームも遊び(兄にデュエルで勝てた記憶は一切ない)、決闘者の王国やバトルシティでのデュエルに胸を熱くし、三枚の神のカードに心をときめかせていたのです。

 

そんな思い出タップリの遊戯王カードがバンバン登場し、熱く見事なタクティクスを駆使したデュエルが繰り広げられる...。こんなの高揚しない訳ないですよ。すぐにのめり込んでしまいました。

 

 

 僕が最初に見た動画がコレ。『昔のカードだけで遊戯デッキVS城之内デッキやってみた

 

5枚入りパックで当てた経験があり、僕のデッキで主力として活躍してくれた「真紅眼の黒竜」に、遊戯の代表的なしもべである「ブラック・マジシャン」が対峙しているだけでも胸アツなのに、しばらく続いた均衡状態を打ち破るかのように現れ、ブラック・マジシャンを破壊する「ギルフォード・ザ・ライトニング」が超カッコいい!

 

しかしその後すぐ「六芒星の呪縛」でギルフォード・ザ・ライトニングの動きを封じられてしまうところがデュエルの難しく、かつ面白いところ。見てるだけで次はどんな風に戦況が動くのかワクワクしてしまう。

 

 

属性強化のカードを多用した属性デッキ同士のデュエルや...

 

 

子供のころ一度は夢見たエクゾディアの勝利に...

 

 

こんな圧倒的不利な状況を覆す劇的なデュエルまで。

 

「ああ!そのカード持ってたわ!」「え!サイクロンってそんなタイミングで使えんだ!超便利じゃん!」「ギルフォード・ザ・ライトニング切り札として使ってみて~な~」とか、ノスタルジーとタクティクスの鮮やかさによる新鮮な驚きが目白押しで、本当に夢中になって見てしまう。

 

最近の遊戯王は知らないカードも増えたし、新しい召喚ルールやら専門用語やらが増えてしまって、どうにも興味が持ちにくいという、僕と同世代の人たちにはぜひともオススメしたいチャンネルです。元遊戯王キッズであれば胸熱不可避ですよ。

 

ただ、このチャンネルの動画を見て思ったこと。それは「自分がどんどん"老害"と揶揄される存在に近づいてしまっているのではないか」ということです。

 

今まで「昔は良かった。それに比べて今は...」と、過去を美化して現在のコンテンツに見向きもせず、ウダウダ文句を言う連中が大嫌いだとのたまっていたはずなのに。いつの間にか自分が「今の遊戯王はよくわからんけど、昔の遊戯王はやっぱり楽しいなあ!」と思ってしまっていることに気が付いたときはちょっとショックでした...。

 

ぐわ~~~。まさか自分が老害の仲間入りを果たすとでもいうのか。それだけは嫌だったのに。自分までこうやって現行のコンテンツを受け入れられない人間になっていくのか。そんな風に思ってしまう。

 

ちょっと複雑な感情になってしまうものの、やっぱり過去の王国やバトルシティの熱きデュエルの印象が心に残っている僕。リアルタイムでデュエルをしていた自分を思い返しながら、今日も彼らのハイテンションデュエルを楽しんでおります。

お揃いのグッズ買おーぜ! LIVE FORCE, LIVE HOUSE

新型コロナウイルスの爆発的感染により、多くのライヴハウスやイベンターが多大なる経済的打撃を受けているのは周知の事実だと思います。Twitter上には各ライヴハウスクラウドファウンディングや、配信ライヴの試みが流れてきており、どうにかして各々が存続していくために努力を重ねているのがわかります。

 

しかし中には閉店を決意したお店もチラホラと出てきています。自分が一切足を運んだ事ないハコですら言いようのない悲しさや喪失感を覚えるのですから、当人たちの心中は察するに余りあります。

 

「こうなったのも突っつかれてやっとこさ重い腰を上げる政府の対応が遅いからだ!」などと怒りの声を上げるのは簡単だけど、それだけじゃ何も変わらないと思うのです(批判意見を主張し続けるのはもちろん大切ですけどね)。やはり直接支援に関わる行動を起こすべきではないかと。

 

とはいえ、ですよ。

 

「自分は安全圏にいるのを良いことに、一方的に『自粛しろ自粛しろ!』と押し付けるだけの連中と同類にはなりたくない」

「だけど支援っていったって何すりゃいいかわからない...。自分がやれることなんてたかが知れてるし...」

 

こんなふうに燻ったまま、やるせなさを抱えたまま結局何もできず家にこもりっぱなし...という人、結構多いんじゃないかな〜と思います。一般市民、一個人ができることなんてホント〜に限られてますからね。

 

そんな人にぜひとも参加してほしいプロジェクトがあるんです。それがタワーレコードが中心となったライヴハウス支援プロジェクト・LIVE FORCE, LIVE HOUSE.

