ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

3/31 VANS WARPED TOUR Day 1 at 幕張メッセ

WARPED TOUR 1

アメリカを代表するロック・スケート文化の最大規模のフェスティバル・WARPED TOUR!日本のバンドもいくつか出演したライヴイベントですが、残念なことに今年の開催が最後になってしまうそう・・・。

 

そしてそんな年に日本での開催が決定。ヘッドライナーは初日はKoЯnLimp Bizkitというニューメタルの代表格2組、二日目はRAGE AGAINST THE MACHINEPUBLIC ENEMYCYPRESS HILLのメンバーが集ったスーパーグループPROPHETS OF RAGE(こんなこと言うとファンに怒られそうですが、ザック・デ・ラ・ロッチャのいないRATMみたいな感じですかね)。

 

PROPHETS OF RAGEは失礼ながらそこまでそそられなかったものの、KoЯnLimp Bizkitは一度は観てみたいな~と思っていたので、当初からちょっと興味を持っていました。

 

その後は大方の予想通り日本のアーティストが多数ブッキング。洋楽好きの方にしてみればガッカリなのでしょうが、最新作が良かったBiSHcoldrainYouTubeの動画からでも恐ろしいほどの勢いが如実に伝わるライヴをするCROSSFAITHが参戦するとあっては、個人的にはむしろ行く理由が増えたと言っても過言ではなく、一般発売と同時にチケットをゲット。

 

もうすぐに新たな年度が始まるというキツイ時期ではあるものの、行ってまいりましたよ、WARPED TOUR JPに。

 

11時半ごろに会場である幕張メッセ9~11ホールへ到着。するとそこには「再入場不可」という恐ろしい看板が!!

オイオイ、それじゃあ会場内でお金を切らしちゃってもATM使えないし、外の自販機で飲み物買うこともできないのかよ!?この規模のイベントでそんなのってアリ!?

 

若干納得いかない気持ちになるも、まあしょうがないので素直に会場入り。ドリンクチケットをカシオレに替え、牛ステーキ串で腹ごしらえしたあとメインホールへ突入。

 

The BONEZ

 

RIZEのJESSEさんが中心となり、Pay money To my Painのメンバーを携え結成されたミクスチャーバンド。有名なので名前は知っていましたが、ライヴを観るのは今回が初。

 

音楽的にはまさにRIZEとPTPを織り交ぜたような、ラップが前面に押し出されたオルタナティヴ・ラウドロックで、そのキレキレなパフォーマンスとアグレッシヴな演奏、何よりJESSEさんのカリスマ性あふれるフロントマンっぷりがクール。やっぱりこの人は危険なオーラをバシバシ放っているので、バンドマンとしての適性はピカイチ。やっぱロックってこうじゃないとね。

 

途中でJESSEさんがステージを降り、オーディエンスのすぐ近くまで接近、中央付近でBRAHMANTOSHI-LOWさんよろしく、オーディエンスに足元を支えられながら歌う。

 

そのすぐ近くに自作の横断幕というか、旗を作った熱心なファンがいたらしく、JESSEさんはその旗を受け取ってステージに戻ると、客席に向けてバッと広げてお披露目。作ったファンは嬉しいでしょうねぇ~。

 

個人的には必ずしも好きなスタイルではありませんが、一発目を飾るにふさわしいイキのいいロックサウンドを響かせてくれて素直にカッコいいと思えました。後半で演奏された「Thread & Needle」が一番キャッチーで良かったかな。

 

 

OLDCODEX

 

失礼ながら「ロック色の強いアニソンアーティスト」という知識しか持っていなかった2人組ユニット。異様なほど黄色い声援が飛んでおり、ファンの熱気が声で伝わってくるようでした。

 

ヴォーカルの方(本業は声優なんだとか)が「主戦場がアニメだから色々な目で見られるだろう」と、自らアウェイであることを認めるMCをしていましたが、パッと聴いた感じでは結構骨太でキャッチーなJ-ROCKで、生演奏ということもあり今回のメンツの中にいてもそこまで違和感は感じない。

 

ただあのヴォーカルは・・・。「何とか爪痕を残してやろう!」という気概みたいなものは充分すぎるほど感じられそこは好印象なのですが、今にも血管が切れるのではないかと思うほど終始顔面を真っ赤にしてものすごい形相で叫んでおり、あれでライヴ続けるのは厳しいのでは?と余計な心配をしたくなります・・・。

 

もう一方のグラサンの方は、コーラスもちょっとはやっていたものの、基本的には終始後ろに設置されたキャンバスに絵を描く(というか色を塗りたくっている)という謎のパフォーマンスを行っており、あれは何を表現しているのだろう・・・?

