ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

11/11 Primal Fear / APOCALYPSE JAPAN TOUR 2018 at 渋谷duo MUSIC EXCHANGE

20181111_Primal Fear

正統派メタルの大本命Primal Fearと、そのベーシストであるマット・シナーが率いるSINNERの来日公演に行ってきました。

 

朝は平日より遅くまで寝て、JAPAN COUNTDOWNをテレビで流しつつ洗濯と洗い物。昼過ぎに近所の定食屋で焼肉定食にありつき、その後渋谷をのんびりプラプラ。ディスクユニオンでCD買った後に正統派メタルをガッツリ堪能するという、何とも素晴らしいOFFを過ごしました。

 

これで明日が休日だったら尚良しなんですけどね~。まあ贅沢は言うまい。

 

会場となる渋谷duo MUSIC EXCHANGEは初めて来たのですが、恐ろしいほど柱が邪魔ですね…。こりゃクアトロもビックリだ。

 

当日券が出ていたのでソールドアウトはしなかったようですが、日曜日だからか集客自体はなかなか。あんまり美味しくなかった(すみません)オレンジジュースを飲み干し、上手側の中央から後方の辺りに陣取る。

 

 

SINNER

 

まず登場したのはゲストアクトのSINNER。マットのみならずギターのトム・ナウマン、ドラムのフランチェスコ・ジョビーノと、メンバーがかなり被っているのが特徴。

 

実はこのバンドほとんど聴いたことがなく、ほぼノー予習状態でライヴ当日を迎えたのですが、予想以上に良いライヴを見せてくれました。

 

曲調としては王道のヘヴィメタルですが、Primal Fearほどゴリゴリではなく少し軽めで(もちろん軟弱だったりスカスカだったりするようなことはまったくない)、どことなく明朗でキャッチーなハードロックの雰囲気も感じられるもの。

 

ほどよく歌メロにキャッチーさをにじませつつ、ツインリードを豊富に用いた演奏の安定感、そしてフランチェスコによる非常にパワフルな魅力にあふれたドラミング。派手さは無けれど自然と頭を振りたくなる正統派メタルサウンドを徹底しており、僕の軟弱なメタル魂も昂らざるをえない。

 

ただマットによるヴォーカルは枯れた渋みを漂わせるもので、ヘヴィメタルヴォーカリストとしてあまり魅力的な声質とは思えなかったかもしれません。声量はしっかりしてたし下手でもないのですが。

 

ただその代わりと言ってはナンですが、バンド本隊の他にスキンヘッドの男性とキレイな女性の二名がバックでコーラスをしており、途中で女性の方がフィーチャーされステージ前に出てくる。そのままハンドマイクでメインヴォーカルをとるのですが、これがかなり上手い!

 

女性らしいしなやかな歌唱からメタリックな感触を強めたシャウトまでバッチリ。また見た目の美しさによってムサいオッサン(笑)のみのステージ上に華をもたらす効果もあり。ライヴの良さをさらに押し広げるスパイスとして充分以上に機能していたように思います。

 

 

Primal Fear

 

1時間近くガッツリやってくれたSINNERが終了し、30分ほどの転換の後にいよいよ大本命。最新作のSE「Apocalypse」が鳴り響き、メンバーが登場。

 

ここでアルバムの流れ通り疾走キラーチューンである「New Rise」が来るか!?と思いましたが、前回と同様に「Final Embrace」からのスタート。名曲なだけに盛り上がるけれど、できればアルバム通りにいってほしかったかな。

 

その後1stのオープニングを飾る「Chainbreaker」が飛び出せば、オーディエンスも曲タイトルを叫び応える。やはり熱すぎる正統派メタルのファンはメタル魂も熱いのか、先ほどのSINNERでも充分だった熱量がここにきてさらに跳ね上がる。

 

「ニューアルバムからの曲だ」というMCの後に、最新作の中でもとりわけ研ぎ澄まされたギターリフがカッコよすぎる名曲「Blood, Sweat & Fear」がプレイ。名曲揃いのアルバムの中でも前述の「New Rise」と並び、メチャクチャお気に入りの楽曲であるため、わずか3曲しかやっていないにも関わらず僕のテンションもマックスに。

 

そんなオーディエンスの熱量に感化されているのか、ラルフは曲間にしきりにマイクをこちらに向け声を上げさせ、何だか満足げな笑み。感謝の言葉もかけるのですが、どうも「ありがとうございます」が「アリガトウゴイザイマス」になってしまっていました(笑)

 

