ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

8/18 SUMMER SONIC 2018 Day 1 at ZOZOマリンスタジアム & 幕張メッセ

サマソニ2018_1

国内で最も有名な夏フェスの一つである都市型フェスティバル・SUMMER SONIC。これで3年連続のサマソニ参加です。

 

今年の夏(特に先月)はマジで生命に危険が及ぶレベル、まるでグルメ界かと錯覚するような酷暑だったわけですが、この日は雲こそ多少あるものの爽やかな晴天で、かつ湿度もあまり高くなく風も気持ちいいという、素晴らしい気候に恵まれました。夏フェス理想の天候だったのではないでしょうか。

 

ただ一つ残念というか、もったいない点としては、今年のタイムテーブル的にあまりMARINE STAGEに用がないんですよね(笑) お目当てであるアーティストはみんなメッセ内で、MARINE STAGEに行く必要性はぶっちゃけあまりない。去年は大半を野外で過ごしたから、それと入れ替えて欲しいなあ...。

 

まあ気持ちのいい気候とはいえ日差しはそれなりに強かったから、熱中症になるのは十分あり得たので、そこは前向きにとらえております。

 

海浜幕張駅に開場時間ちょうど位に降りたつと、近くのコインロッカーはたくさんの空きが。「ここで入れておかないと後々痛い目見るな」と思い、ここで荷物はすべて預けてフラットな格好でメッセに入場しました...が、いつもはすべて埋まっているのが当たり前なメッセ内のロッカーがさすがに時間が早かったからか、ボチボチ空きが目立っており100円損してしまいました...残念。

 

気を取り直してアリーナへ。

 

サマソニ2018_4

このドラゴンのオブジェ、しばしば口からプシューッと白い蒸気?みたいなものを吐き出してました。

 

JUNGLE STAGEが設置されているメインのフードコートで、最初のHER NAME IN BLOODを迎え撃つためにPOWERをつけなければ!と、ステーキ丼とマンゴースムージーで腹を満たす。ステーキ丼はTHE フェス飯!ってな味わいでしたが(嫌いじゃない)、マンゴースムージーは相変わらず美味いな!

 

サマソニ2018_2

 

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会場内をしばらくブラつき、サマソニ会場の雰囲気を味わっていると(ライヴ以外で空気感を楽しめるのが大型フェスの醍醐味ですね)、Twitter上で"Download Festival日本上陸"という衝撃的なニュースを目撃。おいおいこれからサマソニだってのに違うフェスで気持ち盛り上げさせてどーすんの!?と思いつつも、これはまた楽しみが増えますなあ。会場のモニターでもしきりに広告が打ち出されていました。

 

 

HER NAME IN BLOOD

 

いい時間になったところでMOUNTAIN STAGEへ。本日最初のお目当てはHER NAME IN BLOOD。今年だけでもう三回目ですが、良いものは何度観たって良いものですから。

 

オープニングアクトということで人集まりはそれほどでもないのが実情ですが、気合の入ったオーディエンスは早速朝からピットを作ってモッシュ・サークルに興じる。僕も参加したかったものの、これから長丁場であることを考えれば無理は禁物。その場でヘッドバンギングに努めました。

 

サマソニに愛とメタルと筋肉を届けにきたぞ!」とIkepyさんが煽りつつ、キラーチューン「BAKEMONO」でスタートしたステージ。何とオープニングアクトの一曲目にも関わらずMAKIさんのバスドラが破れるという事態が発生。やっぱこのバンド最高だわ(笑) 若干間は空いたものの、替えのバスドラにチェンジしその後は問題なくライヴは進みました。

 

「朝っぱらからステーキ食わされている気分はどうだ!?これが本当のいきなりステーキだ!」と自身の濃ゆ~いアピアランス、音楽性を示したあとはもうひたすらキラーの連打。定番の「GASOLINES」でコール&レスポンスで叫ばせ、ズンズンした縦ノリのパートでオーディエンスを飛ばせ、フロアを揺らす。短いアクトとはいえ、彼らの興奮度MAXのパフォーマンスは全くブレない。

 

恒例のDAIKIさんの担ぎ上げ、ギターとベースの裏にテープでかたどった文字を見せるフォーメーション(今回は予想通り「サ」「マ」「ソニ」でした)ももちろんバッチリ。これはオープニングアクトじゃ満足できないですよ。短すぎる。もっとステーキプリーズ。

 

 

The Sherlocks

 

