ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

9/15 氣志團万博2018 ~房総爆音爆勝宣言~ Day 1 at 袖ヶ浦海浜公園

氣志團万博2018

永遠の16歳、バッドボーイズ・ロックバンドの氣志團が主催するロックフェス・氣志團万博の1日目に足を運んできました。

 

元々は氣志團のみの野外ギグとして始まった氣志團万博、現在は毎年多種多様なラインナップをそろえるフェスティバルとなりましたが、今年の1日目のアクトはかなり興味をそそられるものとなっていました。

 

過去にライヴを経験し、確実に楽しめるであろうことがわかっているマキシマム ザ ホルモン、BiSH、岡崎体育、coldrainに、VIVA LA ROCKでは残念ながら観ることが叶わなかった打首獄門同好会、一度は観てみたかったミクスチャーロックの代表格Dragon Ashと個人的に注目度の高いアーティストばかり。

 

しかしそうなってくると心配なのはチケット争奪戦。いくら行きたがってもチケットが無けりゃどうしようもない。何とかダメもとでイープラスのチケット抽選に参加しました。競争率はかなり高そうだし厳しいかな~とさして期待はしていませんでした。

 

そして結果はまさかの一発当選。「これは今年の運は使い切ってしまったかなぁ~?ガッハッハッハ!」と喜んでいたものの、蓋を開けてみれば一般発売期間になってもしばらく普通にチケット出てるでやんの(笑) まあ通し券は全滅で一日券のみの販売となっていましたが。

 

そして当日。野外フェスだというのに天気は最悪。分厚い雲が空を覆い雨がやみそうな気配はない...。お天道FUCK。

 

最寄り(といっても会場までそこそこあるけど)JR袖ヶ浦駅に到着したのは8時半ごろ。いかにも「これからフェス!」ってナリの人たちと混じって駅構内に入ると、「ようこそ袖ヶ浦へーーっ!」「袖ヶ浦カツサンドいかがですかーーっ!」と怒号にも似たバカでかい宣伝の声が響く。

 

そんな宣伝をちょっと申し訳なくもスルーし外に出て、事前に購入済みのシャトルバスチケットを握りしめバス乗り場へ赴く。パンパンのバスに揺られながら景色を見ていたのですが、住宅がチラホラ並んでいるところを抜ければ、ポツポツ工場がある程度でマジで何もない(笑) 駅内でメチャメチャ気合入れて宣伝していた理由がなんとなくわかりましたね。ここまで何もないところだと今日のようにたくさんの外部の人が来るなんてことは無さそうですし。

 

そして開場を待って並んでいる人たちの何と多いことか!何十メートルにもズラーっと列が伸びており、これからこの列に並ぶのかと思うと早速気が滅入りそうになりますよ...。しかも雨降ってるし...。

 

氣志團万博2018_1

ダーッと列が続いていますがこんなものはほんのごく一部です...

 

入場どころかリストバンド交換所まで行くのにも30分ほど待つハメとなり、列に続いて会場外を歩いている段階で9:40スタートのウェルカムアクトのオメでたい頭でなによりのライヴが始まってしまいました。1時間ほど前から並んでいたのにも関わらず、遠くの方で「鯛獲る」のイントロが流れているのを聴くしかない状況が虚しい...。

 

 

オメでたい頭でなにより

 

何とか入場することができれば急いでサブステージであるMossai Stageに足を運ぶ。後半15分ほどだけですが観ることができました。

 

日本一オメでたいラウドロック"オメコア"をプレイする5人組。結成してまだ間もないバンドながら、いわゆる歌い手としてニコニコ動画界隈でだいぶ前から有名な存在であったらしいヴォーカルの赤飯さんはじめ、キャリアあるメンバーが集っているらしく、コミカルさを売りにしているバンド群の中では歌唱力・演奏技術がズバ抜けて優れているバンドです。

 

僕は去年の大冠祭で初めてその存在を知ったのですが、チャラくも華のあるルックス、非常にタイトな演奏力、そして何より変幻自在の驚異的なヴォーカルワークに驚かされました。そして雨が降りしきる朝イチのステージという状況においても、その実力はまったくと言っていいほど乱れがない。

 

ただ声量の問題か音響の問題かはわかりませんが、赤飯さん以外のコーラスが聴こえづらくちょっと迫力不足。サビのコーラスが印象的な「スーパー銭湯~オメの湯~」がやや寂しいことになってしまったのがちょっと残念。ただ一番の見せ場であるドラム・ベース・ギターそれぞれのソロは完璧でしたが。

 