しかしそんなバンド側も喜んでしまうほど、この日のオーディエンスの士気は(僕含め)高かったですね。屈強なメタルサウンドにも埋もれないほどの歓声が逐一飛び出すし、少なくともフロア前方はメロイックサインとヘッドバンギングであふれえっていました。

 

まあそれだけPrimal Fearというバンドの楽曲は、盛り上がりやすく熱くなりやすい魅力に満ちているということなのでしょう。実際この日のパフォーマンスを間近で観て特に何の感慨も湧かなかったという人は、ヘヴィメタルという音楽には一切マッチしない嗜好の持ち主であると割と本気で思います。

 

ヘヴィでありつつ切れ味抜群のリフが終始鳴り響き、メロディーは甘くならないキャッチーさを持ち、そして声だけでメタルを感じさせるラルフ・シーパースの圧倒されるほかない超ハイトーンシャウト...どれをとってもすさまじいまでのクオリティー。ホントに生演奏なのか、同期音源やバックでヴォーカル取ってる人いるんじゃないかと思うほどの音の迫力。

 

...ていうか、ラルフ・シーパースはマジでヤバイな!!あんだけマイク離してあれだけの強烈ハイトーンをギンギン響かせるなんて、ホントに人間の声帯をしてるのか!?ついでに言えばどんなトレーニングをしたらあんな上腕二頭筋になるんだ!?

 

そんな熱すぎるバンドのパフォーマンスは最初から最後まで一切緩むことはなく(MC除く)、超充実の最新作からのナンバーも最高でしたが、特に素晴らしかったのが「Nuclear Fire」~「Eye Of The Storm」の流れ。

 

片やゴリゴリの疾走メタル、片やドラマチックな叙情大作と趣は異なれど、その途切れることない緊張感と劇的な曲展開は鳥肌モノ。「Nuclear Fire」で大盛り上がりを見せた後に、切ないクリーンギターとオーケストレーション(ややショボめの同期音源でしたが、これはまあ仕方ない)でドラマを描く「Eye Of The Storm」はとても先ほどまでと同じ会場とは思えない空気に包まれました。

 

The End Is Near」で大迫力のシャウトからの"The end is near!"というシンガロングを決め一体感を出し、「When Death Comes Knocking」では、しばしスローな展開に息を飲む。正統派メタルという軸は一切ブレずに、ここまで一本のライヴでメリハリをつけられるのも彼らの充実の楽曲があればこそなんでしょうね。

 

ライヴの終盤でラルフが日の丸のタオルと扇子を持ってきたファンを見つけ、タオルをステージまで持ってきてもらいそれを手にしたあと「朧月夜」をアカペラで歌うというちょっとしたコーナーも。っていうか何故に扇子なんか持って来たんだあの人は。陰陽座じゃあるまいし。

 

その他ラルフのMCでメンバー紹介を行ったときに、「今日2回のライヴをやってくれたギター、トム・ナウマン!ベース、マット・シナー!(ドラムのフランチェスコを指しながら)ドラム、アレックス!......間違えた!!」とポカをやらかし、ギタリストであるアレックスがニコニコ顔でエアドラムをしてみせたのが、本日一番の和みポイントでした。

 

本編のラストは最強のメタル賛歌「Metal Is Forever」。この曲の熱さはやはり尋常ではない。メタルヘッズならば誰しもが叫ばずにはいられないあのサビを皆で共に歌う!!

Metal Is Forever!!!

 

アンコールでは劇的な組曲大作である「Fighting The Darkness」に、「Metal Is Forever」にも引けを取らないアンセムIn Metal We Trust」。

 

後者は文句なしの最強メタルチューンで大満足ですが、「Fighting The Darkness」の展開の妙もまた良いものですね。最初のサビが終わった後、アレックス、トム、マットの3人が並び疾走パートを演奏、その緊張感を引き継いだままラルフが袖から現れ、最後の大サビを歌う。最後の最後でさらに山場と呼べる部分を持ってこれるとは、やはり優れた楽曲を量産できるバンドはライヴも強い。

 

90分ほどの演奏でしたが、いや~~~やっぱりこのバンドはスゴイですよ。そりゃあ最新作からは「New Rise」をやってほしかったし、「Evil Spell」や「Inseminoid」といったキラーチューンも聴きたかったですよ。でもこれほどまで完成度の高いピュアメタルライヴを見せてもらっちゃ文句なんか言えません。

 

ヘヴィメタルという音楽が好きで、かつ経済的にもスケジュール的にも余裕があったのに今回の公演に足を運ばなかった人は大損こいとるぞといった感じです。世界最高峰のヘヴィメタルライヴここにあり!