前々回に「鋼鉄成分底上げ」を謳っておいて、前回はその舌の根も乾かぬうちにパンクロック界の代表のアルバムを取り上げました。行ったり来たり...
ここで再び当ブログをメタル路線に回帰すべく、"これぞヘヴィメタル・これこそがヘヴィメタル"な作品を取り上げてバランスをとります。
メタルゴッド・Judas Priestが1984年に発表した、前作『Screaming For Vengeance』と共に正統派メタルの教典として君臨する不朽の名盤『Defenders Of The Faith』。まあ今更僕が何を言えば...ってな作品なのですが。
Judas Priestのアルバムの中でどれか一枚を選ぶとしたら、大抵の人は1990年に発表された『Painkiller』を挙げると思います(違ったらゴメン) 僕もそれには全く同意見ですが、では全楽曲の中でどれか一曲、と言われれば、アルバムよりも意見は分かれるのではないでしょうか。名曲がいっぱいありますからね~。
もし僕が「プリースト最高の一曲は?」と聞かれれば、迷わずとまではいかないまでも、本作のオープニングトラックであるM1「Freewheel Burning」を挙げますね。
彼らの様式センスが遺憾なく発揮された展開とメロディーはもちろん、なんといってもこの曲のキモはギターソロ。ヘヴィメタルにおけるツインリードギターソロの王道にして頂点と言いたくなる見事なソロは、いつ聴いても鳥肌モノのカッコよさ。堂々たるロブ・ハルフォードの歌唱が冴えわたるサビも最高にカッコいい。
よりシリアスな緊張感を高めつつサビにはハイトーンも登場、リフもソロも見事に構築されたM2「Jawbreaker」、イントロから劇的なツインギターが聴け、ハードロック寄りなキャッチーなサビが合唱を誘うM3「Rock Hard Ride Free」、そしてブリティッシュヘヴィメタルの完成系を完璧に提示する名曲M4「The Sentinel」と続く流れはまさに完璧。
よく言われるようにこの頭4曲の流れがあまりにもすさまじいために、どうしても中盤から後半にかけて聴き劣りしてしまうのが弱点と言えば弱点ですが、それでもM6「Eat Me Alive」のような充分カッコいい佳曲も収録されているし、緊張感が途切れるほどではないかなと思います。
確かに最後のM9「Heavy Duty」~M10「Defenders Of The Faith」の流れは、アルバムのラスト、しかもアルバムタイトルを冠しているにしてはかなり地味ではありますが...
もし中盤以降も前半4曲に負けず劣らずの名曲が続いていれば、『Painkiller』をも上回る史上最高の様式美ブリティッシュヘヴィメタル・アルバムに仕上がっていたのではないか...と思うだけに、聴いてて少しもったいないな~と感じてしまいます。
M1「Freewheel Burning」 MV
M4「The Sentinel」 Live Video
上の2曲はメタル史に残る一大名曲です。まあ今更ですが。