最後は「オメでたい頭でなにより」で大きなサークルをド真ん中に作り、中央にいた赤飯さんめがけてモッシュが炸裂。文字通り大団円といえる締めくくりとなりました。朝イチのステージということで人付きはあまり多くなかったものの(そもそもまだ入場すらできてない人がたくさん...)、オーディエンスの反応は悪くなく、オメでたい楽曲の魅力もあってオープニングには相応しかったと思います。

 

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ウェルカムアクト後は会場内をちょっと散策。最初にエリアマップを見たときは「結構広そうだな~。ステージ間の移動にどのくらい時間がかかるのかな」などと思っていましたが、実際来てみると大したことはなく、その気になれば全アーティスト普通に観られそうでしたね。

 

氣志團万博2018_2

公園の中央には小さな観覧車が。乗り物ではなくオブジェみたいな感じでした。

 

氣志團万博2018_3

フードエリアにはカジノらしき場所が。実際にやってたかは不明。

 

そしてメインステージであるYassai Stageで森山直太朗さんによるオープニングセレモニー。違う「さくら」をSEにして(笑)ギターを抱えて登場。

 

氣志團万博には悪い人がたくさんいますから、スリや置き引きなどには気をつけてくださいね」と一笑いとったあと、氣志團万博のオープニングセレモニーのために作られた(本人談)「さくら」を歌う。初っ端から生歌唱でこの名曲を聴けるとは貴重な体験だなあ。

 

その後氣志團翔やんと共に開催宣言をしたあと間髪入れずにTRFのライヴがスタート。氣志團万博の特徴として、翔やんのコメントを交えた各アーティストの紹介・煽りのVTRがライヴ前に流れるのですが(ナレーションはイッテQやがんばれエガちゃんピンでお馴染みの立木さん)、このVTRがまたいちいち面白く、ライヴ前の楽しみとして機能するのもナイスなところですね。

 

 

TRF

 

90年代に大人気を博した、イケイケのレイヴ・ダンスユニット。かなり小さいもののDJ KOOさん、キレキレのダンスを踊るSAMさんを見ることができました。オープニングの森山直太朗さんもですが、テレビでしか見たことない芸能人・アーティストをこうして見られるのは、何だか訳もなくテンションが上がってしまいます(ミーハーか/笑)

 

っていうか、TRFは今回の出演組の中ではトップクラスに売れているアーティストのはずですが、一番手というポジションで良いんですかね?まあ客層を考えればあまりウケるタイプではなさそうだし、失礼ながらもう旬は過ぎているアーティストなので仕方ないのかもしれません。もちろん僕も全く世代ではないですし。

 

50代とは思えない美貌を維持しているYU-KIさんのヴォーカルは声量こそやや控えめなものの至極安定していて、パフォーマンスもキャリアに裏付けされた堂々たるもの。バックのダンスもメチャクチャ派手に動きまくっているわけではないですが、雨の降りしきる中でキレ良く動き回っており、まさにプロフェッショナルなアクトという感じ。

 

T字型の花道に何度も出てきてはオーディエンスを煽り立てる手腕も手慣れたもので、そのアゲアゲで知名度の高いサウンドの魅力も相まって、雨でべちょべちょの公園がダンスフロアのムードに切り替わる。皆一様に手を上げ、ツーステっぽい所作で踊りまくっている。

 

DJ KOOさんのラップも後半でがっつり聴けましたが、ホントこの人のバラエティでの振る舞いは何なのだろうなあと感じずにはいられませんでした(笑)

 

ぶっちゃけ懐メロ祭りと言えばそれまでなのですが、一世を風靡したTKサウンドを生で体感するという経験は、こんな機会でもない限りできないので、良いものを観させてもらったなあという感じです。

 

まあ後半は荷物をクロークに預けにいっており、「survival dAnce ~no no cry more~」は遠くの方から流れているのを聴くだけになってしまいましたが。

 

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荷物を預けた後は腹ごしらえをしようとフードエリアに赴くのですが、もう一向に雨が止む気配がない。大粒というほどではないものの横殴りの雨は相当なストレスになりますな...。ああ、サマソニはあれだけ天候に恵まれたというのに...。

 

氣志團万博2018_4

雨の中食した牛焼きしゃぶ丼。美味いんだけど青空のもと食いたかった。

 

 

SiM

 

飯休憩のあとはYassai Stageに戻り、湘南出身のレゲエパンクを自称するSiMのライヴを観る。J-PUNK界隈ではcoldrain、CROSSFAITHと同系列にカテゴライズされる人気バンドで、ライヴを観るのは今回が初。

 

ステージアクションは非常にアグレッシヴで、ギターとベースがそろってグルグル回る様はなかなか観てて気持ちがいい。ヴォーカル・演奏も荒々しくも安定感を感じさせるもので、特にケチをつける要素は無し。

