ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

6/24 LUNATIC FEST. 2018 Day 2 at 幕張メッセ

LUNATIC FEST 1

3年ぶりに開かれたLUNA SEA主催のフェス、LUNATIC FEST.の2日目に足を運んできました。前回は行かなかったので個人的には初ルナフェスになります。

 

僕としてはもはや語るまでもないBRAHMAN、ジャパメタ代表LOUDNESS、一度観てみたかったV系ラウドの実力派lynch.、この機を逃せば観られなさそうな大黒摩季さんなど、なかなか魅力的なラインナップ(欲を言えば初日のDIR EN GREY、GLIM SPANKYも観たかったですが)。

 

しかし世間一般の目からすると前回より地味目なラインナップに映るのか、開催まで2週間を切った段階でも余裕で前売り券を購入できてしまいました。そして当然ながら当日券も普通に出てる。ちょいと寂しいけどまあ仕方ない。

 

相変わらず家を出てから狙いすましたかのように振り出す雨に殺意を覚えつつ幕張メッセに到着。チケットとリストバンドを交換して入場、奇跡的に空きのあったコインロッカーに荷物とジャケットを入れ、意気揚々とホールへ侵入。まずはドリンクチケットをカシオレに替えて…と思ったらカクテルが無い。しゃーない、レッドブルだ。

 

そしてフェス会場ではお馴染みのビーフライスやケバブの屋台がホールの外に出店していたので、景気付けにガリバタビーフライスを注文しようとすると…

 

 

店員「すみません。現金でのお支払いはできないんです。」

 

 

 

 

 

………………は?

 

 

調べてみると今回のフェス、フードとドリンクはなんと全て現金不可電子マネーか、もしくは会場内の専用の受付にて1枚1000円(ミシン目に沿って切ることで100円分10枚になる)で買える、フード&ドリンクチケットで引き換えることでしか注文できないのだそう。ぐわ~~~なんてめんどくさい。いちいち飯食うたびにチケット切って用意しなきゃならんのか。

 

まあ郷に入っては郷に従えといいますし(?)おとなしく券と引き換えよう。ひとまず1000円分の券を購入しビリビリ切っていく。ちなみにデザインはLUNA SEAのメンバーがドーーンとプリントされているので、熱心なSLAVEの皆さんは切り離すのに抵抗があったのではなかろうか。7枚使って中トロ丼を購入し腹を膨らませる。

 

そしてオープニングアクトのLUNACYを観にアリーナへ移動。いちいち外に出て少しの距離を歩かなきゃいけないのがちょっとめんどいな。

 

LUNATIC FEST 3

 

 

LUNACY

 

LUNA SEAがインディーズで活動していたころの名義でオープニングアクトに出演。これは前回もそうだったようですね。名前が若干違うだけで実質ヘッドライナーなのでフロアはかなりの人だかりに。

 

ただSLAVEの皆さんには怒られるかもしれませんが、僕は正直LUNA SEA(LUNACY)に対して思い入れは無く、RYUICHIさんの終始うわずったようなナヨっとした歌声がちょっと苦手に感じてしまうのもあり(だったらルナフェスなんか来んなよ!って言われそう...)、最初の「CHESS」からどうも肌に合わない感があったのが正直な所。

 

メンバーのルックスはカッコいいし(特にSUGIZOさん)、真矢さんのド派手な頭も見ごたえはありましたが、肝心の楽曲のほうがだいぶ淡々とした地味な(少なくとも僕はそう感じた)もので、フェスの一発目を飾るオープニングアクトとして相応しい選曲だったのかはちょっと疑問。とはいえ多くのSLAVEの方は楽しんでいた様子でした。

 

 

THE ORAL CIGARETTES

 

先日発売されたニューアルバムがオリコン1位を獲得した人気J-ROCKバンド。しかしこのフェスの客層においてはあまり認知はされていないかも。

 

僕もこのバンドについては「狂乱 Hey Kids!!」くらいしかまともに聴いたことがなかったので、どんなライヴになるのかが未知数であり、ちょっと楽しみにしていました。

 

彼らのライヴのお決まりであろう手拍子を決めた後ライヴがスタート。ステージのバックにあるスクリーンには歌詞を交えたイメージ映像が流れていましたが、それが何とも病んだヴィジュアル系を彷彿させるもので(笑)、どこか怪しく胡散臭い楽曲と合わせて、ヴィジュアル系ファンにもなかなかアピールしそうな音。

 

