ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

2/18 CROSSFAITH / Japan Tour 2024 -Departure- at Zepp Haneda

日本のヘヴィミュージック界の代表格と言っても過言ではない存在であるCROSSFAITH、現在のツアーを回っている最中に、大きなメンバーチェンジがありました。

 

活動休止明けにおいてもずっとライヴに参加してこなかった、ベーシストのHirokiさんがツアー中に正式に脱退。そしてすぐに、サポートギタリストとして帯同していた、元HER NAME IN BLOODのDaikiさんがセカンドギタリストとして正式加入。この日行われたライヴはツアーファイナルでありつつ、新生CROSSFAITHの最初のステージということになるらしい。

 

本来サポートアクトとして、アメリカのメタルコアバンド・OF MICE & MENが出演するはずだったのですが、ビザの問題で来日が叶わずキャンセルになり、急遽ワンマンのロングセット公演になるというハプニングも。開催前になって色々なことが立て続きましたね。

 

ツアーファイナルとなる本日の会場はZepp Haneda。やったら遠いうえに会場周辺に何も無いので、できることならあんまり行きたくない会場ではあります。まあ空港という場所自体結構ワクワクするし、ライヴ会場としての設備は良いんだけれど。

 

あとやっぱりZeppは柵が多いのがネックですね。この手のコア系バンドのライヴは、大きなモッシュピットが作られるのが醍醐味だというのに、スペースが区切られるとピットがこぢんまりとしてしまうので...

 

そんな微妙な気持ちこそありつつも、ワンドリンクのレッドブルを飲み干して、フロアの中央付近で待機。整理番号が2000番台だったこともあり、ソールドはしなかったようですが、かなりの混雑具合でした。

 

ノリの良いEDMが鳴る中、開演時間を少し過ぎたあたりで暗転してメンバーが登場。みんなが白を基調とする服装をするなか、新メンバーのDaikiさんのみ黒のタンクトップで、「入ったばかりだから、まだ完全に一枚岩にはなっていないのかな?」とちょっと思った。

 

再びメジャーレーベルに所属するようになってから、初めてリリースされた新曲「ZERO」で、Koieさんのステージダイヴと共にスタート。ここ近年発表された曲の中では、メタリックなヘヴィさが強く表出した曲で、アグレッション満載に疾走部とシンガロングが気持ちいい。サビのメロディーに僕好みのキャッチーさが無いのは、まあメロディアスさが武器のバンドでは無いと思うのでこれはしかたない。

 

やはり僕としては新加入のDaikiさんに注目してしまうのですが、やはりこの人はカッコいいですね。特に派手なアクションをするでもないのに、刺々しさや毒といった、危険なオーラをヒシヒシと感じます。脱退したHirokiさんがビジュアル面で魅せるタイプだったので、ステージ上の見栄えが少し落ちるのではと思っていましたが、その穴を感じさせない。

 

のけぞるようにギターをかき鳴らし、もう一方のギタリストであるKazukiさんと顔を突き合わせるフォーメーションもキマってて、これは良いメンバー加入になったのではないでしょうか。まあCROSSFAITHよりHER NAME IN BLOODの方が好きな身として、複雑な気持ちがないわけではないのですが。

 

最初はモッシュの勢いもそこまで強くはなく、人混みで窮屈になりながらも比較的穏やかに観られたのですが、3曲目の「Rx Overdrive」にて、僕の目の前にハードコアモッシュのスペースが作られたために、その防御に必死にならざるを得ず、その時間帯はステージを観ることは不可能に。足に一発蹴りをもらいましたが、特に大きな被害を受けることなく下手側に退避成功。やはりこの手のモッシュは少し離れた所から見るに限るな...

 

比較的早い段階で出たライヴ定番の「Countdown To Hell」では、3月にCROSSFATITHとのツーマンライヴが決定している、Sable HillsのTakuyaさんがゲストヴォーカルとして登場。ただ、せっかくゲスト枠として颯爽と出てきたのに、マイクトラブルなのか、出だしの声はまったく聞こえませんでしたね...。

 

「もっとデカいモッシュピット作ってみろ!」とKoieさんが煽っていたのもあり、前方付近ではサークルが発生。僕の位置からはあまり見えませんでしたが、きっと腕と足がブンブンと振り回される狂気の世界が広がっていたことでしょう。

 