 

ただ個人的にはどうも彼らのチャラっぽいアティチュード、およびメロディーラインに惹かれるものが無く、琴線には響かなかったなぁ...。音源はあまり興味ないタイプでもライヴで観ればかなり良いと感じるアーティストは結構いるんですが(スカパラとか)、このバンドの場合ライヴを観ても印象は変わりませんでした。こればっかりは好みというか感性なので仕方ないなあ。

 

もしかしたらヴォーカルのMCがこの手のラウドロックバンドのものだとしても、やや感じ悪かったのも一因かも(笑) ただ「房総半島何にもねえな!」というMCには申し訳ないけど共感してしまった(笑)

 

ラストにはウォールオブデスを指示しましたが、モニターの映像を見る限りあまりダイナミックで迫力あるものにはなりませんでしたね...。雨でグチャグチャにぬかるんだ地面に気を取られてしまったのかもしれません。

 

 

岡崎体育

 

去年のCOUNTDOWN JAPANで観てその面白さにハマってしまった盆地テクノアーティスト。今回もしっかり笑わせてくれました。

 

氣志團万博3回目の出演で、今年こそYassai Stageに出られると期待していたものの、翔やんの計らい(曰く「岡崎君はこっちの方がおいしい」)でまたもやMossai Stageでの出演。納得のいかない岡崎さんは「こうなったらMossai Stageの神になる」と宣言し、"Mossai Stageの~~Mossai様~~~"というフレーズが嫌に耳に残るSEで登場。先ほどのSiMを意識したようなメイクを施しており、岡崎さんなりに神感を出そうとしたのが見て取れました。

 

ひとしきりMossai様を拝ませたとは、「みんなでジャンプすると地面がグラグラする」という理由で、ジャンケンで勝った人のみ踊って、あいこと負けは動くなという指示を出す。僕はグーを出しあいこになったので微動だにしませんでした(笑)

 

そしてかなり序盤の方で「Walk Of Death」が披露される。これだ!これがやりたくてわざわざ真ん中に陣取ったというものだ。

 

知らない人のために一応説明すると「Walk Of Death」とは、通常のウォールオブデスのように観客が二つに分かれた後、岡崎さんの合図とともに「黙って」・「無表情で」・「歩いて」もといた位置に歩いて戻るという"世界一安全なウォールオブデス"のことです。

 

二手に分かれた後は、実際のウォールオブデスのように仕切り屋がピョンピョン飛び跳ねたり、必要以上に悪そうな顔をして中指を立てたりと、皆さんなかなかノリがいいですね(笑)

 

Voice Of Heart」における心の声のツッコミはいちいち笑いのツボを心得たもので、存分に笑わせてもらいました。特に「誰がお前のバラード聴きたがってんねん」はハマりましたね。予想した通り今日一番笑えるステージだったなあと思いました。この時までは...。

 

 

JUN SKY WALKER(S)

 

80年代から活動している大ベテランかつ大人気バンドではあるものの、正直に言うと本日のメンツの中では個人的に最も興味の薄いバンドだったと言わざるを得ない(有名バンドなので全く興味ないわけではなかったけど)。

 

僕と同じように考えてた人も多かったのか、フードエリアはやや混雑しており、Yassai Stageは前方こそ埋まっているものの全体的な人集まりは先ほどのSiMと比べるとさほどでもない。結成時には生まれてもいない僕が言うのもアレですが、時代の流れというヤツなのかな...としみじみ。

 

実際歌を聴いてみてもTRFの時と同様にどこか古臭さを感じさせるというか、ひと昔前の歌謡曲っぽさを保有しており、このフェスにおいては"異端"な感じ。

 

ただ彼らの音が青春時代だと思われる、年齢層高めのオーディエンスは皆一様に共に歌って、身体を揺らして楽しんでおり、響く人には確実に響いていると感じました。やはりベテランだけであり、普段のライヴとは全く異なる客層の会場でも安定感抜群で余裕のあるプレイを披露しており、バンドとして確かな地力を見せてくれました(これはTRFも同様ですが)

 

それとヴォーカルの宮田さん、メチャクチャに人が好さそうですね(笑) 「昔はこういう花道があったらすぐにでも走っていったけど、今そんなことやったら一曲減らさなきゃいけないからね。」という和やかな発言も、毒気のないルックスも、とてもロックバンドのフロントマンとは思えない。

 

 

レキシ

 

ジュンスカのライヴ中から少しずつ弱まってきた雨足がここにきてようやく途絶える。やっとかよ!まったくもーー...ブツブツ...