 

 

Survive Said The Prophets

 

OLDCODEXをそのまま観てても良かったのですが、サブステージであるNORTH PARKに去年のサマソニでも観たSurvive Said The Prophetsが出るのでそっちも観てみようと移動。

 

サブステージのトップバッターとしては客入りは上々でオーディエンスの士気も高め。色々なライヴイベントや実力派バンドとの対バンを多く経て、知名度を着実に上げてきているのがわかります。

 

しかし一曲目はあまりテンポの速くない、ウェットな叙情性を押し出した曲。何も一発目にこの手の曲持ってこなくても・・・。悪い曲じゃないけど、最初はやっぱり会場をヒートアップさせるに相応しい曲をやったほうがいいんじゃないでしょうか。

 

2曲目に疾走曲である「Fool's gold」が演奏されてボルテージが上がったので良かったですが、正直この曲を一曲目にしてバシッと決めたほうがライヴがより締まったのでは・・・?

 

ただ前回観た時と比べて、ヴォーカルの英語を交えた煽り方がより本格的になり、演奏の安定感やパフォーマンスのカッコよさは目に見えて向上していて、ライヴ自体の完成度はかなり高いレベルでまとまっているのが見て取れました。

 

 

MUCC

 

ガリバタ風味のビーフライスで腹ごしらえ後、メインアリーナのWESTステージにてcoldrain待ちをしながら隣のMUCCを鑑賞。

 

このバンドについては初期の狂気と絶望を纏わせ、歌謡クサメロを武器としていたヘヴィロック路線は好きではあるものの、最近の希望に溢れたサウンドはあまりピンときていなくて、申し訳ないけどそんなに期待はしていませんでした。

 

ところがどっこい、初っ端からかなりヘヴィにさせた音圧で攻める。まあさすがに強烈なまでの歌謡メロは聴けないものの、パフォーマンスもヘヴィロックマナー(?)に則ったもので、逹瑯さんの思いっきり前傾姿勢になりながらの髪を振り乱すヘドバンも迫力あり。

 

「みんなさっさとコーンとリンプ観たい?まあ本気でコーンとリンプだけ観られればいいと思ってる人は、まだ会場にいないだろうけど。何となくフェス全体を楽しもうかなぁ~って思ってる人たちが今いるんでしょ?」というMCには図星だと思う方、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか(笑)

 

そのあともMCは続き、「コーンとリンプと対バンしたって言えるけど、そんなこと言ったら俺らガンズとツーマンやってるからね!まあツーマンっていうか・・・前座なんだけど・・・。あの伝説の前座・・・うん、語るとすげえ長くなっちゃうから。」と苦笑交じりに淡々としゃべっていく。

何というか・・・ホントにお疲れさまでした(笑)

 

そしてアリーナのお客さんをしゃがませて一斉にジャンプ(逹瑯さん曰く「こういうライヴでよく見るアレ」)をさせるなどして、ライヴは進行。気合の入ったヘヴィサウンドは聴いていて気持ちよかったですが、何と言ってもキラーチューン「蘭鋳」をプレイしてくれたのが何よりもうれしかったですね。やっぱりこういう哀メロが一番魅力的だと思うのは僕だけでしょうか?

