ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

2/27 MEGADETH / Japan Tour 2023 at 日本武道館

BIG4の一角を担う、インテレクチュアル・スラッシュメタルバンドMEGADETHの、日本武道館公演に行ってきました。

 

...え?なんでライヴから2週間以上も経っている今、ライヴ感想をあげるのかって?

 

仕事が忙しくて長文書く気力がなかったからだよ。

言わせるんじゃないよ。

 

3月に入ってから、大型案件が一通り片付いて(まだ全然片付いてねえけどな)、少しは忙しさから解放されるだろうと思ってたのによ。なんでたいした議題もねえのにわざわざ週次定例やろうとすんだよクソが.......って失礼しました。

 

BIG4の中では、最も現在進行形で良い作品を生み出せている感のある彼ら。最新作『The Sick, The Dying... And The Dead!』も素晴らしい内容だっただけに、このライヴは観てみたい気持ちが早くから芽生えていました。

 

しかし悲しいかな、月末の月曜日という日程はなかなか厳しく、仕事の忙しさがどうなるか見通しも立ちにくいがゆえに、割と直前までチケットは買わずにいたのです。

 

そんな中、みなさんご存知の通りこの武道館ライヴにおいて、かつてバンドの黄金期を彩ったギタリスト、マーティ・フリードマンがライヴに参加するというニュースが流れてくるではありませんか。

 

僕は基本的に「現役のバンドなら、下手に過去を顧みるようなことしなくてもいいんじゃない?」な考えを持ちがちではあるのですが、一夜限りで黄金期のメンバーが演奏する姿を観られるというのに、惹かれない訳はない。何せマーティが在籍していたのは1990年から2000年まで。僕の世代的に「MEGADETHのマーティ」を生で観るのは不可能なので、この機を逃したらもうこんなチャンスは来ないかもしれません。

 

PUNKSPRINGやLOUD PARK、その他もろもろのライヴの出費で痛めている財布にムチを打ち、奮発してS席を購入。当日の仕事をさっさと終わらせて、武道館へと馳せ参じてやりました。

 

結構ギリギリになってチケット買ったから、あんまり良い席じゃないだろうな〜、でもS席だからある程度の観やすさは担保されてるよな、とか思いながらチケットに記された席番号に座ってみると......

 



横だ。

 

うん、完全に横。

 

これは......う〜〜〜〜ん、どうなんでしょう。距離的に言えば割と近めで、肉眼でしっかり視認できるような席ではある。しかし、スピーカーやらスクリーンやらの設備で、ステージ全域を見渡すことはできなさそうだ...。まずドラムセットはほぼ見えねえ。

 

しかしこの角度からライヴを観られるというのもなかなかない経験。これはこれでの精神で臨むことにしましょう。観客席もほぼほぼ一望できる位置でしたが、月末の月曜日という社会人には厳しいはずの日程にも関わらず、人でビッシリ。

 

開演時間を少し過ぎたあたりで暗転。位置が位置だけに、バックのスクリーン裏にスタンバイをするデイヴ・ムステイン大佐の姿が確認できる。これはこの位置ならではの景色だな。

 

スクリーンに「18」の文字が映し出され、名曲「Hanger 18」からスタート。無機質さの中に滲み出る叙情性が美味しい曲で、早速場内の熱気が高まる。

 

演奏のタイトさはさすがの一言で、特にANGRAで鍛えられたキコ・ルーレイロのプレイは正確無比。シュレッドソロの音の粒の揃い方、ダイナミックさは感嘆モノ。どうしても彼は「ANGRAのギタリスト」のイメージが拭いきれないところがあるのは確かですが、ステージ上の見栄えにおいて違和感は全くない。

 

ステージ上のアクションが最もアクティヴだったのが、ベースのジェイムズ・ロメンゾで、ベースを銃のごとくオーディエンスに向けたり、ステージの端から端まで移動してアピールしたりと、見応えの面での貢献は一番大きかったのではないでしょうか。武士道Tシャツも決まってます。

 

不動のフロントマンであるデイヴですが、最初のうちはちょっとヴォーカルが聴き取りくい。バックの演奏はリフに次ぐリフのアグレッシヴなものであるためか、やや埋もれ気味で歌をたどるのが少し難しい。まあガンを乗り越えた還暦越えの人が、これだけトゲトゲしいサウンドに乗せて歌うのは、なかなか厳しいものがあるのは仕方ない。

 

