ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

SAY MY NAME. 『JUST OK!!!』

  • 全曲にキャッチー極まりないメロディーが充実
  • このバンドならではの個性はほぼ無し
  • メロディーが気にいるか否かで全てが決まるかも

 

つい先日、仕事帰りにコンビニに寄った時、たまたまELLEGARDENのベーシストの高田さんに遭遇しまして。

 

あまり迷惑になるのもよくないだろうと、特に話しかけたりはせず、横目でチラチラっと見るに留めましたが、こういう偶然もあるもんだな〜と思いました。

 

そしてこのブログでは、前回のCD感想記事がGREEN DAYというポップパンクバンドという流れもありましてですね。本作について書こうと思い立ったのです。

 

このSAY MY NAME.というバンド、いつかブログで取り上げようと思ってはいつつ、なんとなくタイミングが掴めないままだったので、ここが良い機会だなと。

 

恐らくバンド自体知らない人が多いと思うので説明しますと、超飛行少年(スーパーフライングボウイ)のギターヴォーカルである小林光一さんを中心に、2009年に結成されたポップパンク/メロディックハードコアバンドです。一応バンド自体は解散していないようですが、2024年現在はほぼほぼ活動停止状態。公式サイトも消え、SNSも全然更新されていません。

 

さらに超飛行少年とは何ぞやといいますと、2005年に結成されたギターロック/オルタナティヴロックバンド。Wikipediaによると、渋谷のタワーレコードで発売されたシングルが、同時期に出たKAT-TUNの『Real Face』を抑えてデイリー1位になったという、ものすごく局所的なヒットをしたらしい。

 

僕が大学生時代にバイトしてたCDショップでも、全国的には無名の若手オルタナバンドを店全体で熱烈応援していたら、かなりアルバムセールスが好調だったので、まあ渋谷店にてパワープッシュがあったんでしょうね。店舗限定というのありますし。

 

超飛行少年は2008年に解散しましたが、2017年にSUPER FLYING BOYと英語名に変えて再結成を果たしました......が、こちらについてもちょろっとライヴはやったらしいものの、現在活動の音沙汰無しという寂しい状況。

 

フロントマンの小林さんは、ベースに前述のELLEGARDENの高田さん、ドラムにはNICOTINEのBEAKさんという、何気にスゴいメンツでMAYKIDZというバンドを組んでいて、こちらは現役で活動中。去年にはフルアルバムも出しているので、このバンドは知ってるという人は多いかもしれません。

 

やたら前置き説明が長くなりましたが、そんな小林光一さん所属する(所属していたと言うべき?)SAY MY NAME.が、唯一発表したフルアルバムがこの『JUST OK!!!』です。

 

まず言わせてもらうと、真新しいことは何一つやっていません。このバンドならではの個性とか、新鮮味とか、聴いた瞬間衝撃を受けるほどのテクニックだとか、そういったものは皆無です。というか、ハッキリ言ってしまえば「ELLEGARDENフォロワー」でしょう(まんまエルレって言うほどでもないけど)

 

人によっては「この手のバンドはいいや。他にたくさんいるし」「エルレ聴いてればいいじゃん」みたいに切り捨てられてしまうかもしれません。

 

しかし、僕は好きなんですよ、このアルバム。

 

確かにスタイルとしてはありきたりなのかもしれないけれど、だからこそダイレクトに伝わってくるのが歌メロの良さ。ポップで青臭くて、ほんのちょっとの哀感が含まれたメロディーが非常にキャッチーで、それが全曲に渡って込められているんです。

 

M1「At A Risk」から、メッチャ青臭いのに絶妙にツボにハマるキャッチーな歌を聴かせてくれ、共に歌いたくなる衝動を抑えきれなくなる。そのまま疾走チューンのM2「New Dawn」、M3「Turning」と続く構成も勢いがあって良く、それらの曲も負けず劣らず歌が良い。

 

ほとんどの曲がアップテンポ〜疾走曲でスッキリと聴け、比較的テンポを落としたM6「Freedom」、M9「No Tribe」といった曲にも、否応なしに染み渡ってくるメロディアスさがあって、聴いてて本当に気持ちがいい。

 

ラストを飾るM10「By My Life」のメロとか最高ですね。最後の"夢を見ている この場所ならそれができる"のフレーズなんか、モロに好みです。超好き、こういうの。

 

この手の曲は10〜20代前半くらいの若い時期にしか聴けず、年取ったら小っ恥ずかしくて聴けたモンじゃなくなるかも、と思っていました。しかし、今年30になる今聴き返してみても、当時と変わらない「良いなァ...!」の感情が湧き出てきたので、きっと小林さんが作るメロディーは僕のツボにハマりやすいのかもしれません。

 

と、ここまで絶賛してきましたが、メロディーの良さを除けば、ほぼ無個性のメロコアであることは間違いない。メロディーにピンと来なければ、普通のバンドとしか思えないでしょう。

 

ですので、「僕は大好きだけど、"このバンドは他とは違う特別な強みを持ったバンドだ!是非聴いてみて!オススメだよ!"と言うつもりは無い」とだけ書いときます。MVになった「New Dawn」にビビッと来たら聴いて損はないかと。

 

前述の通り、SAY MY NAME.は現在動きを見せる気配は全く無く、SUPER FLYING BOYもしかり。MAYKIDZは、シーントップの存在であるELLEGARDENのメンバーがいるにも関わらず、J-PUNKシーン内ですらブレイクしているとは言い難い。

 

高校時代、彼が生み出すメロディーに強く感銘を受けた身としては、今のこの状況は何とももどかしいものがあります。このまま埋もれてしまうのは惜しいバンドだと思うので、ちょっとでも目に触れればいいな...という思いのもと取り上げてみました。

 

 

個人的に本作は

"王道中の王道を行くメロコア。強い個性は皆無ながら、超キャッチーなメロディーはキッズの心に響くはず"

という感じです。

 


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