ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

weezer 『Weezer (The Black Album)』

weezer 『Weezer (The Black Album)』

「泣き虫ロック」を標榜し、その名に違わぬ泣きに泣いたメロディーで人気を博す、エモ/オルタナティヴロックバンドの、前作より二年ぶりとなるフルアルバム。セルフタイトルのとなるのはブルー・グリーン・レッド・ホワイトときて5枚目になります。

 

彼らの最大の魅力と言えば何といってもその泣きまくりのキャッチーなメロディー。一応パンクの系統のバンドとしてとらえられているのですが(たぶん)、ハードコアのような激しさはほぼ皆無。とにかくひたすらに落ち着きながら、叙情性たっぷりのメロディーを奏でるのが強みです。

 

僕はやはりロックにはギャンギャンに歪んだ激しいサウンドを求めているのですが、やはり良い曲かどうかを判断する最大の指標はメロディーであることは間違いありません。彼らお得意の泣き虫メロを存分に感じられることを期待して購入しました。

 

そして結論から言うと、期待外れとはいかないまでも、全体的にちと泣きが弱いかなと。メロディーがやや淡白に響いてしまい、胸を打つ切なさが控えめに映りました。オープニングからM1「Can't Knock The Hustle」というヒップホップっぽさ(?)すら感じる曲で、出鼻をくじかれてしまうのもそう感じる一因でしょうか。

 

カラッとしたアメリカンな印象になったというわけではなく、従来の彼ららしい綺麗なサウンドは今作も健在です。M5「Piece Of Cake」のトゥットゥルル~言いまくるコーラスや、M6「I'm Just Being Honest」の優しく包み込むような柔らかい音作り、M10「California Snow」のサビにおけるリヴァース・クオモのファルセットなどにおいてweezerを実感できます。

 

ただいかんせん歌メロが弱めに感じ、あまり心に引っかかることなく流れていってしまいます。もう少しキャッチーかつ泣いてくれないと、メロディーセンスに惚れ込んだ身としては物足りなく感じてしまうというもの。雰囲気モノとして聴く分には全然悪くないと思うのですが、もうちょっと叙情性に酔わせてほしかったな。「Say It Ain't So」「O Girlfriend」「California Kids」のような胸の奥を鷲掴みにする強烈な叙情性に。

 

しかし全体的には物足りないと思っていても、キラーチューンと呼べる曲は確実に存在しています。それが前半のM2「Zombie Bastards」、そしてそこからノンストップでつながるM3「High As A Kite」の二曲!

 

どちらも実にweezerらしさ満載の胸キュン度MAX・切なさMAX・青臭さMAXの絶妙なメロディーが聴ける名曲で、特にM3なんか儚いピアノ、バックに流れるバンドサウンドに至るまで泣きまくり!!ラストのサビの"ハァ~~アア~~~(↑)アアアア~~~(↓)イ♪"が特にイイ!!(笑)

 

こういったメロを他の曲にも充実させてくれればもっと満足度は高くなったんですけどね。アルバム通して聴くとちょいと不完全燃焼な感じは否めない出来です。クオリティー自体は相変わらず高いし、他曲も決してつまらなくはないんですけどね。

 

M2「Zombie Bastards」 Official Audio

 

M3「High As A Kite」 MV

イントロからもうたまらん。ちなみにこのMVはアメリカの国民的子供番組『Mister Rogers' Neighborhood』のパロディだそうです。