ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Children Of Bodom 『Hexed』

Children Of Bodom 『Hexed』

メロディックデスメタルというジャンルの代表格としてのポジションを今なお持ち続け、ここ日本でも高い人気を誇るChildren Of Bodomの記念すべき10枚目のアルバム。

 

メタル史に残る名盤『Hate Crew Deathroll』をはじめ、初期の彼らの楽曲のカッコよさはまさに神がかりとすら言えるレベルでしたが、個人的には『Blooddrunk』以降の作品は悪くはないものの物足りない印象でした。

 

前作『I Worship Chaos』なんかは彼らのアルバム群の中でもとりわけパッとしない出来で(客観的には充分カッコいい音ではあるものの)、満足のいく作品とは言い難かったというのが本音。もう彼らにかつてほどのソングライティングのセンスは無いのかなー...とちょっと寂しく思っていました。

 

しかし本作が発売された後、「初期を彷彿させるようなメロディアスな作風」みたいな評価がよく聞かれたため、さすがにクサいネオクラフレーズ満載の作品にはならなくとも、そこそこキャッチーな感じに仕上がっているのかなと過度な期待はしないよう気を付けつつ(笑)聴いてみました。

 

噛みつくような粗野なアレキシ・ライホのヴォーカル、テクニカルで密度の濃いインストパート、ダイナミックでありながら北欧の冷気と透明感を感じさせるキーボードと、一発でCOBサウンドとわかるスタンスは相変わらず。

 

そしてそこにキャッチーで聴きやすいメロディーが確かに息づいており、前作と比べて明らかにメロディアスさが増強されていることがわかりました。最初は「おっ!いいんじゃないコレは!?」とちょっと思ったのですが......

 

う~~~~ん......何だろう。決して悪くはない。疾走感もあり、リフも鋭く研ぎ澄まされていてザクザク響く。普通にカッコいいアグレッシヴな音を鳴らしている。

 

それなのに今一つ燃えない。かつての作品を聴いたときに心の内から湧き上がってきた「カッケエエーー!」の気持ちが、本作を聴いた後ではどうにも少ない(無いわけではない)

 

イントロからCOBらしさ全開のフレーズがお出ましするM3「Glass Houses」、つんのめる疾走感と荒くれシンガロング、ギターとキーボードのソロが炸裂するM5「Kick In A Spleen」、どういう風の吹き回しか、かつてのようなキラキラネオクラフレーズが舞いド派手に疾走する様を見せつけるM7「Hexed」など、ひと際注目に値する良曲もきちんと収録している。そういう意味では従来の彼らのファンの期待に応える作風と言えます。

 

しかし音作りが軽くてイマイチ迫力に欠け(前述のとおりリフ自体はソリッドでカッコいいが)、暴力的なまでの勢いもなく、小さくまとまっていてやや地味。全体的に"薄味になった『Follow The Reaper』"みたいな感じなんですよね。

 

カッコいいかカッコよくないかで言えば普通にカッコいいし、決して駄作などでもないので、ファンなら楽しめるのは間違いないと思います。ただやっぱり彼らのカッコよさはこんなもんじゃないはずだよな...。

 

同じメロデスの代表格とされるバンドにARCH ENEMYIN FLAMESがいますが、前者は未だ枯れ果てぬメロディーセンスを武器に良曲を連発、後者は賛否別れつつも方向性を変えて、新たな魅力を見出せる曲を作りそれぞれブラッシュアップしている中、COBは何だか停滞感が感じられるのが厳しいところ。まだまだ期待も応援もしているのですが。

 

M2「Under Glass And Clover」 MV

 

M6「Platitudes And Barren Words」MV