過去の記事でも何度か書いていますが、本格的にへヴィメタルを聴き出す前(まあ割と最近ですが)、僕はバリバリのメロコアキッズでした。北海道の札幌にいた中学・高校時代は毎日狂ったようにパンク・メロコアサウンドに身を浸していたもんです。
「パンクこそ世界最高の音楽だ!」と信じて疑いませんでしたし、テスト勉強ほったらかしでなけなしの小遣いをはたいてCDを購入したり、ライヴハウスに足を運んだりしていました。初めて行ったライヴは忘れもしません。札幌のライヴハウス・PENNY LANE 24でのdustboxのレコ発ツアー(対バンはROTTENGRAFFTY)。生まれて初めてのモッシュに思いっきり戸惑いつつもメチャクチャ楽しかった。ベッシーホールにもカウンターアクションにもキューブガーデンにもZepp Sapporoにも行ったなぁ~~。ああ~~懐かしい。
一つ前の記事でlocofrankの新譜感想をアップしましたが、その際にあの頃のライヴキッズの記憶がチラチラと脳裏によぎり、無性に想いを書き連ねたくなってしまったので、今回は僕が考えるJ-PUNK/COREの名盤を列挙していきたいと思います。ちょっと前にTwitterで流行った「私を構成する9枚」のパンクバージョンみたいなもんです。メタルバージョンもいつかやってみようかしら(笑)
以下順不同。
dustbox 『Seeds of Rainbows』
この上なく切なく甘い極上のメロディーとクリアで透き通ったヴォーカル、メタリックとも形容できるギターソロも飛び出す、メロディックハードコアの決定盤。胸を締め付ける哀愁と笑顔で暴れたくなるポジティヴなエネルギーは、今聴いても色褪せることはありません。
静かなイントロから「セェーーッチュフリーーーーッ!!」でテンションMAXですよ。青臭い少年の僕にバシバシ響きましたね。
とりあえず哀愁美メロメロコアの大名曲「Tomorrow」を聴いてもらわないと!
「Tomorrow」
MVがなかったので静止画ですが・・・。
このメロディー!僕が求めているのはこの美しいメロディーなんですよ!
locofrank 『The First Chapter』
次作の『BRAND NEW-OLD STYLE』も引けをとらない名作ですが僅差でこちらを。
メロディーはキッチリと哀愁を放ちつつも、軟弱な印象を一切感じさせないパワフルな演奏が持ち味(特にドラム)。木下さんのヴォーカルも男らしく、かつ歌唱力も高くてカッコイイの一言。まさに漢泣きのメロディックハードコア!中でも本作は荒さとタイトさが絶妙なバランスでブレンドされた名盤です。
「Grab Again」
2:05~辺りからラストのサビにかけての展開は身震いするほどのカッコよさ。血が滾ります。
Northern19 『SMILE』
青臭い哀愁メロディーをまき散らしながら爆走に次ぐ爆走、メタルからの影響を受けたテクニカルなギターソロもバンバン飛び出す名盤1st『EVERLASTING』をいきなりヒットさせ、パンクシーンに鮮烈なインパクトを与えたNorthern19の3rdアルバム。
タイトル通りキッズを笑顔にさせる温かなムードが支配的ながら、時折見せる泣きのメロディーが素晴らしい。
圧倒的な疾走感、ザクザクに刻まれる強烈なリフ、ピロピロ唸る速弾きソロが同居した「SLAVE TO ROCK」に衝撃を受けたのを思い出します。
「NEVER ENDING STORY」
青く爽やかな疾走感に当時の僕は完全に魅せられてしまっていました。
GOOD4NOTHING 『ALL THE AWESOME DUDES』
個人的にキッズのための音楽を最も体現していると思っているバンド。
ふざけまくるMVやオフショットで見られる姿は「愛すべきバカ」「クソガキ」という言葉が良く似合います(褒めてます)。本作も明るくハッピーでヤンチャなTHE メロコアなわけですが、そんな中にも「One Day I Just」のようなマイナー調の切ない曲を入れ込むあたりがニクイですね。
ちなみにヴォーカルのU-tanさんは個人的にJ-PUNK界で最もカッコイイ声だと思ってます。
「RIGHT NOW」
このMV大好きです(笑)
Last Alliance 『the sum』
文学的で思慮深く、円熟味のあるサウンドを展開しているのが彼らLast Alliance。パンク・ハードコア的なシンガロングや勢いを持ちつつも、エモ特有の胸を締め付ける激情と哀愁のメロディーがわんさか詰まった本作は、パンクスでなくとも魅力的に映るのではないでしょうか。
2013年にアルバム『Seventh Sense』をリリースしてから、ちょいちょいライヴはやっていたものの、2017年現在音沙汰もなく事実上の活動休止状態・・・。このまま終わらせてしまうのはあまりにももったいない実力派バンドなのに!お~~い!何やってんだラスアラ!!早く帰ってこ~~い!!