 

liveforcelivehouse.com

 

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日本全国の独立系ライヴハウスを対象に、支援グッズであるピンバッジの売上金を支援金として配布するというもの。

 

ピンバッジ1個で3000円という、なかなか挑戦的な値段設定ですが、いろいろ話し合いを重ねた上での金額なのでしょう。文句は言うまい。

 

第一次支援期間は本日(4/30)の23:59までということで、もうほとんど時間の猶予はありませんが、今後まだまだプロジェクトは継続していくはずですし、ひょっとしたらバッジ意外にもいろいろグッズのレパートリーが増えるかもしれません。

 

ただネットショッピングするだけでライヴハウスへの支援ができるわけです。何度もライヴハウスに世話になった者としてはこのプロジェクト、乗らない手はないですよ。たかが3000円。されど3000円。チリツモですよ、チリツモ。

 

今回購入したピンバッジも、何年か経った後に「あっ、これコロナ支援のバッジだ。あの頃は大変だったね〜」と思い返せる記念の品になるかもしれませんしね。

 

Download JapanにIRON MAIDENの来日が中止になったことでチケット代が浮いた、という僕みたいな方はたくさんいらっしゃるはずなので、その浮いたお金を有効利用したいならばぜひ賛同してみてはいかかでしょう?お揃いのバッジつけましょうぜ。

TESTAMENT 『Titans Of Creation』

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  • スラッシュ界の重鎮としての貫禄に満ちた作品
  • アルバム全体のスピードは控えめ
  • キラーチューンの殺傷能力バツグン!

 

ベイエリア・クランチという枠組みを超え、もはや完全にスラッシュメタルというジャンルの代表格になって久しいTESTAMENTの最新作。SLAYERのフェアウェルツアーへの帯同により若干制作に遅れが生じたようで、前作『Brotherhood Of The Snakes』より3年半ほど期間が空きました。

 

ここ数作、スラッシュメタルの代表に恥じぬ良作を連発していた彼らだけに、本作のクオリティーの高さも文句なし。チャック・ビリーの粗野なヴォーカルにヘヴィで荒々しいギターリフが乱舞するスラッシュメタル路線を踏襲している。

 

スラッシュ特有のザクザクした鋭利なリフはもちろん聴けるのですが、彼らはそこにしっかりと「ヘヴィ」の要素を導入しているのが頼もしいところ。音の薄さなど一切存在せず、まるでブットい鉈を上から力任せに叩きつけるかのようなヘヴィ・スラッシュリフ。たまらなく気分を高揚させてくれる。

 

前のめりな勢いに満ちたM1「Children Of The Next Level」、M2「WWIII」で早速轟音疾走リフをかましたあと、ノリの良いリフでモッシュヘッドバンギングを誘発させるキャッチーなM3「Dream Deceiver」と繋ぐ序盤のツカミが非常に良い。

 

その後聴き進んでいくと、ツービートで一心不乱に爆走するパートはあまり出てこない。でもヘヴィで小気味よいリフには終始唸っているし、サウンドから感じる気迫、勢いは充分。ヘッドバンギングに何の支障もありません。

 

そしてアルバムのクライマックスに、本作最高の疾走感と邪悪さを併せ持つキラーチューンM11「Curse Of Osiris」を持ってくるのがニクいですね!ブラックメタルかというようなシャウトとブラストビートが交錯し、高速のドラムの連打であっという間に聴き手のテンションを臨界点まで持っていく。最後にこんなのヤラれちゃひとたまりもありませんよ、ええ。

 

ただ僕としては、彼らの曲で一番好きな「Apocalyptic City」で聴けるような、メロディアスな泣きのギターが織り込まれている方が好きなのですが、本作にそういった要素は皆無。これはもうバンドが目指す音はそういうものではないということなんでしょうね...。ちょいと残念。

 

でも純然たるスラッシュファンの人は「メロディック?いらねえな!ザクザクのリフで疾走だろうが!」な考えなのかもしれず、そうであれば今のTESTAMENTの音はかなり理想的なスラッシュメタルの形なのかも(本作は疾走感はやや微妙かもですが)

 

現在一番カッコいいスラッシュメタルバンドといえば、僕はKREATORの名前を挙げますが、あちらがちょっとメロデスっぽすぎると感じるスラッシュファンなら、SLAYERが第一線を離脱した今、TESTAMENTこそ世界最高峰のスラッシュメタルバンドになるのかな。

 

 

個人的に本作は

"スピード一辺倒ではないが、スラッシュメタルらしい轟音リフ炸裂のアグレッシヴさに満ちている。頭振ってモッシュしたい荒くれ者の味方!"