 

 

coldrain

 

今年の2月に日本武道館公演を成功させた、人気ポストハードコアバンド。

 

ざっと見た感じこの日はかなり多くの方がこのバンドのTシャツを着ており、大勢の人が詰めかけるんじゃないかと思っていましたが、まさにまったくその通り。WESTステージ側のアリーナの人口密度たるやすさまじく、多くの人がこのバンドに期待を寄せていたことがわかりました。

 

緊迫感溢れるSEでメンバーが登場し、最新作のオープニング「ENVY」からスタート。Masatoさんのヴォーカルはデス・クリーン共に申し分なく、楽器陣の演奏もタイトでヘヴィ、世界を相手に戦ってきたバンドの地力がよく伝わってきます。

 

まあ正直人が多すぎてなかなかパフォーマンスをしっかり鑑賞することは難しかったのですが(特にドラムなんかほとんど見えない)。

 

そういう人のためにあるステージ間に設置されたビッグモニターは、このバンドの演奏中にあからさまに調子が悪くなり、右半分が真っ黒になってしまっていてとても満足に見れたもんじゃない(結局この日は最後までモニターの不調は直らず、Limp Bizkitが終わるころには完全に消灯していました・・・)

 

アメリカのWARPED TOURに参加した時、今日も来ている日本の仲間たちと「いつか日本でこういうのできたらいいね」って言いあってて、今日それが実現した」とMCで日本での開催に対する喜びを表現し、日本でもっとこのイベントを大きくさせていこうとオーディエンスに前向きなメッセージを発信。こういう青臭くて素直な姿勢がキッズの支持を集めるのでしょうね。

 

FIRE IN THE SKY」「Persona」というお気に入りの疾走曲2連発、最新作の中でイチオシの「F.T.T.T」(欲を言えば「LOST IN FAITH」も聴きたかったけど)、そして前回観た時は観れなかったバンドの代表曲「Final Destination」がプレイされた時が個人的ハイライトでした。

 

 

TONIGHT ALIVE

 

一昨年のSUMMER SONICでも観た女性ヴォーカルを擁するエモコアバンド。そのままWEST STAGEにてCROSSFAITH待ちをしながら隣で鑑賞。

 

要所要所でアップテンポに展開するも、基本線はヴォーカルの強みを活かした歌重視のやや落ち着いたエモで、先ほどのcoldrainのヘヴィなサウンドの後だとちょっとパンチに欠けちゃうかも。

 

とはいえ演奏自体は必要充分なものを聴かせてくれるし、何よりもジェナ・マックドーガルのヴォーカリストの実力には舌を巻きます。単純な歌唱力の高さはもちろんのこと、女性ならではのしなやかな歌を披露したと思ったら、速い箇所では一気に声量を増したハリのある歌唱を聞かせてくれます。バンドサウンドが静かになったところで、一気に解き放つように高音でハリのある歌唱が飛び出す様は圧巻。

 

ステージ上を飛び回り動き回るため視覚的にも刺激的ですし、見た目もチャーミング(髪型と合わせて何となく滝沢カレンさんに似てる/笑)、非常に良きフロントマンっぷりを発揮していました。

 

 

CROSSFAITH

 

本日の大運動会タイム

激烈なモッシュの波に揉まれる覚悟で一気にフロア前方へ突入。ようやく生で極悪メタルコアを体感することができる!

 

SEの「System X」の時点で既にモッシュが発生しそうな勢いでしたが、その後の「Xeno」「Monolith」がかまされた時点で完全にオーバーヒート。ジャンプしまくり、サークルしまくり、押し合いへし合いの灼熱地獄!当然僕も暴れる暴れる!

 

Koieさんのデスヴォイスはやはり破壊力抜群で、キッズの興奮を一気に沸点まで持っていく。楽器陣の演奏もヘヴィ極まりなく、中でもTatsuyaさんの超速ツーバスを交えたドラミングは圧巻としか言えん!

