ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

AZRAEL 『MOONCHILD』

AZRAEL 『MOONCHILD』

1993年結成という、何気に結構なベテランの域に達している日本のメロディックスピードメタルバンド・AZRAELの、前作より8年ぶりとなるフルアルバム。

 

新作の音源はほぼほぼ音沙汰無し状態、公式サイトを見ても数年に一回くらいしかライヴしてないんじゃないかと思うくらいの活動規模。もうこのバンドは昼間の仕事の片手間に行われる趣味的なものなのかな~などと思っていました。

 

そんなわけでこうして新譜が発売されただけでも結構な驚きなのですが、今作の仕上がりがなかなかに良い感じになっており、これといってブランクを感じさせないのにまたちょっと驚いてみたり。

 

僕はリフがしっかりした正統派要素のあるヘヴィメタルが好きなため、こういう軽いメロスピは必ずしも好みド真ん中ではなく(もちろん好きか嫌いかと聞かれれば好きですけど)、ヴォーカルのAKIRAさんもハイトーンこそスゴイなとは思うものの、声質自体はあまり好きなタイプではないというのが正直なところ。

 

しかしそんな僕でも本作で聴かれるメロディーの数々には心を動かされる。哀愁をしっかり含みつつも、安くならないポップさも活きた飛翔系メロスピのお手本ともいうべきフレーズがてんこ盛り!メロディーセンスは何一つ色あせていません。

 

SEであるM1「Birth Of The Universe」からのM2「MOONCHILD」から切なさと希望に満ちた歌メロが冴えわたるAZRAEL流メロスピの王道。頭とサビのフレーズがかなりツボです。メロディー重視のギターソロもイイ!

 

イントロから解放感溢れる明朗なM6「Fight It Out」、本作中特にスピーディーであり、哀愁の歌メロが映えるM8「Heaven Or Hell」、ラストを飾るに相応しいスケール感を持ったM12「Sun Will Rise」など、スピードチューンの出来は非常に高くメロスパーなら狂喜乱舞必至でしょう。

 

スピードを控えめにしたM5「Dream Die Hard」、M7「Infinity」といった楽曲も、歌メロの良さは冴えわたっており、ミドルテンポの曲がつまらないということにもなっていないのもポイントです。M5なんて本作最大級にポップではないかと思うほどにメロディーが豊か。

 

全体的に音が軽く、メロスピ特有の野暮ったさみたいなのも無くは無いのですが、メロディックメタル好きとしてはやはり本作の珠玉のメロディーは胸に来る。名曲「Sunrise in the Dreamland」を初めて聴いたときのような衝撃は無かったですが、ここまでピュアな海外志向メロスピが日本から出てくるのはやはりスゴイ。大抵国内メロスピって良くも悪くも日本人っぽさというか、歌謡的なセンスが出てしまいがちですからね。

 

今年はライヴ活動も「多少は頑張る」とのことらしいので(笑)、メロスピを愛する者は改めて要注目!といったところでしょうか。今のご時世、この手の音でブレイクするとはさすがに思えませんが、日本のメタルファンにはもっと人気が出ても良いはず。

 

本作のトレーラー

MVが一つでもあれば良いのですが、今まで開店休業状態だったバンドが作るのはやはり厳しいのでしょうか...