 

続いてのYassai Stageのアクトは歴史縛りファンクネスバンド・レキシ。かつてCDショップでバイトしてたとき、アルバムはやたらと似通ったジャケットばかり凝りに凝った外装のため陳列用のダミー作りがめんどくさい特典がデカくて袋からハミ出すなどなど結構苦労させられました(笑)

 

あとどうでもいいことですが、僕が彼の存在を初めて知ったのはCDショップや音楽番組ではなく某死ぬほどアホみたいなネット配信番組だったりします。

 

普段はスキマスイッチもビックリの立派なアフロを持つ彼ですが、今回は氣志團のメンバーにいても違和感がないほどのリーゼントを決めて登場。なんでも今回は"レキシ"ではなく"レ氣志團"だそうです(その割には氣志團メンバーは一切出てこなかったけど...)。

 

ファンクということでバックには何人ものホーン隊がおり、ちょっとアダルティなムードを醸し出す。そしてその風貌に似合わず(スイマセン)池田さんのヴォーカルがメッチャイイ声でちょっとびっくり。ここまでムードあふれるサウンドにマッチした歌声の持ち主だとは思いませんでした。

 

キーボーディストをイジッたり、GLAY安室奈美恵のムリヤリな替え歌を披露したりとパフォーマンスは終始コミカルで、それも充分に楽しいのですが、これだけキレイに歌い上げることができるなら、笑いに走らずまっとうな音楽をプレイしても良いのではとすら思ってしまいましたね。

 

コンセプトや本人のルックスからはどうしてもイロモノ臭を感じてしまいますが、もしそれでマジメ系リスナーに敬遠されるようなことがあれば非常にもったいないなあ。まあそのイロモノ臭も彼の魅力ではあると思いますが。

 

ちなみにオーディエンスが稲穂を振る(稲穂を使うことを全く知らなかった僕は、カバンから稲穂がはみ出ている人を結構見かけていて、何に使うんだ?と疑問に感じていました/笑)「狩りから稲作へ」では池田さんが「その稲穂は他アーティストのライヴ中は絶対振るなよ!特にアッコさんのときは絶対振るなよ!」と注意を呼び掛けていましたが、後にこの警告は誤りであったことがわかります...。

 

 

coldrain

 

氣志團万博2018_5

もうこの時点で天気は完全に回復し(雲は大量に残ってはいますが)、すこし日の光が見えだす。遅いよ!

 

レキシが終わったとすぐにMossai Stageに向かうと、すでにかなりの人だかりでパンパン。このバンドはYassai Stageでよかったんじゃないですかね?

 

入場するなりいきなり「二つに分かれろ!」と煽りウォールオブデスを要求。「24-7」のイントロにてウォールオブデスが繰り出されると、後方からはどよめきの声が上がる。やはりこのフェスはバラエティに富んだラインナップであるがゆえに、この手のノリが新鮮に感じられる人も多いのでしょうね。

 

良くも悪くも国産バンドらしくないポストハードコアはやはり聴きやすくもアグレッシヴで、前方では盛んにモッシュ・ダイブが繰り広げられている。まあ僕はかなり後方から観ていたので、前の方の様子はモニターでしか確認できないのですが。

 

パフォーマンスは非の打ち所がないもので、ヴォーカルはクリーン・デスともにバッチリ、演奏もヘヴィでタイトで実に素晴らしいのですが、オメでたい頭でなによりの時と同様に、どうもメインヴォーカル以外の声が全然聴こえず、コーラスが寂しいことになってしまっている。いったい音響スタッフは何をやっとるんだ。

 

「この後あっちのステージでマキシマムザホルモンがやるけど、あの人たちのヘドバンは遅いから。ここで速いヘドバンして体を温めてくれ。」とMasatoさんのMCから「FIRE IN THE SKY」がプレイされると、皆一様にドラムのペースに合わせて首をブオンブオン振りまくる。その光景はさながらビジュアル系バンドのライヴのバンギャのようで(あそこまでバッサバッサしてはいないけど)、かなり印象的な光景でしたね。

 

まあ僕が今回一番印象に残ったのは、リズムギター担当のSugiさんがHELLOWEENの『守護神殿』のジャケットが描かれたタンクを着ていたことなのですが(笑)

 

 

Dragon Ash

 

今や日本のロックフェスには欠かすことのできない存在と言えるDragon Ash。今まで観たことのないバンドだっただけに期待値はかなり高かった。

 