この後はしばらく観たいアーティストは出てこないので、かなり自由に使える時間。天気も良いしせっかくなので、メインステージであるMARINE STAGEに足を運ぼうと外に出る。シャトルバスを使っても良かったのですが、時間に余裕があるので徒歩でのんびり。いや~~快適な気候で何よりですよ。

 

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去年一昨年と比べてゲートのモニュメントはだいぶ簡素なものになってしまっていました。

 

19年ずっとMCを務めているというサッシャさんからの注意事項を聴いた後、MARINE STAGEのトップバッターのThe Sherlocksのライヴを観る。

 

元々観る予定はなかったのでどんなバンドなのかすら予習していなかったのですが、サッシャさんによると二組の兄弟から成る四人組という珍しい構成のバンドなのだとか。見た目から言ってヴォーカルとドラム、ギターとベースが兄弟であろう!と睨みましたが、どうやら大正解だったようです。

 

曲としては王道ド真ん中のUKロック/オルタナティヴロックで、メンバー構成を除けばこのバンドならではの個性みたいなものは特にない様子。

 

しかし王道だからこそ、そのクオリティーの高さはダイレクトに伝わるというもの。特別何か難しいプレイをしているわけではないものの、至極安定した演奏・ヴォーカルを披露していました。特にドラムの重すぎずテクニカルすぎずの心地よいグルーヴが良いですね。

 

なんでもスタジアムでのライヴは今日が初めてだそうで、ギターとベースのデヴィッドソン兄弟はややステージの広さを持て余していたようには感じられました。この辺は場数を踏めばもっと良くなるでしょうね。

 

ヘッドライナーがノエル・ギャラガーである本日の客層にはなかなか受け入れやすい音楽性だと思われることもあってか、人数こそ多くないもののオーディエンスの反応は上々でした。ただ「歌ってくれ!」とサビのシンガロングを求めたときに、ほとんど歌声が上がらなかった(日本人に長い英語のフレーズは厳しいですよ...)のはちょっと気の毒になりましたが。

 

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The Sherlocksを観終わった後は、スタジアム前の広場をカキ氷を食べながら散策。そこでひと際シャレオツなムードを放つBillboard JAPAN Stageが目に留まる。

 

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シャンデリアがぶら下がった真っ赤なテント型のステージでNo Party For Cao Dongという台湾出身のグループが演奏中。民謡チックな雰囲気が漂うも、ドラムがエネルギッシュなため勢いのあるロックな印象を強めているのが良い。オーディエンスの歓声の大きさもなかなかでした。

 

その後はMARINE STAGEのスタンド席って行ったことないなと思い、プレイ中のRUELのライヴを座って鑑賞。2003年生まれの15歳(!!)というMARINE STAGE最年少のシンガーで、絵に描いたような中性顔イケメン。当然ながら黄色い声援が半端ない(アリーナの前半部分しか人がいないにも関わらず、スタンドまでデッカく響いてました)。

 

15歳なのに物怖じすることなく堂々と歌っており、ステージを端から端まで動き回るパフォーマンスも元気いっぱいで清々しいもの。バックのスクリーンには彼のオフショットやライヴのドキュメンタリー風の映像が流れており、何か以前似たようなことあったな...と思いましたが、LUNATIC FEST.のYOSHIKIさんですね(笑)

 

RUELのライヴが終わったと同時にスタンドを出て幕張メッセに向かいました。屋外にいたのは2時間ほどでしたが、結構日差しが強く、若干のバテ&日焼け。僕はかなり肌が白い方なので(大学時代バイト先の後輩の女の子から羨ましがられました/笑)多少焼けるくらいの方がいいかな。

 

 

BiSH

 

しばし時間を置いた後、HER NAME IN BLOODに続き本日二組目のお目当てであるBiSHを観にRAINBOW STAGEへ。このステージ、今日のラインナップは完全に邦ロックファンを隔離してますね(笑)

 

今日のタイムテーブルではMOUNTAIN STAGEのMARMOZETSと半分ほど被っており、そちらの方との兼ね合いをどうしようかな~と思っていたのですが、なんと今日になってMARMOZETSがヴォーカルの体調不良によりキャンセルという憂き目に。よって途中抜けはせずに最初から最後まで鑑賞。

 

静かなSEでメンバーが登場した後の一曲目は「Am I FRENZY??」で、レアな曲を聴けたのは良いのですが、正直フェスのステージの一曲目としてはだいぶ掴みは悪いと思う(笑) ただなかなかヒステリックで狂った感情を表現できていてインパクトは大きかったです。

 