 

ただ彼らの最近のシングル曲は"メタルコア"というより、"ラウドな要素を取り入れたエレクトロコア"みたいな感じで、個人的にあまり歓迎するような出来ではなかったりします。そんな訳で「Freedom」がプレイされた時は、「これだったらもっと他に聴きたいのあるんだけどなぁ」と思ってしまいました・・・。

 

「主催のケビン・リーマンに乾杯!」とKoieさんが350mlの酒缶を開け一気に飲んだときは「Jägerbomb」か!?と期待するも、JESSEさんを招いての「Rockstar Steady」だったのもちょっと期待ハズレ。そのシングルからなら「Diavolos」をやってほしかった。まったくもって個人的な意見で申し訳ないのですが、このバンドには楽曲の骨格はメタルコアで、エレクトロ、ラップ要素はあくまで装飾程度にとどめてほしいんですよね・・・。ここまで前面に出されるとちょいと厳しい。

 

まあそんな不満も必殺の名曲「Jägerbomb」「Countdown To Hell」の2連発で消えてしまうんですけどね!

特に後者はアリーナ前方から後方にかけて大きなウォールオブデスが発生。今まで怖くてなかなか飛び込めなかったのですが、今日は意を決して初参加!

 

まあ後ろから申し訳程度に近づくくらいのものでしたが(笑)それでも身の危険を感じるには充分過ぎるほどのカオスなピットでした。やはりこの2曲の危険な破壊力は尋常じゃない!最高!!

 

 

BiSH

 

今回の客層の大多数は裏のWEST STAGEのOF MICE & MEN派なのでしょうが、もう既にその手のメタルコア、ポストハードコアはcoldrainとCROSSFAITHで充分聴けましたし、最新作が良かった事もあってBiSHを選択(こんな事言うと洋楽ファンから心底バカにされそうですが、ぶっちゃけOF MICE & MENの『Defy』よりBiSHの『THE GUERRiLLA BiSH』の方が気に入ってるんです/笑)

 

裏にお客さんをだいぶ取られちゃってるかなぁ~と危惧していたものの、何の何の、開演直前にはかなりの人だかりが。やっぱりこの手のロックファンの間でも注目度高いんですね。まあBiSHのために来た!っていう熱心な清掃員(BiSHのファンをこう呼ぶ)もいたのでしょうけど。

 

開演時間になるとメンバーに先駆けてWACKの代表の渡辺淳之介さんがステージに登場し、リフトやクラウドサーフの類いは禁止とする旨を最初に発表。メンバーよりも先にプロデューサーが出てくるライヴというのも珍しいですね(笑)

 

そして「GiANT KiLLERS」のイントロと共に勢いよくメンバーが飛び出してきてスタート。フロア中央では早速モッシュピットができ、サビになるとサークルピットまで発生!(恐らくサビに"回れ 回れ メリーゴーラウンド"っていうフレーズがあるからだと思われます)

 

ただピットとはいっても先ほどのCROSSFAITHのときのような「一瞬でも気を抜いたら殺られる!」って感じの殺伐とした雰囲気はなく、メロディックハードコアのライヴでよく見るような、皆で一丸となって盛り上がるような楽しい雰囲気が感じられました。

 

しかしよくステージを見てみると・・・一人足りないことに気付く。主にシャウトのパートを担うリンリンさんがいない。

 

僕はライヴが終わってから見たTwitterでようやく知ったのですが、何とパフォーマンス中にステージから落下してしまった模様。幸いなことに大事には至らず、2曲目の「SHARR」が始まる頃には何事も無かったように戻っていました。良かった良かった。

 

「VANS、メッチャイケてると思います」という若干リップサービス臭漂う(笑)MCを短く絡めたあとは、2ndの曲を中心に勢いよく畳み掛け。サビでは頻繁にサークルが発生しかなりの盛り上がりを見せる。アイドルを出自とするだけあり、コールや振り付けなどを真似る楽しみもあるのも盛り上がりの要因になっていましたね。まあ僕は曲こそ聴き込んでいたものの、さすがにコールと振り付けまでは知らないのでできませんでしたが(笑)

 

バックにWARPED TOURのロゴが掲げられただけの簡素なステージで楽器も置いてない、そしてメンバーの衣装は真っ黒と、普通に考えれば恐ろしく地味なステージになるはずですが、あまりそういう印象を受けないのはやはりダンスによる視覚的な楽しみがあるからでしょうね。

 

MCを必要最小限にまとめ、代表的な曲を連発するセットリストも含めて期待していた以上に楽しめました。海外の大物バンドを差し置いて「このバンドがベストアクト!」とはさすがに言えないものの、僕個人の満足度の高さだけで言えばこの日のメンツの中で随一かも。

