ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

CODE AXE 『Sick Of It』

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AIってすごい。

 

YouTubeを開くと、「あなたへのおすすめ」と題して、僕が好みそうな動画を表示してくれる。今でこそ当たり前に実装されてるこの機能だけど、冷静に考えればすごい話。話したこともない無機物が、「これ、お前好きそうだよ」と勧めてくるんですもん。

 

今回取り上げるバンド・CODE AXEも、その機能のおかげで知ることができたバンド。タワーレコードのサイトで検索かけても、コンピ1枚しか出てこないインディーズバンドを、特にライヴハウスに通い詰める事もなく見つけられるとは(味気ないという感覚が無いわけじゃないが)

 

さて、このCODE AXEというバンド、2016年に長崎で結成された若手バンドで、音楽性はまさしく正しきメロディックハードコア。青春パンクとかポップパンクとか、そういう呼び名ではなく、キチンと「メロディックハードコア」と呼びたくなる音を鳴らしている。

 

つまりは硬派寄りの音楽性なんですね。ポップさを持ち合わせていながらほんのり哀愁がかったメロディー、ガッチリとタイトにまとまった硬質な演奏、甘さの無いヴォーカルの声質で、ヘロヘロ女々しい印象は皆無。

 

一番近いと思ったのはSTRUNG OUTかな。どこか翳りある歌メロが、時としてメタリックと形容できそうなサウンドに乗っかり疾走する。速弾きやツインリードも一部で使われなかなか熱い!

 

今の日本の音楽シーンはかつてのバンドブームなどどこ吹く風、ロックバンドが大衆の注目を集めるなんてよっぽどのことがない限り起こらず、ちょっとロキノン系シーンで注目を浴びるバンドが現れても、ハードなサウンドで勝負をかけるようなバンドではまずないでしょう(CDショップのバイトを辞めてから、日本のメジャー音楽シーンの流れにはだいぶ疎くなってしまったのですが、多分この感覚に間違いはないはず)

 

しかし翻ってこのバンド、まさにキッズを熱狂させるメロディックハードコア!こんな音が2021年の今になって生まれてくるとは、かつてこの手の音楽を欲しまくった身からするととても感慨深い。

 

今から10年くらい前の高校時代、部活が終わっては自転車かっ飛ばして大通りまで行き、タワーレコード札幌PIVOT店のJ-PUNKコーナー(当時はもっとコーナーが大きくて枚数も充実してた)に入り浸っては、気になる新譜をガンガン試聴していた頃。その頃にもし本作と出会っていたら、神速でレジまですっ飛んでいっただろうな。

 

そんな僕は今27。すでにアラサーの域に足を踏み入れているという事実に目を逸らし続ける毎日を送っていますが、そんな僕でもまだこの手のサウンドでここまで熱くなれるとは。心の中の17歳の自分が飛び跳ねてやがる。

 

M1「Tresure Trove」からのM2「Sick Of It」の流れなんて、まさに"THE・メロコア"って感じなんですよね。オープニングナンバーが1分ほどで終わる爆速ショートチューンで、間髪入れずにどこか明るくなりきれない憂いを帯びたドストレートな疾走メロコアへってパターン。「ああ〜〜!コレコレ!そうだよ!メロコアのアルバムってこうだよね〜〜!!」と思いまくりですよ。嬉しくなっちまうな(笑)

 

特に気に入ったのは、爽やかさと哀愁を両立した歌メロがエモ的で実に気持ちいいM4「No Reason」、本作中最もハード寄りのリフ、STRUNG OUTやSUM 41にも通じるメタルばりの速弾きでキッズの熱狂を呼ぶこと間違いなしの激アツ疾走ナンバーM5「Answer(相変わらずこういう曲大好きだな俺)、そしてYouTubeでMVを偶然見かけ、一気に僕の心を捉えたハード&キャッチーなM7「Ship」の3曲。その他の曲も出来が良く、捨て曲は無し。

 

いや〜〜、久々にガツンと来るメロコアバンドに出会えた気がします。マッシュルームカットのヴォーカルが歪みの薄いギターロックに乗せて歌うタイプのバンドが大量に出てきたシーンの流れにどうしても馴染めなかった僕にとって(笑)、この音はまさに日本のロック/パンクバンドに求めている理想系の一つ。

 

まあ、この手のバンドも掃いて捨てるほどいるじゃんと言われればそれまでなんですが、熱狂的な音であることは間違いないので、熱く激しいバンドが足りん!という人はぜひ視聴だけでもしてみてはいかがでしょうか。00年代にSUM 41辺りで青春を謳歌していた元キッズも懐かしく感じるかもしれません。

 

 

個人的に本作は

"ハード&ファストなサウンドで硬派に突っ走る、男のメロディックハードコア。キッズの心を熱く燃やすための音"

という感じです。

 


www.youtube.com

 


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