サウンドはあまり歪んでおらず、僕が主に聴いているバンドのライヴと比べると音圧はかなり軽めではありましたが、曲調には合っているので特に物足りなさは感じませんでした。何気にベースがアグレッシヴに動きつつも、なかなかテクニカルなラインをブリブリ弾き倒しているのが印象的。

 

途中にヴォーカルの山中さんのMCが挟まれ、「普段俺らはこことは違う畑にいるけど、実は中学高校時代はこっち界隈のバンドを聴いていました。そんな人たちのフェスに誘われてすごく嬉しい」と涙ながらに語る姿に心を鷲掴みにされたバンギャさんは多いのでは?(笑)

 

最後に演奏されると思っていた「狂乱 Hey Kids!!」はラスト一つ前に出てきましたが、やっぱりこの曲のサビにおける「狂ってHey Kids~♪」の印象に残る度は凄まじく、思わず口ずさんでしまいそうな勢いだ(笑)

 

彼らの怪しくもキャッチーな楽曲の魅力、先ほどのMCとまっすぐな姿勢は多くの観客の心を掴んだらしく、ラストの「BLACK MEMORY」が演奏される頃には、それまでやや遠慮がちだったり様子見をしていた人たちが軒並み手を上げ盛り上がっており、見事に空気を掌握していましたね。フェスの口火を切る役目は充分すぎるほどに果たしてくれたように思います。

 

 

OLDCODEX

 

このフェスでは2つのステージが向かい合わせになっており、僕はMOTHER STAGEにてlynch.待ちをしつつ、後ろを振り返るようにしてMOON STAGEのOLDCODEXを観ることに。

 

ただ観るとはいっても当然ながらかなりの距離があり、PAや他の大勢のオーディエンスに視界が遮られステージはほぼ見えない。必然的にステージ横のモニターを注視する事になる。

 

そしてOLDCODEX前回ちょっとだけではあるものの観たばかりな為、印象は変わらず。ライヴペイントを行いつつ割と本格的かつラウドなJ-ROCKをプレイ。本業であるはずの声優業に支障をきたさないか心配になるシャウトも変わらず。

 

ただあくまでモニターに映った様子のみの判断ですが、今回は前回ほどのムリヤリ感というか余裕の無さはあまりなく、パフォーマンスは伸び伸びとしていたような感じでした。時折挟まれるグロウルのように歪ませた低音はなかなかの迫力。

 

最大の特徴であるライヴペイントについては、テキトーに色を塗りたくっているように見えて、実はルナフェスのドクロマークを描いていたことが最後にわかり、ただ闇雲にベタベタやってるわけじゃなかったんだと感嘆(あたりめーだ)

 

 

lynch.

 

音源こそよく聴いていたもののライヴは初めての彼ら。音出しのリハ中に「GREED」のドラミングが叩かれており、周りの一部のファンは既にノリノリ。ただこの時点でタイムテーブルは10分ほど押しており、チャチャっと始めてくれねーかなと思わなくもなかったり(笑)

 

そしてSEが流れメンバーが登場するとあちらこちらから名前を叫ぶ声がこだまする。このヒリヒリするような緊張感はダークサイドなヴィジュアル系ならではでしょう。

 

一曲目からキラーチューン「EVOKE」が披露されたのはアガりましたが、その後すぐにヴォーカルの葉月さんが「皆さんと一つになるためにLUNA SEAのカバーをやろうと思います!」と宣言。「SLAVE」が演奏される。

 

自身がLUNA SEAの熱心なファンであるが故のリスペクト、そしてこの会場を盛り上げるためのとっておきの策としてやってくれたのだろうとは思いますが、正直彼らの楽曲の方により魅力を見出している身としては、「全部あなたたちの曲でいいのに」と思ってしまったのは事実(笑)

まあ特別なものが観れたという体験なので良いでしょう。実際かなりサマになってたし。

 

しかしこのバンドはかなりステージ映えしますね!見た目だけ見れば真っ黒なのに、スタイリッシュでちょっと中二病めいた(この手のロックバンドにおいて中二心をくすぐるって重要な事だと思います)立ち振る舞いは決して地味な印象を与えない。

 

特にスカパラの谷中さんと並んで最もカッコいいオッサンの一人だと思っている、玲央さんのなんとまあカッコいいことよ!男の僕から見ても、いやむしろ男が見るからこそカッコいいと思ってしまうダンディズム…なんて素敵!

