ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

DESTRUCTION 『Diabolical』

 

KREATORの新作について書いたのだから、やはり同年に発表された、同じくジャーマンスラッシュの代表格についても書かなくちゃ、と思い立って本作の感想を書きます。

 

KREATOR・SODOMと共に、ジャーマンスラッシュトリオの一角として、40年近く活動してきている大ベテラン、DESTRUCTIONの新作です。

 

実を言うと僕はこのバンドの過去音源についてはほとんど聴いてきておらず、過去作の比較がどうとか、あまり偉そうなことは言えないのです。

 

そのため、本作はバンド創設時からギタリストをずっと続けてきたマイク・ジフリンガーが脱退し、新たにマーティン・フュリアなるギタリストを加入させて、心機一転を図った作品なのですが、僕にとってはアルバムをガッツリ聴き込むのは本作がほぼ初めて。どこがどのように変化したのか感じることはできず...。まあ折を見て過去の代表作も色々掘り下げてみるとします。

 

さて、そんな大きなメンバーチェンジを経て生まれた本作ですが、内容として潔いまでにダーティーでアグレッシヴなスラッシュメタル。スピードナンバーを多めに配し、切れ味鋭いリフが支配的。噛み付くように叫び、時折ひっくり返りそうになるハイトーンを披露するヴォーカルも相まって、「これぞスラッシュメタル!」と言い切りたくなる快作。

 

川嶋未来さんのライナーによると、本作は過去作に比べて正統的なヘヴィメタル色が強くなり、シンプルでストレートな作りになっているとのこと。プログレッシヴな音を好むマイクが脱退したことで、ヴォーカルであるシュミーアの意向が反映されやすくなった結果らしい。

 

このブログでも何度か書いてますが、基本的に僕はプログレッシヴメタルは苦手で、わかりやすくストレートな音作りを好むリスナー。もしライナー通りの結果により本作が生まれたとするなら、前任のマイクがいる体制を好むオールドファンには申し訳ない言い方になるものの、より僕好みのスタンスになってくれてありがたい。

 

スラッシュメタルの命であるリフがどこを切っても強靭であり、ツインギターの強みを活かし、二つの旋律(というにはかなりアグレッシヴですが)が絡み合うギターソロも導入されていて、聴いていて自然と頭を振りたくなってしまう音。

 

ロディアスだったりドラマチックだったりといった要素は薄いため(一部のギターソロなどに少し含まれる程度)、個人的にはちょっと単調な印象が無きにしも非ず。ただ、それは言い換えればピュアスラッシュを徹底していると言うことで、KREATORがメロディックすぎると感じる、根っからのスラッシャーの方は本作の方が気に入るかもしれません。

 

ほとんどが疾走チューンで構成されている痛快な出来ですが、その中に混じるM4「Repent Your Sins」や、M8「Tormented Soul」のような、グルーヴィーと形容できそうなヘヴィリフで押し進む、ミドルチューンの出来も良い。やっぱりリフがザクザクして聴きごたえがあるからなんでしょうね。疾走曲以外はイマイチという結果に陥っていないのは高ポイント。M10「The Lonely Wolf」のゴリゴリなリフの気持ち良さも素晴らしいです。

 

疾走チューンにハズレはなく、どの曲もゾクゾクとした高揚感に満ちていますが、特にM3「No Faith In Humanity」と、M9「Servant Of The Beast」はキラーと言っていいですね!前者はスラッシーなリフさばきは言わずもがなですが、中盤のツインギターの見事なギターソロに酔わされます。後者はイントロの高速ノコギリのようなリフから期待値が高まり、サビ(と言っていいのかな?)直前のブリッジにおける、ドラムとリフの交錯がメチャクチャにカッコいい。

 

ラストのM13「City Baby Attacked By Rats」は、ハードコアパンクバンド・G.B.H.の同名曲のカバー。元々スラッシュメタルがハードコアの系譜に位置する音楽だから当然っちゃ当然ですが、何ら違和感の無いアレンジで良き。まあ曲が曲だけに、メタルというよりかはハードコア的なアグレッションが目立ちますが。

 

 

個人的に本作は

"スピード感あふれるリフと、微メロディアスなツインギターソロを武器とし、徹底的にスラッシュメタルを貫き通した痛快作"

という感じです。

 


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