WARPED TOUR JPで少しだけあったMCも今回は一切なし。ただひたすらに曲を連打することに徹したライヴで、初見のオーディエンスが多い中で確かな爪痕を残すことはできたのでは。

 

パフォーマンスは若干歌にふらつきが見られたところがあったものの(そんな中アイナさんの安定感は頭一つ抜きんでてた印象)、丁寧さが求められるようなタイプではないし、少し乱れがあった方がライヴの生々しさが引き立つのでこれはこれで良い。

 

選曲も変におとなしくなることなく、シングル曲を絡めつつ勢いに任せたものであったのが良かったですね。特に「Marionette」は好きな曲なので嬉しい。

 

不満としては「NON TiE-UP」がMVと同じショートバージョンで、最後の大サビに至るストリングスパートがカットされてた事(アツコさんのソロ歌唱パートと並んで重要な聴きどころだと思うんですけどねぇ...)と、やはりというか何というか、僕が一番好きな「ファーストキッチンライフ」がプレイされなかった事。フェスなら絶対ウケると思うんだけどなぁ~...って僕がただ単に聴きたいだけですが。

 

とはいえ充分にチャーミングなダンスもしっかりと観られたし、全体を通して満足度の高いステージではありました。

 

あとまったくもって個人的な意見を言わせてもらえば、チッチさんとリンリンさんは前の髪型の方が良かった(笑)

 

 

THE BLOODY BEETROOTS

 

少しまた時間を空けてのTHE BLOODY BEETROOTS。エレクトロミュージックを演るDJと聞き、あまり惹かれるタイプではなさそうかなあ~と思いつつも、とりあえず観てみるだけ観てみようとMOUNTAIN STAGEへ。特にツボにはまらなかったら他のステージ行きゃいいや、なんて思っていたのですが......

 

いやいや、他のステージなんか行けるわけないですよ。メチャクチャカッコいい

 

顔の上半分を隠したマスクを着用した3人組がテクノのような反復リズムを中心に据えたサウンドを展開するのですが、その音がATARI TEENAGE RIOTTHE MAD CAPSULE MARKETSといったバンドを彷彿させる、尖りまくったデジタルハードコア。中心人物のサー・ボブ・コーネリアス・リフォはもともとパンク畑出身というのも納得です。

 

とにかくステージ上の動きがスゴイんです。急にヒステリックなシャウトをしたと思えば、シンセが備え付けられた中央のお立ち台から何度もジャンプ(ちょいちょいコケてましたが/笑)、Sabatonのヨアキムよろしく、マイクを空中で回転させてキャッチ、ステージの端まで飛んで走って大移動。とにかくアグレッシヴで忙しない。

 

ただ単純に暴れまわっているのでなく、静かなパートではシンセ前に腰を据えてしっかりとメロディーを奏でる...のですが、その途中で乱暴に弾き倒して不協和音をバラまいたり、片足を鍵盤に乗っけたりと、だんだんボルテージが上がっていき、またまたシャウトからの大ジャンプ。いくらなんでも存在感放ちすぎです(笑)

 

この手のデジタルサウンドってノリの良さこそあれど、各曲の違いがあまり見いだせず、ずっと同じように垂れ流されていくと飽きが来てしまうのですが、彼らはその点をうまいこと緩急をつけまくったパフォーマンスで緩和している。少しライヴのテンションが下がったときはひとまずゆったり聴かせて、徐々に徐々にテンポを上げていき絶叫して観客のテンションを再び強引にブチ上げる。

 

そんな展開のライヴを約一時間ぶっ通しでやるので、メンバーの消耗度合いは尋常ではないと思うのですが(しかもマスク着用。ムレそう...)、最後までキレまくったアクションは健在。そんな熱すぎるパフォーマンスにオーディエンスも感化されたのか、中盤以降アリーナ前方は完全にダンスフロア兼モッシュピットと化していました。

 

そりゃあこんなのやられたら棒立ちではいられないですよ。今年のベストアクト候補かも。

 

 

MASTODON

 

THE BLOODY BEETROOTSの熱すぎるパフォーマンスで気を良くした後は、カオティックともドゥームともプログレッシヴともとれるような独自のメタルサウンドを追求するMASTODONの登場!最近なにやら"マストドン"という単語を良く聞くようになりましたが、それとは多分無関係です。

 

僕はストレートな疾走感があってメロディーがキャッチーなメタルサウンドを好むので、正直彼らの音はとても琴線には触れないのですが、暴れ狂うドラムを中心にどんなパフォーマンスをするのかちょっと観てみたかったのです。

 

ライヴ中は不気味な雰囲気を終始まとっており、先ほどまでのアゲアゲフロア感は完全に消失。MOUNTAIN STAGE中が彼らのサイケな空気に包まれました。歌がどうというよりは、この深淵な世界観にズブズブと身体を浸すのが正しい楽しみ方なのでしょう。オーディエンスもちょいちょいヘッドバンギングやメロイックサインを掲げるノリはありましたが、基本的にはみんな見入ってる。

 

バックのスクリーンには見ているだけで精神汚染されそうな、サイケデリックかつ気持ちの悪いバケモノの映像が流されており、目がチカチカしそうだった(笑) これを作った人の精神状態はどんなものだったのか...