「Snake Code」や「Madness」のような、あまり聴けなさそうな楽曲に加え、「Jägerbomb」「Monolith」のような定番も揃えつつライヴは進行。「Jägerbomb」の前のMCでは、Daikiさんから「片手を上げて、人差し指と小指以外の指を曲げてください」と指示があり、会場中でメロイックサインが突き上げらる光景が広がる。そして彼のギター裏には、かつてHER NAME IN BLOODのライヴで見られたようにテープで「メタル」の文字が。

 

彼がここで、「CROSSFAITHの音楽性はメタル」とハッキリ明言してくれたことは、個人的に結構嬉しかったり。ヘヴィなエレクトロという傾向が強くなっている近年の音楽性から、Daikiさんの加入によりメタル色が強くなったりするのかな〜なんて妄想が広がりますからね。

 

中盤には二人目のゲストとして、ラッパーのralphさんが登場し、「Gimme Danger」をプレイ。彼を生で見るのはもちろん初ですが、想像した以上に貫禄のある見た目でメッチャ怖い。会場をまっすぐに恐ろしい目つきで睨みつける姿は、夜道ですれ違ったらそそくさと逃げたくなるレベルでした。あの存在感で98年生まれの26歳ってウソでしょ?俺より年下だとまったく思えないんですけど。

 

そんな強烈なインパクトを放つステージではありましたが、それを超えるほどのハイライトとなったのは、やはり後半に流れた「IF YOU WANT TO WAKE UP?」にて、「この後に起こることがわかる人は、真のCROSSFAITHファンだと思います」とKoieさんが呼びかけた瞬間でしたね。ここで次の曲が何になるかわかった僕は、真のCROSSFAITHファンだったということか。

 

初期の名曲「MIRROR」、そしてアルバムの流れ通り「BLUE」までプレイされる。やはり叙情メロデステイストを含んだ、メタルコアらしいメタルコアこそ僕の望むものだなぁ。もちろん全力のヘッドバンギングで応えましたとも。まあこの後に披露される「Catastrophe」とか「Xeno」とかも好きな曲ではあるんですけどね。

 

アンコールではTeruさんとTasuyaさんの後衛陣による、DJプレイとドラムソロタイム。Tatsuyaさんは腕にライトがつき、さらにバキバキの腹筋を披露しており、見た目のインパクトがさらに増す。

 

しかしどれだけ見た目が良くても、その印象をさらに掻き消してしまうほど、彼のドラムプレイはすごい。途中でKoieさんが「俺IQ高いソロはわからんからさ。もっとツーバスドコドコの、手数多すぎるソロ聴きたいんだよな!」という振りから行われた、上半身を躍動させまくるドラムソロは、もう圧巻としか言いようがなかったです(僕の周りからも「ヤッベェ...!」という戦慄の声が聞こえた)

 

ソロ後では、Koieさんがオープニングで振り回しているフラッグを、前方付近のお客さんを指名して渡し、アンコールの3曲中ずっと振らせながら(腕疲れただろうなぁ...)The Prodigyのカバー「Omen」、LINKIN PARKのカバー「Faint」、そしてライヴ定番の「Leviathan」という流れへ。

 

「Faint」では、始まる前に3人目のゲストであるcoldrainのMasatoさんに電話をかけ、「今羽田でワンマンやってるんだけど来れん?」「無理だよ。今俺代々木にいるし」(同日に代々木でA.V.E.S.Tのライヴイベントがあった)と、ちょっとした会話を繰り広げながら、Masatoさんをステージ上へ登場させる演出が。本日のゲストヴォーカルの中では一番の盛り上がりを見せていましたね。

 

 

20曲以上の新旧取り揃えた楽曲、華を添えるゲストヴォーカルの存在により、充実なライヴになりました。OF MICE & MENの件は残念ではあるものの、それを感じさせないくらいに濃い1日になった感があります。

 

なおこのライヴ中に、ちょうど1年後の2025年2月に幕張メッセで、CROSSFAITH主催のフェスを開催するという発表もありました。どんなメンツになるのかとか、詳細はまだ全然わからない状態ですが、海外のバンドを積極的に見せようとする姿勢があるバンドなので、なかなか豪華なラインナップになるのではないかという期待感が持てます。

 

また、今年中に作品発表に伴う国内ツアーも行うとのことで、Daikiさん加入の影響が出る新曲にも期待がかかるところですね。