そして実際ライヴパフォーマンスはメチャクチャカッコいい。Kjさんのカリスマ性たるや遠くから眺めてるだけでもバリバリ伝わってくるし、ド派手な破壊音を響かせるKenKenさんのベースも文句のつけようのないカッコよさ。二人のダンサーが織りなすステージングもあり、見た目の華は本日出演組の中でもトップクラス。

 

楽曲の方も程よく疾走感がありキャッチー、ミクスチャーらしいラップやスクラッチ音もバンバン主張していながら、それが邪魔に感じるようなことは一切なく、一つの楽曲として機能している。Kjさんのヴォーカルも安定しつつドスの効いた荒さもあり、危険なオーラがプンプン漂っている。こりゃスゲエや。

 

特にKenKenさんの超絶テクが炸裂する「The Live」のカッコよさたるや筆舌に尽くしがたい!「頭ブン回せ!」と煽られりゃじっとなんかしてられませんよ。「どんどん飛んで来いよ!」と言われた後にダイバーの数が目に見えて増えましたね。

 

「このフェスは氣志團が主催だけど、氣志團だけがやってるわけじゃねえんだよ。スタッフもそうだし、チケット買って観に来てるお前らが作ってるんだよ。それを誇りに思ってロックンロールを楽しんでください。」とオーディエンスに呼び掛けた後は名曲「Fantasista」。もちろんド定番だけに盛り上がりますが、できれば「ミクスチャーロックは好きですかーー!?」の叫びも聞きたかったなあ。

 

 

BiSH

 

全部フェスではあるものの、もう今年だけで3回も観ることになった楽器を持たないパンクバンド。まあHER NAME IN BLOODの時と同じこと言いますけど、良いものは何度観たって良いので。

 

毎度おなじみのクラウドサーフ禁止のお達しのあと、「GiANT KiLLERS」のイントロが流れた瞬間、待ってましたと言わんばかりに中央にサークルが発生。続く「OTNK」においてもサビの瞬間ピットが発生しグッチャグチャに入り乱れる。

 

僕はWARPED TOURにてすでに観ているので、こういったノリになるのはわかっていましたが、「ロック系のアイドルらしいけど、ちょっと観てみるか。」くらいの感覚の人からすると、この光景は衝撃度の大きいもののようでしたね。様子見をしていた人たちから大きなどよめきが聞こえてくるのはなかなかに痛快。

 

中央付近のモッシュピットは、アイドルっぽいノリ(コールや振り付け)と邦ロックっぽいノリ(モッシュやサークル)が混在しているカオスなもので、見てる側も非常に楽しめるのですが、そちらに気を取られてメンバーのステージングにあまり意識が向かなかったのは要反省です(笑)

 

勢い溢れるショートチューン「DEADMAN」が披露された時は「おおっ!これはアルバムの流れ通りにいくか!?」と期待したものの、その後はMCに入り「プロミスザスター」がプレイされる。残念ながら僕が一番好きな「ファーストキッチンライフ」はまたもやお預けをくらってしまうことに...。いや、「プロミスザスター」は良い曲だと思うし、好きな曲でもあるんでいいのですが。

 

「そんなに聴きてえなら単独行けよ」というツッコミが聞こえてきそうですが、うるせえな!それが簡単にできたら苦労しねえんだよ!もう知らねえよ!!(何故かキレ)

 

まあそれはともかく疾走曲を多めに配した選曲もベタだけど良く、他アーティストとは一味違う空気感をいかんなく発揮したステージで、清掃員にはいつも通りの興奮を、初めて観る人には強いインパクトを与えるナイスなアクトであったと思います。

 

あとついでにどうでもいいこと言っとくと、メガネ担当のハシヤスメ・アツコさんは氣志團リスペクトの表れか、グラサンをかけていましたが、彼女は"メガネをとったらBiSHをクビになる"みたいな設定ありませんでしたっけ?(笑)

 

 

和田アキ子

 

言わずと知れた芸能界のドン。まさかこの人のステージを観ることができるとは。今年でなんと歌手活動50年を迎えるという超ベテラン歌手。

 

芸能人のアッコさんはもちろん皆さん知っているはずですが、歌手としての和田アキ子はロクに知らないという人は僕含めて結構いると思うので、だからこそどんなステージになるのかかなり期待していました。

 

そして結論から言うともう素晴らしいの一言。正直ここまで胸が熱くなるとは思いませんでした。

 

テレビで観るときの"面白い芸能人のアッコさん"とは一線を画す"歌手・和田アキ子"。その太く、力強く、コブシをきかせつつも伸びやかな歌唱の存在感たるやすさまじいもので、圧倒されるほかない。

 