 

ただ楽曲こそ不気味に彩られてはいるものの、しきりに「アリガトウ」と声をかけたり、MCでも素直に感謝を表したりとメンバーは意外とフレンドリーなんですが(笑)

 

僕にとっての注目ポイントである、世界観や疾走感の無さに反した、ブラン・デイラーの手数足数多すぎる爆裂ドラムはやはりさすがの一言でした。これだけ叩きまくりながらヴォーカルもとっちゃうのだからスゴイ。こういう人を変態と呼ぶのでしょう(笑)

 

彼らならではの凄みみたいなものは充分感じ取れたのですが、やはりちょっと僕の好みには当てはまらず、また連日の睡眠不足(もはや慢性的といえる)と、エクストリームな音のダブルパンチで強烈な眠気が襲ってきてしまいました。仕事中に容赦なく襲い掛かってくる猛烈な睡魔ですが、何もフェス中に来んなよ!!

 

演奏中に大あくびするのはさすがに失礼極まりないのでタオルで口元を覆い隠すのですが、僕はいざ睡魔に襲われ出したらあくびが止まらなくなってしまうので(睡眠関連は結構な悩みの種です)、後半はあまり集中できなかったのが実情です...

 

 

BULLET FOR MY VALENTINE

 

最新作『Gravity』がだいぶイマイチな出来であったものの、やっぱり本日のメンツで一番期待をかけちゃうのがこのバンド。

 

新作のナンバー「Don't Need You」「Over It」の2連発で早速フロア前方はモッシュピットと化し、僕もそこに混じる。このくらいのモッシュならBRAHMANに比べれば全然余裕さ!(笑)

 

バンドのパフォーマンスはなかなかの安定感で、マットのヴォーカルもかなり音源に近い歌唱をキープ、堂々とした立ち姿には余裕と貫禄がうかがえ非常にカッコいい。ジェイミーのシャウトの迫力も音源通りでバッチリ。

 

正直音源においてはあまりピンとこなかった新作の楽曲も、ライヴで聴いてみると案外悪くないんじゃ?と思いましたね。やはりメタルの最も重要な要素であるリフがしっかり磨かれているので、体を思いっきり揺らして楽しむライヴではより魅力的に響くのでしょう。ノリやすいし。

 

とはいえやはり盛り上がるのは1st~3rdの名曲たち。「Your Betrayal」のイントロが流れ出した瞬間、一気に沸き立つ。あんまりモッシュに向いた楽曲であるとは思わないのですが、そんなの関係ねえ!と言わんばかりにピットが発生。『The Poison』の楽曲だと宣言されてからの「4 Words (To Choke Upon)」で最初の沸点を迎えました。

 

「みんなの前で初めて披露する曲だ。ジェイミーに続いて歌ってくれ!」とマットが煽った後に「Not Dead Yet」をプレイ。この曲もあまりパッとしない曲ではありますが(笑)、ライヴになるとコーラスの一体感のおかげでなかなか魅力的に映えますね。

 

去年に正規メンバーとなったジェイソンのドラムソロを経て、「Army Of Noise」の疾走ギターソロ、名曲「Scream Aim Fire」には最高にアガりましたね。強烈な疾走感にヘヴィなモッシュパート、非常にキャッチーなメロディーが組み合わさった名曲です!ここで全力でサークルピットに突入!