 

「今日ここに出たからには、皆さんに僕らのことを好きになってもらわないといけません。年下の僕らと浮気してみませんか?今から皆さんとセッ○スしますよーー!!」というMCから「pulse_」に入ると、黄色い声で「ヤリタイヤリタイヤリタイ!!」の叫びがそこら中から飛び出す。異様(笑)

 

「Adore」「I BELIEVE IN ME」「MIRRORS -we're not alone-」などを聴けなかったのはちょいと残念ではありますが、怪しく官能的なバンドの魅力は充分堪能することができ、キラーチューンの「GALLOWS」で思い切り頭を振れたので概ね満足です。終演後なぜかこのバンドのみアルバムのプロモーション映像が流れたのは、彼らの強い野心の表れなのか。

 

 

大黒摩季

 

次のMUCCOLDCODEXと同様WARPED TOURで観ているのでここで昼メシタイム。食券を余分に買いホルモン焼きを注文。美味いっちゃ美味いけど、これで米無しはちょっとキツイな(笑)

 

LUNATIC FEST 2

 

そしてMOTHER STAGEにて迎え撃つは90年代に人気を博した女性シンガーソングライターの大黒摩季さん。こんな機会でもない限りライヴを観ることはできないだけに、当初から裏の目玉として期待していました。

 

そして結果から言えばその期待にバッチリと応えた素晴らしいパフォーマンスだったと思います。アラフィフの女性とは思えないほど容姿・歌唱共にパワフルで、バックバンドも実力者揃いで楽曲に華を添える。

 

そして何よりのポイントは代表曲をズラッと並べた強力なセットリストでしょう(本人曰く「Twitterで公募した曲しかやらない」とのこと)。ヴィジュアル系やJ-ROCKのシーン云々でなく、邦楽という広い括りで見た場合、本日の出演者の中で最も世間一般の認知度の高い曲を持っているだけに、イントロが流れる度に大きな歓声が。

 

熱くなれ」「夏が来る」などももちろん良いのですが、やはり元バスケ部員としては「あなただけ見つめてる」に昂ぶらざるを得ない!SLAM DUNKはバイブルじゃ!…まあアニメはほとんど見てないし、どちらかというと「世界が終るまでは…」派なんですが…(笑)

 

MCでは自らのアクトを「お呼びでない」「箸休め」とやや自虐的に言っていたものの、LUNA SEAとはほぼ同期であるため、必然的にSLAVEの方々は世代ドンピシャ。ドラムが真矢さんというのもあるのでしょうが、会場のリアクションは全く悪くない。

 

ただ真矢さん以外のバンドメンバーも一聴してかなりの実力者であることがわかるハイレベルさだったのですが、フィーチャーされるのが真矢さんばっかりだったのはちょっと気になったかも。まあこのフェスの特徴・客層を考えれば仕方ないか(笑)

 

ラストはもちろん名曲「ららら」。この曲のサビの合唱を録音するらしく、「みんなで歌ってください!」と煽ると、会場中が一体となったかのように歌声が響く。

 

こういう"老若男女問わずみんなで歌えるJ-POP"って最近とんと聞かれなくなりましたよね…。「世界に一つだけの花」だってもう15年前だし。

 

最近売れた曲というと、星野源さんの「恋」は歌そのもの以上にダンスが有名になったし、RADWIMPSの「前前前世」は映画と一緒に話題を呼んだって感じで、少なくとも"J-POPのアンセム"的な扱いではないでしょう。今注目されている曲といえばDA PUMPの「U.S.A.」がありますが、これもみんなで一緒に歌って盛り上がるタイプではないからなあ(そもそもJ-POPじゃなくて洋楽のカバーだしね)。シングルヒットチャートを独占しているAKB関連やジャニーズは似たようなグループと曲の量産で、正直どれがどれだかわからないし(汗)

 

「あの頃は良かった。それに比べて今は...」みたいな老害めいた事ばっか口にする輩は正直気に食わんのですが(最近よくやってる懐かしの歌謡曲やアイドルの秘蔵映像を流して、当時の事をスタジオで芸能人や歌手があーだこーだ言ってる番組も好きじゃない)、それでもひと昔前の邦楽は、全く世代じゃない僕ですら耳に馴染む曲が多い、質・量ともに優れた時代だったんだなあ...と思いました。昔に素晴らしい曲、印象に残る曲がたくさんあるというのは紛れもない事実でしょう。

 

ちょっと話がずれましたが、一時代を象徴する方の凄みみたいなものは非常によく伝わってくるステージでした。

 

 

AA=

 