"ハッ!"のフレーズが独り歩きしている感が無きにしも非ずな「古い日記」ですが、正直その圧倒的な歌唱の前に聴き入ってしまい、最初は合いの手を入れるのを忘れてしまいました。あれだけマイク離してもあそこまで声が通るものなのか...。いやはや恐れ入りました。

 

「私のルーツはブラックミュージックと呼ばれるもので、そのブラックミュージックの代表格であるアレサ・フランクリンさんが先日亡くなりました。そんな彼女を偲んで「Rock Steady」をカバーします。」というMCに導かれ歌に入る。さすがにご本人ほどの歌のスケール感は無いものの、黒人音楽ならではのねちっこさ(?)はしっかりと再現されており、その表現力に感嘆するばかりです。

 

またテレビなどでは「傍若無人」「暴力的」なイメージで通っているアッコさんですが、MCでは意外なほどに(というと失礼でしょうかね。実際はイイ人なのでしょうし)優しさあふれる物言い。氣志團万博が自身のフェスの原点であると語り、参加できる喜びをこの上なく素直かつ誠実に表してくれました。

 

「奇跡みたいなものだよね。今日午前中は土砂降りだったんだよ。それが続いてたら私はこっち(花道)に出られなかった。やっぱり神様が見てくれてたんだろうね。」と頻繁に花道まで出てくれてましたが、やはり神様も芸能界のドンには恐れをなしたのでしょうね(違う)

 

終盤に歌われた「また明日も歌いましょう」はマジでちょっと涙腺に来そうでした(笑) これまで力強いソウルの歌唱を響かせてたアッコさんが、ここにきて抜群の表現力は据え置きながらも、しなやかで美しい歌いまわしを見せるバラード。サビが終わるごとに拍手が響きましたがそれも納得の素晴らしさ。

 

「ここにいる皆さんに希望の鐘が鳴りますように」と語れば、ラストはもちろん名曲「あの鐘を鳴らすのはあなた」。今までバンドミュージックばかり聴いてきた僕ですが、ここにきて"歌手"のすごさをまざまざと見せつけられたような気がします。

 

 

マキシマム ザ ホルモン

 

もうすっかり日も落ちてしまった18時半。Mossai Stageのトリ前を務めるのは皆さんご存知の爆音無双・マキシマム ザ ホルモン。ここにきて今日初めての本格的なモッシュに興じることに。

 

開始前のVTRではとにかくひたすら同郷のファンモンをイジリまくる(本人たち曰く「風化させてはいけない」とのこと/笑) またナヲさんと翔やんは不倫関係であること、一番上の子は翔やんとの子供であることが暴露されていました。

 

そしてメルカリで買ったというファンモンTシャツに身を包み花道まで出てきて「小さな君の手」を歌う(完全に口パクだったけど)。相変わらずアホなことやらせたらこのバンドは天下一品ですな。

 

もちろんその後は「maximum the hormone」の轟音リフで一斉にヘドバン大会開催。一変してファンモンのピースフルな空間から、狂乱の坩堝へと化す。

 

そして今回は非常に短い時間の中でセットリストがかなりおいしいことになっており、彼らのレパートリーの中でもトップクラスのブルータリティーとメロディアスさを誇る「爪爪爪」、ある意味ホルモン史上最も危ない歌詞と言える「川北猿員」には大興奮でした!!死刑執行がなされた2018年に"サ〇ン!サ〇ン!サ〇ン!"と叫ぶのは一種の背徳感がありましたが(笑)、パンキッシュな疾走感に身をゆだね暴れ倒すことができました。

 

ただ「爪爪爪」のイントロのリフが弾かれた段階では音がゴチャついてたのもあり、ヴォーカルが入るまで何の曲か判別できませんでしたが...

 

ユーモアあふれるMCも健在でしたが、今回は非常に時間の限られているフェスなのでそこまで長々コントめいたことはせずに、割とあっさり恋のおまじないまで進み(思いっきり反り返っているときに、周りから苦悶の声が聞こえてきたのにちょっと笑ってしまった)、ラストナンバーとしてすっかり定着した「恋のスペルマ」でフィニッシュ。

 

ただ僕はMossai Stageで打首獄門同好会を観ると当初から決めていたので、皆がスペルマダンスをしている中、何とか人の間をすり抜けていって、Yassai Stageを後にしました。僕と同様に何人か抜け出る人がいたので同じことを考えてた人は結構いたのかな?中には「道を開けてくれ~!俺は打首に行きたいんだ~!」と声高に主張している人もいましたし(笑)

 

何とかYassai Stageを抜けてフードエリア辺りまでくると、エンディングの「ロッキンポ殺し」が突如鳴りやみ、9/17のHAZIKETEMAZARE FESTIVAL 2018終演後にライヴ活動を休止、現在決まっている公演はすべてキャンセルになるという衝撃の発表が。

