ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Artillery 『The Face Of Fear』

Artillery 『The Face Of Fear』

デンマーク出身のスラッシュメタルバンドの9thフルアルバム......って、前回日本の女の子6人組ユニットのライヴ感想で、今回はデンマークスラッシュメタルのCD感想って、このブログはいったいどの層をターゲットにしているのだ(笑)

 

まあいいんですいいんです。所詮はひとりごとですから。自分の好きなモノを思うがままにブツブツつぶやけば良いのです。

 

さて、デンマークのメタルシーンが一体どういうものなのかは正直僕は全然わからないのですが、恐らく同国を代表するくらいの知名度を誇っているであろう(ですよね?)Artillery。そんな有名バンドの新作なのだから、当然力の入った良盤であることは疑いようもありません。

 

まずアルバムのオープニングを飾るM1「The Face Of Fear」がメチャクチャ気合の入ったスラッシュチューンでかなりカッコいい。

 

切れ味抜群のザクザクギターリフにドラムの連打が乗り一気に疾走、スラッシュメタルでありながらもはや"メロディック"と呼んでいいサビは、迫ってくるような緊迫感、背筋がゾクゾクする高揚感に満ちており聴き手のテンションを否応なしにブチ上げる。途中のギターソロで少しテンポを落としつつ、解き放たれたかのように爆走する瞬間なんかたまらなくカッコいい!!

 

一発目からかなりのキラーチューンで迎えてくれた後、性急なテンポは維持したまま、よりリズム面を重視したリフがノリノリなM2「Crossroads To Conspiracy」、初期METALLICAかと思うようなアコギの前奏から、不穏なヘヴィリフでミドルテンポに展開するM3「New Rage」へと続き、待ってましたの爆走スラッシュナンバーM4「Sworn Utopia」でテンションの沸点を迎える。この曲は最初のハイトーンシャウトでヤラれますな。

 

その後のM5「Through The Ages Of Atrocity」はかなりリフが研ぎ澄まされた正統派寄りのミドルチューンで、これがまたカッコいいのですよ。個人的にスラッシュメタルってどうしても速さが足りないと、それに比例するように満足度も足りなくなってしまうように感じることが多いのですが(SLAYERとか特に)、彼らは疾走感に頼らなくても良質な楽曲を生み出せることがわかります。

 

やはりリフがしっかり磨かれているのはもちろんのこと、メロディアスに歌い上げることのできるヴォーカルの存在が大きいのかも。ヴォーカルのミカエル・バストホルム・ダールは、スラッシュメタルっぽい吐き捨てスタイルではなく、正統派メタルシンガーと言っても良いほどの""を聴かせてくれます。

 

M7「Pain」なんかもはやスラッシュメタルではなく完全にメロディックメタルですからね(ギターは派手に唸っていますが)。アルバム全体としてスラッシュの攻撃力と基本線はしっかり維持しつつ、メロディアスな要素を一切捨てていないバランス感覚が素晴らしい。

 

本作中最もヘヴィで攻撃的なリフが重機のごとく押し寄せる(しかしメロディアスなギターフレーズもしっかりとある)M9「Preaching to the Converted」をアルバムの終盤にぶつけてくるのもニクいですね。最後まで決して守りに入らない姿勢が見て取れます。

 

ラスト2曲のM10「Mind Of No Return」、M11「Doctor Evil」は過去曲の再録音源ですが、僕はどちらも未聴なため、普通に新曲として聴けましたね。両方とも優れた楽曲ですが、Evilなんて曲名に反して、爽やかとすら言えるアコギのフレーズが面白い後者が特に気に入りました。

 

M1「The Face Of Fear」 MV (オススメ!)

 

M2「Crossroads To Conspiracy」 オフィシャル音源