 

ただラウドな音を好む人の多い(全員?)本フェスであればかなりウケると思われ、個人的にもとりわけ好きな曲である「ファーストキッチンライフ」を聴けなかったことだけは残念至極・・・。この曲で「ハイ!ハイ!ハイ!」したかった。

 

 

OF MICE & MEN

 

BiSH終わりでメインアリーナに戻ると、OF MICE & MENが最新作『Defy』の中で僕が一番好きな曲「Instincts」をプレイしている真っ最中。そしてその音を少し聴いただけで、これはヤバいライヴだということを確信。そのヘヴィで硬質にまとまったメタルコアサウンドは有無を言わせないカッコよさ!

 

そのルックスからは想像できないほどの(失礼)イケメンクリーンヴォイスを披露するアーロン・ポーリーが素晴らしい。CD音源と遜色ない、実にいい声をしており、切れのあるサウンドと合わせてオーディエンスを酔わせる。当然デスヴォイスの破壊力も折り紙付きで、ヘヴィでファストなパートではここぞとばかりにサークルピットが発生していました。

 

やっぱりこの手のアメリカのバンドは、ライヴでバッチリ魅せられるところが何よりも魅力的ですよね。たったの2曲しか観られませんでしたが、全米トップ10バンドの凄み、底力は充分伝わってきました。BiSHを選んだことに特に後悔はしてませんが、このバンドもフル尺で観たかったなあ・・・。

 

 

MONOEYES

 

水分補給を済ませヘッドライナーのLimp Bizkitに備えWEST STAGE側で待機。その間EAST STAGEのMONOEYESのライヴを観る。

 

ELLEGARDENは中学時代かなり頻繁に聴いており大好きなバンドだったのですが、このバンドの音はどういう訳か今一つ燃えないんですよね・・・。ヴォーカルは同じで音楽性も似通っているのに何故だか・・・。

 

曲自体は普通に爽やかなエモ・メロコアであり、英語詩と日本語詞を織り交ぜている点もエルレと同じで充分クオリティーも高いんですが、不思議と感情の高ぶりが小さいのです。学生時代から数年経って僕の感性も変化したからかもしれませんが、今でもエルレの「モンスター」「Supernova」などの曲を聴けばグッとくるものは確かにあるわけで、それはやっぱりバンドマジックというやつなのでしょうか。

 

あと毎回思うんですが、細美さんはホントに歳とりませんね。10歳くらいサバ読みできるんじゃない?

 

 

Limp Bizkit

 

さていよいよヘッドライナーの一組目、ニューメタルの代表格にして全米大人気バンド(それと同時に多くのミュージシャンから嫌われてる/笑)Limp Bizkitの登場。

 

赤いキャップとヒップホップファッションに身を包んだフレッド・ダースト、頭部の上半分が真っ白、その下はすべて真っ黒という超個性的ないでたちのウェス・ボーランドがフロントに登場し、「Hot Dog」「Rollin' (Air Raid Vehicle)」の2曲でスタート。

 

前者の"You wanna fxxk me like an animal!"のヘヴィパートはフツーにノリが良くてカッコいいし、後者は思わずマネしたくなるキャッチーさが魅力。皆が一斉に「ローリン!ローリン!ローリン!ローリン!」と歌いながら腕を振りまくる。彼らの楽曲って他のラップコアよりも取っつきやすさ、覚えやすさが強いんですよね。ヘドバンの記事にも「こんなにキャッチーなラップを聴かせる人は他にいない」みたいなことが書かれていましたが、僕も同じように思います。

 

そんなキャッチーさのおかげか、オーディエンスは終始ノリノリで大盛り上がりでしたが、フレッドはと言うとほとんど表情を変えずにいるのでどことなくぶっきらぼうな印象。まあ爽やかな笑顔を浮かべるフレンドリーなリンプなんかファンは望んじゃいないだろうからこれでいいんでしょう。

 

そして程よく会場が温まったところで、ついに個人的ニューメタル・ラップコア一番の名曲だと思っている「My Generation」が投下!他の人もこの曲を心待ちにしていたようで、"If only we could fly~~"のフレーズが響いた瞬間に、ウオオオオオッ!!と大歓声があがりモッシュの嵐に!僕も待ってましたと言わんばかりに「マイジェネレイションッ!!」と「どんなに責めても立派な紳士」のシンガロングをバッチリキメッ!!