 

当然ながら先ほどまで熱気に満ち溢れていた会場内の空気が急速に冷却されていくのがわかりました。当初は「それ、このタイミングで言わなきゃダメなの?」と思いましたが、なんでもダイスケはんが重度の頚椎椎間板ヘルニアを患っており、発表のタイミングを考えた結果、あのような発表になってしまったのだとか。

 

色々と思うところはありつつも、とりあえずは一日も早い回復を願ってやみません。ダイスケはんお大事に...。

 

 

打首獄門同好会

 

何とも微妙な心境でMossai Stageに行くと、スタッフの方が「これからのライヴで使用しますので、もらっていない方はどうぞ!」とうまい棒を配っている。

 

まったく事情を知らない人からしたら「なんで?」と思わずにはいられないでしょうが、彼らの楽曲にちょっとでも触れたことある人なら「デリシャスティック」を演ることがわかりますね。

 

そしてのっけから「デリシャスティック」。単にうまい棒の種類を連呼して、うまい棒がうまいみたいなことを言っているだけの中身のなさすぎる歌ながら(まあ彼らの楽曲はほぼほぼこんなモンですが/笑)妙にキャッチーでヘヴィでカッコいい。彼らのライヴの要となる映像はスクリーンが小さくてやや見づらかったものの、時折うまい棒のパッケージが見つからなかったのか、「画像検索困難」みたいな文字が出てくるのが面白い。

 

海がすぐ目の前にある立地のため、必ずやるだろうと思っていた「島国DNA」ではお約束通りマグロのバルーンがオーディエンスに飛ばされ宙を舞う。ただなかなか後ろの方まで回してもらえず、タッチすることはできませんでした。

 

ゲームのテーマソングとなった新曲「はたらきたくない」も披露されましたが、彼らの楽曲としてはメロディーのキャッチーさ、勢いはやや控えめか。現代人の心の叫びを如実に表現した歌詞は面白いですが。

 

っていうかこういう楽曲が出るほどの状況しか知らない身からすると、「24時間戦えますか?」というフレーズが実在したということが信じられないのですが(笑)

 

大澤会長はMossai Stageのトリであるにも関わらず、かなり早い段階から会場入りしており他のバンドの演奏を観ていたそうで「その稲穂は他のアーティストのライヴでは振るなと言っていたが、もう一組稲穂を振っていいバンドがいるんじゃないか?」と呼びかけると、数は少ないものの稲穂が掲げられる。

 

「今年は多くの災害に見舞われたが、9月は収穫の時期!大豊作を願って...」としゃべり出したなら、もう次の曲は明らかですね。彼らのアンセムと言える「日本の米は世界一」。もちろん大合唱が巻き起こるのですが、ラストの"日本の米はぁ~~~...!"と溜めるところでは、"世界一!"のシンガロングをフライングしてしまう人が結構いたなあ。皆ちゃんと曲は聴いとるのかえぇ?(偉そうに)

 

聴こう!

 

 

氣志團

 

ラストは主催の氣志團。打首終わりでクロークからバッグを取り出し着替えを済ませ、終演後すぐに出られるように準備を整えてからYassai Stageへと向かう。

 

しかしYassai Stage側のエリアはビッチリで、とても前の方に行けない状況になっている。仕方がないのでステージエリアに行くことはあきらめて、通路を挟んだフードエリアから観ることに。かなり遠い位置ではあるものの、視界を遮るものは無いのでなんとか視認できるっちゃできるな。

 

一応メンバーは5人ではあるものの、バックダンサーがかなりの数おりなかなかに豪華なステージングになっていましたね。

 

やっている楽曲そのものの骨格は割と普通の歌謡曲なのですが、翔やんの優し気な声質とメンバーの人柄か、どこか温かい雰囲気が感じられて何だかハートフル。

 

「今まで来たことある人は知ってるかもしれないけど、初めて来た人はびっくりしたろう?何にもねえだろう?こんなところにまで来てくれて本当にありがとう!」とストレートな感謝の気持ちを表した言葉に拍手が鳴り響く。

 

「俺たちの街を歌った歌です。」という言葉からバラードナンバー「落陽」。オレンジ色の照明がどことなく郷愁を引き立てる演出にしばし息をのみました。

 

そしてその曲が終わると、聴き覚えのあるイントロが流れ、「俺んとこ来ないか?」のセリフが飛び出す!そう、氣志團と言えばコレ!な名曲「One Night Carnival」。当然ながらこの曲を聴かない限り氣志團万博は終われない。

 

決して歌が上手いわけではない、演奏だって難しいことはしていない。しかしこの一体感!

