ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

sumika 『Chime』

sumika 『Chime』

どうにもここ最近体の調子が良くない。疲れがなかなか取れないのです。

 

それは単純に仕事が忙しいからというのもありますが、やはり睡眠不足が原因なんでしょうねえ。現在の僕の常駐先のオフィスは自宅からメチャメチャに遠いので朝が早くてキツイんですよね(だったらこんなブログ更新してないでさっさと寝ろと思ったそこのあなた、そう思ったあなたは誠に正しい/笑)

 

そんな疲れ切った体を癒してくれる音楽として、このsumikaというバンドは本当に良い働きをしてくれます。体のダルさや頭の重さを感じているときに、ヘヴィでアグレッシヴなメタル、激情と疾走感を持つパンクはやや疲れを助長してしまう恐れがあるのですが、彼らの音楽はスッキリと染み渡ってくる。

 

突き抜けるような青さ、爽やかさを持ちつつも、そこはかとなく切ない叙情性を帯びたポップなメロディー、そんなメロディーをしっかりと活かした片岡さんのヴォーカル、弦楽器や管楽器を効果的に使用し、様々な音色で曲を彩るアレンジなど、クセや雑味の無い非常に聴きやすいサウンドが武器。

 

初のフルアルバムである『Familia』、および珠玉のポップメロが詰まったミニアルバム『アンサーパレード』は、僕が彼らに求める温かみのあるポップチューンが目白押しの作品で、本作においてもそういった楽曲を期待して購入しました。

 

そして冒頭3曲はまさに僕好みのポップさが弾けた実にsumikaらしい曲となっており、この時点で僕の疲労指数はガクッと下がる。やっぱり彼らのメロディーは傷ついた体に染み入るなあ...。

 

特にアニメ映画『君の膵臓を食べたい』の主題歌となったM2「ファンファーレ」は最初から最後まで胸キュン度MAXのメロディーが冴えわたる楽曲で大いに満足。

 

しかし皆さんもYouTubeの広告でさんざん聴いたと思われるM5「ホワイトマーチ」以降の楽曲群は、そんな僕が求める楽曲の方向性から少し変化していることがわかります。曲調のふり幅が前半と比べ明らかに大きくなっているのです。

 

それ自体は別に悪いことではなく、むしろ一本調子にならずに飽きがこないと言えるかもしれません。ただ幅が広がったことによって、頭3曲で聴かれたようなストレートなメロディーの魅力がやや薄れてしまっているように感じるのはちょっと痛い。

 

中盤のインストパートなんかもはや完全にジャズのM6「Strawberry Fields」や、まるでUNISON SQUARE GARDENかと言いたくなるような早口ロックのM10「Flower」は新機軸と呼べる曲。曲単体で見てみれば特別悪い曲だとは思いませんが......それこそ「ファンファーレ」のような曲がもっと聴きたい身としては、正直あまり彼らの魅力を感じ取れるとは言い難い。

 

バラードはどれもが悪くないメロディーを持ってはいるものの(特にM13「ゴーストライター」)、さすがにちょっと数が多すぎる感がある。せいぜい2曲くらいに抑えて、残りはもうちょっとアップテンポで爽やかさを打ち出した方が嬉しかったですね。

 

なまじ前半の流れが良かっただけに、後半にさしかかってスローダウン(というか僕の好みから遠くなっただけですが)してしまったのはちょいと残念でした。楽曲のバラエティは前作くらいのバランスが一番良かったかな。

 

あとどうでもいいことですが、前作のタイトルトラックM14「Familia」が今作に収録されているという点で、「Black Earth」が収録されているARCH ENEMYの2ndアルバム『Stigmata』を思い出しました。sumikaのアルバムを聴いてARCH ENEMYを連想するのは恐らく世界中で僕一人でしょうね(笑)

 

M2「ファンファーレ」 MV

 

M14「Familia」 MV

何故こんな中途半端な位置で切れるのか。ラストのサビまでいったんだからフルにしちゃえばいいのに。