...と思っていたら、中盤から後半にかけた段階になってくると、だいぶヴォーカルの通りは良くなってきました。音響の問題だったのか、彼の喉が温まってきたからなのか。

 

セットリスト的には新旧の名曲・佳曲をぎっしり詰めたもので、聴きどころ満載。新作の曲をもう少し多めにしてもいいのではとも思いましたが、これだけ代表曲をバンバン続けてくれたら、もう文句を言ったらバチが当たるというものでしょうね。

 

実は僕はMEGADETHのライヴを観るのは今日が初めてといっていい(LOUD PARK 15で後ろの方からちょろっと観たことがあるくらい)。そんな僕にとって、結構意外だったのが、予想以上に彼らのライヴに、HR/HMコンサートとしての見栄えがあったこと。

 

というのも、彼らの音楽ってアグレッシヴではあるものの、血の通った激情のサウンドというより、無機質で機械的な印象が強くてですね。もっと冷徹、冷静、緻密なものをイメージしていたんですよ。ここまでライヴアクトとしての盛り上がりを演出できる熱量があるとは、良い意味で予想を裏切られました。

 

The Thread Is Real」「Soldier On!」といった新しい楽曲群も十分以上に、ライヴの見所として映えていたところに、彼らが現在進行形で良曲を生み出せる現役バンドであることを証明していましたね。特に「Dystopia」のザクザクしたリフが迫ってくる様は、輪をかけてエキサイティング。彼らの魅力であるリフをこれでもかと味わい尽くせる瞬間。

 

それだけでも最高なのに、後半には本日一のお待ちかねの瞬間がやってくる。スクリーンに若かりし頃の彼の姿が映し出されると、際立って歓声が大きくなることが手に取るようにわかりました。

 

そう、マーティ・フリードマンの登場です。

 

日本語ペラペラのマーティではありますが、今回はライヴのカラーを尊重してか、特にMCでしゃべるようなことはせず、終始演奏に徹していました。

 

プレイされた楽曲は3曲のみでしたが、「Countdown To Extinction」「Tornado Of Souls」「Symphony Of Destruction」という強力な名曲。デイヴとマーティが向かい合ってギターを弾き倒す瞬間は、往年のファンなら感涙モノだったのではないでしょうか。僕ですら「歴史的瞬間を見てる!この光景を網膜に焼き付けるんだ!」と必死でしたから。

 

そしてマーティのギターソロ。彼がひとりでステージ前方に立ち尽くし、猛然と疾走するソロを弾く。MEGADETHの名のもとにただひたすらに弾く。

 

その時はマーティの最大の見せ場だという意識があったのか、他の3人は後方のドラムセット付近に固まって、完全にバッキングに徹していました。ここで会場の全視線がマーティに集中していたでしょう。

 

あえて長めのMCとかで感慨を述べたりとかせずに、ひたすらにかつての楽曲を全員でプレイすることにのみ終始したのも、ヘタな感動演出無しで、緊張感が途切れないように作用していたと思います。

 

マーティが去っていったあとは、いよいよクライマックス。かつてあったはずの日本武道館公演から、30年越しのこの日を迎えたことを暗示するかのようなタイトルの「We’ll Be Back」でギアをさらに一段階上げて、そこからの超名曲「Peace Sells」「Holy Wars... The Punishment Due」という2連発。

 

"Peace sells... but who's buying!"のシンガロングは間違いなく本日最も会場が一つになった瞬間でしたし(このパート、音源で聴いただけではここまでライヴで映えるとは思いませんでした)、最後の「Holy Wars...~」のデイヴのギターソロは、先ほどのマーティと重なる姿で、鬼気迫るスピーディなソロを披露。僕の見てる角度からは、デイヴの丸まった背中に隠れて手元は見えなかったけどね(笑)

 

 

90分という中で、新旧の名曲連発、マーティとの共演による圧巻のハイライトが用意された、想像以上に素晴らしいライヴでした。ドラムだけほぼ視認できない位置ではありましたが、それを差し引いても最高。新作が良かっただけに、新曲をもう少し増やしてほしかった気持ちはありつつも、そんな細かなことはどうでもよくなるほど充実のアクトなのは間違いない。

 

まだまだメタルバンドの来日はあるでしょうし、全メタルファン注目のLOUD PARKが控えている状況ですが、それでもなお、早くも2023年のベスト・メタルライヴだと言いたくなるものでしたね。忙しさをはねのけてでも行って良かったです。