大黒摩季さんの充実のステージが終了すると、今度は後ろのMOON STAGEで上田剛士さん率いるAA=のライヴがスタート。

 

THE MAD CAPSULE MARKETSの流れをくむインダストリアルサウンドは、今回出演したバンドの中で最も人間味が薄く、かつ尖った愛想のない音で、とてもLUNA SEAX JAPANのファンの方にウケるとは思えない(X JAPANは後期にはややデジタル要素、モダンな音を取り入れた曲も出していましたが、それが彼らの本質であると思っている人は恐らくいないでしょう)。

 

僕もあまりツボにはまる音とは言い難く、しかも去年の大冠祭で観ているので、BRAHMAN待ちをしつつ遠巻きに眺めることに。

 

しかしこの時点でMOTHER STAGEの人口密度はかなり高く、OLDCODEXの時は若干見えていたモニターも全然見えない。もはや音だけ聴いているだけの状態。そして当然ながら彼らのライヴというのは、ノリノリの電子音に誘われ体を動かして楽しむもの。遠くの方で棒立ちのまま音だけ聴いて楽しむタイプのものではない!よってこのライヴを堪能したとはとても言い難いです...

 

ラストの「FREEDOM」でLUNA SEAのJさんが参加し、その時だけMOTHER STAGEで座って待っていた人たちが立ち上がりステージを注視していました(笑)

やっぱりこの会場にいる人たちはどんな音楽をやっているかではなく誰がやっているかなんだな...。それが悪いとはまったく思いませんが。

 

 

BRAHMAN

 

さあ来ましたよ彼らが。

SUGIZOさんとの親交により本日の出演が決まったと思われる彼ら。もちろん僕も彼らのライヴを一番楽しみにしていました。

 

しかしちょっと不安もありました。彼らのライヴを知っている人は言わずもがなですが、「BRAHMANのライヴを観る」という行為はただ単に「音楽ライヴを観る」ではなく、「戦場に赴く」ということ。全身全霊で体と魂をぶつけ合うのが彼らのライヴです。

 

今回のタイムテーブルを見てわかる通り、MOTHER STAGEはBRAHMANYOSHIKILUNA SEAの順で進んでいきます。

 

そう、YOSHIKIさんやLUNA SEAを前の方で観たいがために陣取っている女性客が、あの極楽地獄に巻き込まれてしまうのではないかという懸念です。一歩間違えれば大ケガしてしまうのではないかと。今回のフェスでは一応モッシュ・ダイブは禁止となっているものの、開催前のDJ BOOさんより「やっていいとは言わないよ!?ただもし発生したら...愛を持ってやってください」というお達しを受けているので、フロアがカオスになるのは目に見えてる。

 

そSE「お母さん、お願い」が流れ、バックのモニターに映像が流れると早速後ろからの圧が。真っ暗な中ゆっくりとメンバーが登場すると、そこにはギターを持ったSUGIZOさんの姿が。今まで女性客の声ばかりだったメンバーの名前呼びが、初めて野太い声で「スギゾーーー!!」呼ばれる(笑)

 

そして「初期衝動」「賽の河原」の2連発でいつも通りのBRAHMANの鬼神のごとき強烈なパフォーマンスが炸裂。フロア前方は地獄のモッシュピットと化す!まあ客層が客層なだけにこないだのVIVA LA ROCKのようなまったく身動きがとれないなんてことはなく、比較的自由に動くことはできましたが。

 

それでも普段あまりモッシュには縁のない方にとっては、今回のフロアの状況は死の一歩手前と言ってもよかったのでは...?皆様ご無事でしょうか...。地蔵、ダメ、ゼッタイ

 

ANSWER FOR…」で容赦なく鬼降臨。ちょうど僕のいるブロックにやってきて、SLAVEたちを踏みつけながら歩く、叫ぶ!!そこに向かってダイバーが飛ぶ!最終的には僕から1mも離れていない超至近距離までやってきてくれました。

 

しかし普段のライヴと異なり地盤が緩いためか(笑)、TOSHI-LOWさんがバランスを崩しそうになり周囲から「上げろ!!上げろ!!」と怒号にも似た声が発生する。何とか両足を安定させたのも束の間、続く「警醒」でもはや完全なカオス状態。正直この辺は僕自身トランス状態になっておりあんまり記憶ありません(笑)

 

福島の原発事故に関わる人々の声を映し出したスライドと共に歌われるのはもちろん、ひと際エモーショナルな「鼎の問」。目の前にいるTOSHI-LOWさんに向かって拳を突き上げ一緒に歌う。