 

その後は『Venom』『Gravity』収録の曲が続き若干会場全体のテンションが落ちた感がありますが(笑)、ラストは定番の「Tears Don't Fall」「Waking The Demon」の2連発でボルテージを最高潮まで持っていく。もちろん「Tears Don't Fall」におけるあのギターソロではサークルでグルグル回りました。屈強な上裸の男たちにも負けずに暴れ狂ってきたぜい。

 

 

凛として時雨

 

ここにきてサイレントディスコやキッズクラブは閉鎖され、物販も軒並み終了。否が応でも祭りの終わりを感じさせる光景に寂しさが募る。

 

しかしここで嘆いていてはダメだ。まだトリが残っている。MOUNTAIN STAGEのQUEENS OF THE STONE AGEに惹かれつつも、RAINBOW STAGEの凛として時雨を選択。一度は観てみたかったバンドながら、なぜか今まで観る機会に恵まれなかったため、ここでどうしても彼らのライヴを体感したかったのです。

 

時雨まで少し時間があるのでBULLET FOR MY VALENTINEで消耗した体力の回復に努める。コーヒーゼリーフラッペでお腹と心を満たす。美味~い♪

 

サマソニ2018_7

何か似たようなもの以前食ったな...と思いましたが、VIVA LA ROCKで全く同じやつ食ったわ(笑)

 

そして頃合いを見計らって、本日最後のライヴアクトを観にRAINBOW STAGEへ。

 

ほとんどノイズという、普通のアーティストじゃ絶対登場SEとして採用しない音で出てくるところからしてもうなのですが、一発目の「傍観」で完全にバンドの異質感が浮き彫りになる。

 

透き通るようなTKさんの高音ヴォーカル、幻想的な照明効果と合わせて、冷たくも決して無機質な印象を与えない独自極まる時雨ワールドが場内を包み込み、もうそこからステージに目を離すことは不可能。耳をつんざくTKさんの猛烈な速弾きが炸裂するも、その世界観にすっかり取り憑かれたオーディエンス(僕含む)は手を上げることすらできず、ただただじっとバンドを見つめることしかできませんでした。カオティックハードコアと呼べる熾烈な音を出しながら、ここまで「アート」としての音楽を体現できるバンドはそう多くないのではないかと思います。

 

そして"凛として時雨とはどんなバンドであるのか"を最もわかりやすく示している(と個人的に思っている)名曲「Telecastic fake show」「Nakano kill you」の2連打でこのライヴが最高のものになることを確信。複雑に練りこまれつつ様々な表情を見せるTKさんのギターと、そんな激音に一切埋もれることなくアンサンブルをがっちり支える345さんのベースの存在感が素晴らしく、そんな音の塊になすすべなく圧倒されるだけ。ほんとバケモノ並みの演奏力・表現力ですわ...

 

ただピエールさんのドラムは音響の問題なのか、「Nakano kill you」における激速バスドラ連打があまり聴こえなかったのは非常に残念。っていうか全体的にドラムの音汚くありませんでした?僕だけ?

 

しかしそんな不満も縦横無尽に乱舞しまくる演奏の応酬で吹き飛び、そこから「abnormalize」まで飛び出したとあっては、満足するなという方が無理な相談ってやつです。「狂気と静寂の共存」をテーマに、時雨らしいカオスな演奏と、キャッチーでクールなサビを同時に堪能できる名曲。ラストの「目に見えるものだけの"世界"現象~」の展開には心が震え、渾身のヘッドバンギングで応えました。

 

しかしそんな孤高の世界観は、唐突に挟まれるピエールさんのMCですべてブチ壊し(笑)

何だよ三三七ウルトラソウルって。

 

ユル~~いMCで先ほどまでの張りつめた緊張感がウソのようにほぐれたあとは、最新作のリード曲「Chocolate Passion」で再び時雨ワールドを展開。膝を小さく曲げて体でリズムをとる345さんの可愛らしい動きに萌えつつ(?)、鋭く突き刺さるsadisticな激音を存分に浴びることができました。「感覚UFO」におけるTKさんのガムシャラな叫びも、「ディーースコフラァ゛ァ゛ァ゛ーーイ!!!」も聴けて満足です。

 

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こうして夏の祭典は終了。

去年と比べてフラフラ会場を回る時間が多く、ほとんど屋内で花火も見れなかったため、充実度では去年ほどではありませんでしたが、それでも非常に楽しかったですね。バンドとガチンコでやりあうワンマンも良いけど、やっぱりフェスはフェスで良いものです。

 

ただちょっと気がかりなのは、去年、一昨年と比較して来場者が少ないと感じたこと。どのステージも前から後ろまでビッチリという瞬間があまりなく、ちょっと寂しさを覚えてしまいました。まあその分移動しやすく快適ではありましたが。今年はそこまでメンツが派手ではなかったからですかね?(少なくとも僕の感覚ではそう感じた)

 

クリエイティブマンには何としても来場者数確保のために頑張ってほしいところ。LOUD PARKが無くなり、その上サマソニまで無くなっちゃうのは寂しいですから。