ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Thaurorod 『Coast Of Gold』 (2018)

Thaurorod 『Coast Of Gold』

フィンランド出身のメロディックスピードメタルバンドの、前作から4年ぶりになるらしいニューアルバム。"らしい"というのは僕が前作未聴だからです。

 

フィンランドメロスピと聞けばお察しの通り、北欧らしい透明感と哀愁をまとった、STRATOVARIUSSONATA ARCTICAタイプの音を奏でるバンド。

とはいえ前者はプログレッシヴメタル的な側面も多分に持ち合わせ、後者はもうすっかり脱メロスピして久しい今、先人たちよりもストレートなメロスピ然とした楽曲が並びます。この手の音が好きなら確実にハマり、苦手ならばまず受け入れられないであろう分かりやすさ。

 

僕はリフがパワフルに自己主張しているキャッチーな正統派、パワーメタルが好きなので、この手の北欧メロスピはちょっぴり軽い印象を受けてしまいがちなこともあって、必ずしも「好みにドストライク!」な音ではなかったりします。

 

しかしキャッチーなメタルも、スピード感のあるメタルも当然好きではあるので楽しめることは間違いありません。どこか野暮ったさ、B級っぽさがあるとこも含めて愛すべきバンドと言えますね。ちょっとうわずった感じの垢抜け切っていないヴォーカルもまたメロスピです(笑)。ただ決してヘタクソだったりヘナチョコだったりするわけではなく、必要十分な声量、歌唱力は備えていると思います。声質もメロスピスタイルに合ったものでナイス。

 

基本的には全編通して潔いまでの直球メロスピですが、特筆すべきはそのスピード感。DragonForceにも迫るのではと思うほどの体感速度があり、それは爆走パートで終始バスドラを踏みまくってるドラムの仕事によるものでしょう。もうしつこいくらいにバタバタバタバタ鳴り響いておりそれが良い!(笑)

 

ややスピードを落とした曲・パートももちろんありますが、そういったところにも北欧出身らしい爽やかに煌めく叙情メロが息づいているため、捨て曲にならないところが頼もしい。

 

シンフォニックな音作りを基調としたキーボードの活躍もあり(M9「Illuminate」の後半部分とかなかなか本格的にシンフォニックメタルしているのでは)、聴き心地はスッキリして気持ちよく、スパッと聴き通せるのも嬉しいところです。まあこれは彼らに限らず、この手のメロスピアルバムの多くに言えることなのかもしれませんが。

 

ボーナストラックはIRON MAIDENの隠れた(というほどでもないか)名曲「Deja-Vu」で、原曲がメロディックなフレーズが目立つ曲であるためキーボードを据えたメロディックメタルバンドとの相性は悪くなく、違和感のないカッコいいアレンジに仕上がっています。

 

良くも悪くもスタンダードな北欧メロスピをキッチリ踏襲しているため即効性の高さはかなりのものですが、やはり聴きやすい音楽の宿命か、クセになるような中毒性といったものは無くやや飽きが来やすそうなところは否めません。これはまあしょうがないですね。

 

あ、でもクセが無いといっても、M4「24601」は別です。この曲におけるタイトルを繰り返すサビの歌いまわし、メロディーが独特で(活字で表現するとしたら"トゥウフォスィックソォワァン♪トゥウフォスィックソォワァン♪"みたいな)なんか妙に印象に残ります(笑)

 

M2「The Commonwealth Lives」 MV

 

M4「24601」 Lyric Video