という感じです。

 

M1「Children Of The Next Level」 Official Audio



M4「Night Of The Witch」 Lyric Video

HAREM SCAREM 『Change The World』

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  • 一に美メロ、二に美メロ、三、四がなくて五に美メロ
  • 良い曲を良いヴォーカルが歌う良いメロハーの王道
  • ちょっと安定感がありすぎるかも

 

このブログでは「メロディアスなメタルが好き」と今まで書いてきましたが、恥ずかしながら(別に恥ずかしくもないけど)HAREM SCAREMに関しては、ほっとんどノータッチだった僕。

 

2ndアルバムが日本での人気に火がついた名盤だとか、コロコロと音楽性を変化させたとか、しまいにはバンド名まで変えちゃったとか、そういうお話はなんか聞いたことあるって感じ。じっくりと音に浸った経験はほぼ無い。

 

僕はやっぱり馬力のある正統派、パワーメタルが大好きなので、なんとなく触れずにいたんです。他の気になるアルバムを優先してしまっていたので。

 

本作も当初は購入の予定はありませんでしたが、TESTAMENTの新作と同じ試聴機に入って陳列されており、何とはなしについでに購入。こういう、つい買う予定になかったものまで手にしちゃう癖なんとかしたい。

 

そんなHAREM SCAREM童貞を無事卒業した感想としましては、すごくよく練られた良質なメロディアスハードだなと。柔らかくて温かく、少し切ないメロディーが絶え間なく流れる様は、メロディアスハードとして申し分の無い完成度。

 

とにかく彼らはメロディーセンスの優れたバンドなんだろうな。そんなことが今までの作品を聴いてきてない僕でも容易にわかるほど、この瑞々しいキャッチー極まるメロディーの出来が一番のセールスポイント。王道を行くメロハーナンバーから、本作の中では一際ハードにロックしてるテンションの高い曲、胸に染み入るバラードまで、とめどなく流れるメロディーに聞き惚れてしまいます。M10なんて「Fire & Gasoline」なんてタイトルなのに、熱さ以上に爽やかさを感じてしまいます(笑)

 

ハリー・レスによる決して落ち着きすぎず、かつ澄み渡る哀愁を演出するのにピッタリな深みのある歌声も非常に心地よい。M11「Swallowed By The Machine」のサビは、このヴォーカルであればこそ、ここまでのスケール感を描けるのでしょう。

 

ほとんどの曲がミドル〜アップテンポのノーマルなメロハーのフォーマットを踏襲しているため、アルバムとしてはやや平坦な印象を受けるかもしれません。どの曲もつまらないメロディーが無く安定感は抜群な分、「際立った聴きどころがない」という意見も生まれそうではあります。

 

ただ、基本的に音楽はチョッパヤチューンで興奮したい僕ですら、ダレることなく世界観に浸れるように作られているのはさすが。特に前述のM11に、ラストの展開におけるメロディーがあまりに美しいM7「In The Unknown」から、本作一ハードロッキンな(もちろんメロディーのキャッチーさは担保済み)M8「Riot In My Head」へと続く展開はかなりのお気に入り。本作のイチオシポイントですね。

 

もちろんその他の曲にも、彼らのセンスがバッチリ活かされた王道のメロハーてんこ盛り。エクストリームな音を好む人にはまったくもって理解を得られないサウンドですが、音楽の本質はメロディーにあり!な人には、ぜひ耳を傾けてほしいアルバム。叙情性推しの方にはきっと響くと思いますよ。

 

 

個人的に本作は
"振り幅は小さいものの、すべての曲に切なくドラマチックな旋律が息づく。美麗な哀愁メロハーの王道にして決定盤"
という感じです。

 

M2「Aftershock」 MV

 

M4「The Death Of Me」 MV