「片膝の汚れ」
「群青海月」と並んで、僕が最も好きな楽曲。パンクの攻撃性を持ちながらここまでアーティスティックなバンドは稀では?
「立ち上がり奪う世界を!!」
Hawaiian6 『BONDS』
一部のクサメタラーからも支持を集めているという激クサメロコアバンド・Hawaiian6。昭和歌謡にも通じる恐ろしいほどの芳醇なメロディーを武器に、哀しみの波状攻撃を繰り出す様はまさに激情クサパンク。
大学時代の友人(SHANKを中心としたメロコア全般が好きなベーシスト)は「Hawaiian6はちょっと暗すぎる」と言っていましたが、その暗すぎるのがいいんじゃないかーわかってないなー(笑)
「Blackout」
みんなでこの哀愁歌謡クサメロに悶絶しましょう。
LOCAL SOUND STYLE 『HOPE』
上記したバンド軍と比較するとパンクの攻撃性はやや低く、ノーマルなエモに近い印象ですが、とにかくメロディーが良いのです。
GOOD4NOTHINGがTHE メロコアならば彼らLOCAL SOUND STYLEはTHE エモ。どうしようもなく青臭いけど、どうしようもなく心の琴線に触れまくるポップなフィーリングはキッズに染みること間違いなし。ヴォーカルの少し弱めな声質がまたサウンドのイメージとピッタリなんですよ。
ただそんなヴォーカルの荒関さんは金銭的トラブルにより突如バンドを脱退、活動休止を余儀なくされ今ではもはや解散状態・・・(泣)
ラスアラといい彼らといい、なぜクオリティーの高いエモバンドは活動がこうも止まってしまうのか・・・。
「Carry On」
彼らがどんなバンドなのかが一発で分かる名曲。これはシングルヴァージョンでアルバム収録のものとは異なります。よくあるアルバムヴァージョンのような、若干ミックスが異なっているようなものではなくて、ヴォーカルの雰囲気とか結構大きく変わってます。
マキシマム ザ ホルモン 『ぶっ生き返す』
もはや説明不要の大人気ミクスチャー・ラウドロックバンド。
超へヴィーで超ラウドかつ超ポップという彼らの音楽形態が最も完成度高く磨かれた作品がこれだと思っています。
初めて彼らの楽曲を耳にしたときのインパクトたるや凄まじいものでしたね~。デス声というものを聴いたのもダイスケはんが最初でした(最初は耳障りでとても聴けたもんじゃなかったのですが、慣れとは恐ろしいものですっかり病みつきに)。
前々から「とんでもないバンドだ!」とは思っていたものの、まさかお茶の間レベルにまで浸透するほどビッグなバンドになるとは予想もしていませんでしたね。
「絶望ビリー」
これほどへヴィなサウンドにこれほど聴きやすくてクールなメロディーを乗っけられるのがスゴイ。マキシマムザ亮君はマジで鬼才だと思います。
BRAHMAN 『超克』
最後を飾るのはやっぱりこのバンドですかね。J-PUNKシーンにおける大御所ながら未だに第一線を駆け抜ける孤高のバンドBRAHMAN。
東日本大震災を機にライヴにて赤裸々なMCを行ったり、ほぼ全編日本語詞の楽曲になったりと、表面的には昔と比べて大きく変化したものの、楽曲の根本的な軸はまったくブレていないように思います。
ほの暗い哀愁と民族音楽の要素、ハードコア由来の衝動とアグレッションが融合したそのサウンドには嫌でも胸が熱くなります。日本人の魂に訴えかける大名盤。
「霹靂」
感動の名曲。僕は相克Tourファイナルでの幕張メッセ、Tour 1080°でのZepp Tokyoと過去2度ほどこの曲を生で聴きましたが、何というか聴いててこみ上げるものがありました。
以上、僕の考えるJ-PUNK名盤でした。
正直ここに上げたバンド、アルバムはどれも有名どころばっかりで、この手のジャンルを熱心に聴いているキッズにしてみれば「今更このアルバム紹介して何になんの?」って感じでしょう(笑)。まあこんなの自己満足でしかないですからね。
ただ本当に素晴らしい作品群でありますし、思い入れも深いので、もし知らなかった、もしくは未聴のアルバムがありましたら是非試聴だけでもしてみてください。少しでも心の琴線に引っかかってくれるととっても嬉しいです。