みんなが一斉に手を上げ「アフゥ!」「フゥワ!フゥワ!」と歌い出す。そしてラストのサビでは観客全員がマイクを放した翔やんと共にシンガロング。まさしく会場全体が一つとなった瞬間でした。

 

そしてこの曲が終わると翔やんがMCで紡ぎ出す。

「俺たちさ、一つじゃね!?今音楽で一つになってねえ!?We are one!これが奇跡っていうやつじゃねえの!?」と感極まったように声を荒げる翔やん

 

うんうん、わかるぞ翔やん。確かに「One Night Carnival」で会場中が一つになった!

 

しかし...

 

「今みんなが思っていることを代表して言ってもいいかい?............

 

 

 

 

 

 

 

この歌古くね?

 

アレ?

と思ったのも束の間、翔やんがどんどん自虐ネタを語り出していく。

 

「だってこの曲作ったの17年前よ。懐メロにすらなってねえよ。でも俺達にはこの曲しかないんだよ。ヒット曲が出ねえんだよ!!

 

「そんな古い曲をドヤ顔で歌って、みんなにも歌や振り付けを強要して本当にごめん。みんな優しいから携帯で歌詞調べてくれたんだよね?画面の光見えたもん。」

 

うんうんわかった翔やん、泣くな。もうその辺にしとけ。

そう思っても翔やんの言葉は止まらない。

 

「わかってくれよ!動揺してんだよ!ホルモンがあんなことになって、葬式みたいな雰囲気にみんながなってる中出てくる俺らの気持ちも考えてくれよ!

 

「ほかのアーティストはみんなブラッシュアップしているのに、俺たちは17年間この曲に頼ってきました。本当に申し訳ありません!」となぜかメンバー5人で一斉に陳謝。そして「お詫びに新曲をやります!」と言い出す。

 

「おいおい「One Night Carnival」であそこまでドラマチックな合唱を巻き起こしたのだからもういいじゃねえか。アレの後じゃ何をやっても蛇足になるぞ。」と思っていたのですが、その新曲というものが...

 

 

 

 

 

 

One Night Carnival 2018 O.N.C. バージョン」

 

するとバックのスクリーンにどこかで見たことのある文字で"O.N.C."と映し出され、どこかで聴いたことのあるフレーズで"オー!エヌ!シー!"というコーラスが聴こえる、そしてメンバーがなんか見覚えのあるダンスを踊り出す...

 

そう、今年バズりまくったあの曲を丸パクリし、そこに「One Night Carnival」の歌詞をムリクリ当てはめたもの。

 

カーモンベイビーアメリカ!のフレーズが、

 

カーモンワンナイカーニバル!

おーれんとーこー来ないか!?

 

に変わっており、会場中が大爆笑に包まれました。岡崎体育さんのステージが今日の笑いのピークかと思っていましたが、最後の最後でとんでもないものをブチこんできやがった!腹抱えて笑わせてもらいましたよ。

 

ラストはメンバーを模した着ぐるみが登場し、「ゆかいな仲間たち」で締めてくれたのですが、正直に言うと「O.N.C.」のインパクトがデカすぎて、あまり真剣に聴けなかったのが本音です(笑)

 

そしてすべての楽曲終了後、ステージにしかけられた花火が大きく打ち上げられ、氣志團万博一日目は終了するのでした...。

 

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午前中ずっと降り続いた雨のせいでどうなることかと思いましたが、濃ゆいメンツによる面白いライヴが目白押しで個人的な満足度は非常に高かったですね。雨でグチャグチャの地面を駆け回ったせいで、ジーンズの裾と靴が泥だらけになってしまったのも全く気にならないほど充実した時間を過ごすことができました。

 

ベストアクトはただひたすらに圧倒的な歌唱と、優し気な人柄が前面に出たMCが印象的だったアッコさん。次点はカリスマ性バリバリで、ロックの何たるかを堂々と提示するパフォーマンスをみせたDragon Ashですね。

 

ホルモンやBiSH、岡崎体育といった当初から期待をかけていたアーティストももちろん素晴らしかったです。

まあBiSHは「ファーストキッチンライフ」をやってくれたらもっと良かったんですけどね (-o-)ボソッ

 

しかし個性豊かなメンツ、海を一望できる開放的な空間、豊富なフードメニューと野外フェスとしてはとても良い環境づくりがなされていて、非常におもしろい、快適なフェスに感じましたね。つくづく悪天候と入場の時間が惜しまれます...。

 

メンツ次第かもしれませんが、是非ともまた遊びに行きたいフェスでした。来年こそは天気に恵まれますように...。