 

そのまま客の上でTOSHI-LOWさんのMCが入る。

「出る前はずっと胸がザワザワしていた。俺だってバカじゃないから、自分らが異物だってことはわかる。マーガレットに「魁!!男塾」が乗ってたら嫌じゃねえか。宝塚に北斗の拳の奴らが出てたら嫌じゃねえか」

 

「俺らの世代では都市伝説だと思われていた大黒摩季が実在していた。「フジロック出たい」なんて言ってきて、めちゃくちゃパワフルに実在してんじゃねえか」

 

LUNA SEAのメンバーに「おたくらのSLAVE踏んづけちゃうけど大丈夫か?」って聞いたら5人とも「大丈夫だ」って答えた。志村けんばりに「大丈夫だ」って言ってた。でもよくタイムテーブルを見てみたら、俺が踏んづけたのはYOSHIKI待ちのファンじゃねえか。気づかないふりしてます。」

 

いちいちネタを仕込んできておりその度に場内から爆笑が巻き起こる。しかしその後はSUGIZOさんと原発事故からそう遠くない箇所で共に飲み、被災した地域でソロでライヴをやってくれるのを快諾してくれたこと、「あんたらにとっては小さすぎるかもしれないけど」と思いつつもライヴをしてほしいと約束をして、実際にX JAPANが石巻BLUE RESISTANCEでライヴをしてくれたことを語り、「約束を守ってくれる男たちはカッケエ」と称賛すると、会場から大きな拍手と歓声が巻き起こる。

 

その後のSUGIZOさんのヴァイオリンを交えた「満月の夕」は感動・鳥肌モノでしたね。今日一日を通した中で個人的にはここが最大のハイライトでした。

 

ラストはVIVA LA ROCKと同様に「真善美」で幕を閉じました。疾風怒濤、感情むき出しのパフォーマンス、不器用でまっすぐすぎるMC、潔すぎる幕引きと、本日の出演組で最も心に、魂に響く圧巻のライヴでしたね。やっぱりBRAHMANは最強のエモーショナル・ライヴバンドです。これからもついていきたい。

 

 

LOUDNESS

 

正直もうここで全行程終了でいいとさえ思えちゃうほどの心境でしたが、まだだ。ジャパニーズメタル代表のLOUDNESSが残っている。ヘヴィメタルファンとしては彼らのライヴを観なければならない。

 

しかしこのタイムテーブル、およびステージ割は彼らにとって厳しすぎると言わざるを得ない。何せ彼らがプレイする反対側のステージでラストのYOSHIKIさんとLUNA SEAが連続で出演する。よってその二組を観たい方(会場内の大半の人)は彼らに対して背中を向けることになってしまうのです。始まる前から「TaijiさんのいないLOUDNESSはガラガラになってしまうんじゃ...」と心配していました。

 

そして実際入りは寂しいBRAHMANが終わってすぐにMOON STAGEに向かうと、最前ブロックすらロクに埋まっていない。しかし年配客を中心に、Taijiさん在籍時の頃を知っていると思しき方々がチョロチョロとおり、このタイムテーブルとしてはこれでも善戦した方でしょうかね。

 

オープニングは「Soul on Fire」「I'm Still Alive」という最新作の流れ。全盛期を思わせる正統派メタルチューンは頭を振るのにもってこい。高崎さんのギターソロはもはや貫禄すら感じる圧巻のプレイで、十八番のタッピングを交えた速弾きソロをバリバリ繰り出す。音の大きさもあって迫力は抜群だ。

 

そして二井原さんのヴォーカルは還暦近い人のものとは全く思えぬほどの強靭な歌声。音源にも一切引けを取らないパワフルな歌いまわしを最初から最後までバッチリ披露してくれました。今まで観てきた中でもトップクラスの安定感だったのでは。

 

前述の2曲を終えた後は、彼らを代表する名曲のオンパレードで実に最高だったのですが、そんな中Taijiさんが加入して初めてレコーディングされたという「Black Widow」が演奏されたのは、おそらく彼らの粋な計らいなのでしょう。もちろんこれ以外に聴きたい曲はありましたが、このフェスにおいてこの選曲にケチをつけるのは罰当たりというもの。

 

