ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

2/17 HEADBANG HELL ON EARTH Vol.2 at 新宿BLAZE

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僕も毎号買って愛読している、今一番熱い音楽雑誌『ヘドバン』の編集部が企画したHEADBANG HELL ON EARTHに行ってきました。

 

ヘビメタ一筋で生きてきた熱き男THE冠、80年代後半~90年代前半のバブリーな雰囲気を今に継承するベッド・イン、そして伝説のロックバンド・Xの初期を再現したX-HIROSHIMAという、いかにもヘドバンチョイスらしい濃すぎるメンツに期待しかしていませんでした。

 

しかし開催直前になってX-HIROSHIMAがまさかのキャンセルという事態に。具体的なキャンセル理由が明かされていないので、何とも言えないのですが、ヒジョ~~に残念無念...。まあ残りの二組だけでも充分お釣りが来るくらい楽しめるからいいんですけど...。

 

どう頑張っても慣れそうにない歌舞伎町という環境を通り抜け、開場の17:30ちょうど位に新宿BLAZEへと到着。新宿にはもう何度も足を運んでいますが、何気にこのハコは初めてでした。

 

荷物をコインロッカーに預け、ワンドリンクのビールをくいっと飲み干しフロアに入ると、二日前になって急遽DJとしての出演が決まったというMary's BloodのギタリストであるSAKIさんが、爆音でXの「X」をプレイ中。X-HIROSHIMAがいないからこその選曲なのでしょうか。生のライヴで聴きたかったな...。まあ名曲だけに文句なしに心躍るのですが。

 

その後BABYMETAL「イジメ、ダメ、ゼッタイ」、METALLICA「Enter Sandman」とヘドバンお馴染みのナンバーを聴きつつ、最初のアクトであるベッド・インのライヴがスタートしました。

 

 

ベッド・イン

 

ディスクユニオンのフリーペーパーであるFOLLOW UPに連載されていたコラム、ヘドバンで何度か組まれた特集において、だいぶ前から存在は認知していた地下セクシーアイドル。ライヴはもちろんまともに楽曲を聴くのも初めてでした。

 

ピッチピチのボディコンに身を包んだ二人が登場すると、フロア前方ではバブルの象徴とも言える(?)ジュリ扇があちらこちらで掲げられる。バブル期にはこうした光景がクラブで見られていたとは、僕にはちょっと想像がつきませんな...。正直この時代の若者として生を受けなくて良かったと思ってしまいます(笑)

 

しかしライヴ自体は結構......いや、予想以上にカッコよくて魅力的。元々バンドで活動していたとのことだけあり、ヴォーカルの益子寺かおりさんは単純な歌唱力、声量だけみてもかなりの高水準で、ギター・ヴォーカルの中尊寺まいさん(SGギターの裏にGAUZEのステッカーが貼ってあるのがイカす)のアグレッシヴなパフォーマンスには華がある。弾き姿もビシッとしててカッコいい。

 

そしてバックバンドもプロフェッショナルで、特に長髪をブン回しながら90年代J-POPの風味を醸し出すキーボードが特に印象的でした。

 

MCでは下ネタと死語を連発しつつも「これがあと15分くらい続きますからね」「ここは最初から最後まで笑うところですよ」「パソコン通信っていうのはGoogle検索の事ね」とついていけない人へのフォローもしっかりしているのが親切でしたね(笑)

 

ライヴ終盤にはヘドバン編集長の梅沢さん(TANKのロンT着用)とその部下らしき人をステージに上げ、スーパーJOCKEYの生着替えを披露。ボディコン姿から大胆なビキニへと変貌を遂げましたが、どうも色気を感じないのは何故なんだぜ(笑)

 

 

THE冠

 

ジュリ扇のゴミがフロアのあちこちに落ちている中、上手前方でそのまま待機。SAKIさんの選曲はSLAYER「Angel Of Death」、PANTERA「Fucking Hostille」、ARCH ENEMY「Blood On Your Hands」など、ここにきて急にエクストリーム寄りになっていました。

 