 

ただこの曲が終わった後はどうしても聴きたい!と思える曲がなくなっただけに、ちょいとダレちゃったのも事実(笑)

彼らの曲ってほぼ同じような方向性のものばかりで明確な違いが見出しにくいので、長時間聴いているとどうしても飽きがきちゃうんですよね・・・。

 

しかしそんな僕の気持ちを知ってか知らずか、後半にMETALLICAやSLAYERのフレーズをチョロっと披露した後、フレッドがステージを降りてオーディエンスと直接触れ合いコミュニケーションをとって、再び会場の士気を上げる。そして客席中央の通路を通ってアリーナの中央付近まで来た後、オーディエンスに足元を支えられながら立ち上がる。この状況を見るのは今日だけでThe BONEZのJESSEさん、BiSHのセントチヒロ・チッチさんに続いて3人目だ。

 

しかしその2人と違うのは、それが僕のすぐ目の前で行われているということ。距離にしてわずか1~2m!ここまで近づけたのはBRAHMAN以来だ!

 

・・・しかしフレッドは完全に僕に背を向けており、顔は全然見られませんでしたが。僕の近くでは「Look at here!」「Behind!」という叫びが木霊してました(笑)

 

セットリストが『Chocolate Starfish And The Hot Dog Flavored Water』に偏りすぎていたものの(あのアルバムが一番いいと思ってるので文句はありませんが)、全米のラウドシーンのトップランナーのパフォーマンスをすぐ目の前で観ることができたのは貴重な体験でしたね。とりあえず「My Generation」が聴けただけでも満足です!

 

KoЯn

 

楽しい時間はあっという間、この日の最後を締めくくるヘヴィロック界の重鎮が登場。

 

ただもうこの時点で僕の体力や脚力はかなりキており、さすがに前のほうに行く気力はなく(そもそも人が多くて行けなかった)、クロークに預けた荷物を引き取り、着替えたうえで後ろのほうでのんびり鑑賞。

 

新作『The Serenity Of Suffering』からの「Rotting In Vain」からスタート。とことんダークでとことんヘヴィなKoЯnワールドはもう最初の時点で十二分に発揮されており、幕張をあっという間に闇色に染め上げる。先ほどのLimp Bizkitが生み出したチャラいイケイケムードはすでに無い。

 

そのすさまじい過去とステージ上での奇行から、とんでもねえ危ないヤツだと思っていたフロントマンのジョナサン・デイヴィスですが、拍子抜けするほどにまっとうなフロントマンとしてたたずんでおり、マイクスタンドこそかなりゴツゴツした奇抜なものであるものの、振る舞いや歌唱自体は非常に安定している。ラップのような早口パートから伸びやかに歌い上げるサビまで、CD音源通りのスタイルを高いクオリティーで貫き通していましたね。子供を授かり大人になったため、もう若気の至りみたいなことはやらないんですかね。

 

中盤ではお得意のバグパイプを持ち出して演奏を披露。あの音色を聴くと脳裏にはLOUD PARKの開場が脳裏に浮かびますね・・・。

 

そのあとは引き続き、バックのイメージ映像を交えながら暗黒の音世界をただひたすらに構築していましたが、遠くてメンバーの姿が非常に観づらいうえに、重々しいスローなサウンドを延々と垂れ流されると、やっぱりダレを覚えてしまうのも事実。このバンドはやっぱりゆっくり鑑賞するのではなく、前の方で爆音を全身で浴びるような聴き方のほうが合いますね。

 

とはいえヘヴィロック界の超大物のライヴを2組連続で体感するという、貴重な体験の喜びは充分に噛みしめることができました。やはりこういうヘヴィなバンドは爆音のライヴこそが神髄であることが改めてわかった一日となりました。