何か特別な演出があったり、ゲストを招いたりなどもなく、下手をすれば「地味」とすら受け取られかねない終始腰を据えたパフォーマンスを披露していましたが、ベテランらしいキャリアに裏付けられた安定感抜群のライヴは、特に文句のつけようもない素晴らしいものでした。単純なライヴのクオリティーだけならば文句なしに今日イチでしょう。遠巻きに見ていた人からはあまり盛り上がっていないように映ったかもしれませんが、個人的にはかなり楽しめました。

 

 

YOSHIKI

 

LOUDNESS終了後はエントランスに移動し、余っている食券を消費することに。YOSHIKIさんはどうせ準備に時間かかるだろうと踏んでましたし。

 

やはり皆さんアリーナの方へ行っているためかフードエリアはガラガラ。ちょうど食券を使いきれる枚数を探し、イチゴアイスとレッドブル、そしてちゃんぽんを購入しておなかはいっぱいに。

 

そしてライブの様子が映し出されているテレビを見てみると、案外早くYOSHIKIさんは出てきたらしく、もうすでにライヴは始まっていた...と思ったら、なぜだかドキュメンタリー風の映像が映し出されている(笑)。

自分たちのワンマンでもないフェスという環境でこんな映像流すなんてどういうことだよ...と若干呆れたものの、まあYOSHIKIさんにそんなこと言ってもしゃあないわな。ファンの方には申し訳ないけど最初から観なくて正解だったかも...。

 

しばらく経って再びアリーナに向かってみると、バックのスクリーンに往年のX JAPANの写真や映像が流されつつ、YOSHIKIさんが弦楽隊と共にピアノで「ART OF LIFE」を演奏中。MOTHER STAGE側のアリーナ最後方へ移動しじっくりと鑑賞。

 

必ずしも自分のホームではないフェスという環境で(まあこのフェスは実質ホームみたいなもんでしょうけど)、ある程度熱心なファンでないと感情移入できない演出をするのはどうなんだ?と思いつつも、まあYOSHIKIさんにそんなこと言ってもしゃあないわな。演奏自体は素晴らしいものでしたし、一音一音に感情を込める様子が伝わってきました。最後の方では思わずYOSHIKIさんも涙目に...。

 

ラストは文句なしの名曲「ENDLESS RAIN」。弾く前に「みんなで歌ってください」と語りかけると、ピアノのメロディーに合わせて、会場からまとまった歌声が響き渡る。大黒摩季さんの「ららら」に負けず劣らずの一体感を生んでいたように思います。

 

しかしこうやって改めて聴いて思うのは、"日本人の琴線に触れる範囲で、最大限美しいメロディーを生み出すこと"において、YOSHIKIさんというのはまぎれもなく天才であるということ。どうやったらここまでダイレクトに感情に訴えかけるメロディーを紡ぐことができるのか...。まさに心に染み入るという表現が相応しい。

 

ただいくら素晴らしい曲・演奏と言えど、オールスタンディングのフェスの終盤で、このピアノ演奏を延々立ちっぱで聴き続けるのはさすがにちょっとキツイな(笑)。ちゃんとしたコンサートホールとかであればもっと素直に感動できたんですが、この時点で僕の体力はかなりキテたので...。

 

演奏終了後、完全に自分がトリだと勘違いしている口上で出演者、観客、LUNA SEAに感謝を述べ、恒例の「We Are!」「X!!」のコール&レスポンスで締め。正直X JAPANにあまり詳しくない人が見ていたら置いてけぼりにされそうな流れのステージだったのですが、まあそこはYOSHIKIさんですからね(笑)。野暮なことは言いっこなしです。

 

いよいよトリのLUNA SEAを残すのみなのですが、もうこの時点で個人的には充分堪能したし、LUNACYは朝一発目で観たので、ちょっともったいないけどこの時点で帰路に就くことにしました。今の職場は自宅からかなり遠いので朝が早いんですよね...

 

しかし振り返ってみるとかなり密度の濃いフェスでしたね。クオリティーの低いライヴはひとつもなく(YOSHIKIさんはとらえ方によるかもですが)、すべてのバンドが充実のパフォーマンスを見せてくれて非常に楽しかったです。

 

ベストアクトはやはり大迫力・大感動の圧巻のステージとなったBRAHMAN、次いでベテランの安定感をいかんなく発揮した重鎮LOUDNESS大黒摩季さん、敢闘賞はTHE ORAL CIGARETTESですね。

 

今後またいつ開催されるかは不明ですが、またこのスペシャルな雰囲気を堪能しに遊びに来ようかな。

この機会を作り上げてくれたLUNA SEAには感謝感謝です!ライヴを観なかったのはちょっと申し訳ないですが。