しばらく待ってから暗転し、お馴染みのSEが流れバンドメンバーが登場。やはり基本はメタル野郎ばかり(女性客も結構多かったですが)のためか、ベッド・インよりも反応はすこぶる良い。

 

そしてメインの冠さんを除けば、圧倒的なまでの存在感を放つK-A-Zさんに釘付けに。先述の通り僕は今回上手側にいたため、これまでで最も距離が近かったのですが、その巨体に鋭い眼光、長いドレッドをなびかせタバコの煙をもうもうと吐き散らすその姿からはすさまじいオーラが漂っている。夜道に出くわしたら間違いなくビビるな。

 

ただ冠さんとK-A-Zさんの存在が大きすぎるがゆえに、他メンバーはほとんど目立たない扱いに(特にベース...)。せっかく実力者揃いなわけですから、もうちょっと前に出るパフォーマンスをしても良いのではないか。まあ冠さんを立ててるのかもしれませんが。

 

一発目は最新作からの「奪冠」で、フロア中央には早速モッシュピットが発生、前方ではおよそメタルヘッズには見えない女性客(SADSから流れてきた人でしょうか)までがヘッドバンギングの嵐。ベッド・インの歌謡ロックもカッコよかったですが、やはりこの正統派メタルサウンドが僕のツボに一番ヒットするな!甘さの無い轟音と、冠さんの相変わらずハイレベルなメタリックシャウトはたまらん!!

 

強烈なシャウトがギンギンながら、サビでの歌心も忘れない「傷だらけのヘビーメタル」「最後のヘビーメタル」というTHE冠節炸裂の2曲も披露され(できれば「帰ってきたヘビーメタル」も聴きたかったけど)、一心不乱のヘッドバンギングとメロイックサインで応える。

 

MCではオーディエンスからのハゲコールを受けながら「「奪冠」って曲でハゲてないわって歌ってんのに、何にも広まってない!」と毒づいたり、「他の雑誌には一切呼ばれないけどヘドバンは何度も取材してくれる。BURRNも来てくれたらいいのにね」とこぼして笑いを取りつつ、変なメタルと呼ばれながらもデビュー以来ずっと消えないメタル愛、メタルを世に広める自身の使命を表明してくれました。

 

寸劇的な要素を取り入れた「哀罠メタル」で恒例のスポットライトを浴びて会場を沸かせ、非常にキャッチーなサビと怒涛の勢い、熱すぎるシンガロングを設けた屈指のキラーチューン「糞野郎」がプレイされると、今日イチのサークルピットが出現し、モッシュやツーステ(やってるのは一人だけでしたが)も出現。ここにきて盛り上がりは最高潮に達しました。やっぱこの曲は格別だな。

 

アンコール前ラストの「初志冠徹」までシャウトのキレやパフォーマンスは一切衰えを見せず、最後まで面白おかしく、メタル愛に溢れたTHE冠流ヘビーメタルを存分に味わうことができました。徹頭徹尾ストイックなメタルももちろん素晴らしいですが、こういうエンタメあふれるステージも良いもんです。ここまでメタルという音楽を楽しく、高いクオリティーで魅せることができるのはTHE冠が最高峰でしょう!

 

アンコールではグラサンにやたら肩の出っ張った銀ピカのジャケットに身を包んだ冠さんと、ベッド・インの二人によるアン・ルイスの「六本木心中」のカバー。

 

......こんなパフォーマンスがテレビで流れていたとはスゴイ時代だったのだなぁ~...(汗)

今のテレビ業界は規制規制でつまらないとよく言われますし、僕もそれを否定したいとは一切思いませんが、それと同時にこんな映像をお茶の間で見たいとも思いません(笑)

 

メタルとバブルが一緒くたになった濃厚な2時間でしたが、やはりヘドバンという雑誌そのものが濃すぎるだけに、イベントを企画するとここまでアクの強いものになるのだなあと思いましたね。ここにX-HIROSHIMAがいればさらに満足度アップだっただけに残念ですが、非常に楽しい特別なライヴになりました。ヘドバンさん、次回もクセのあるラインナップで頼んます。